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勝手に芸人を表彰!!ENGEI SHAMROCK AWARD2019

 あけましておめでとうございます。2020年も拙ブログをよろしくお願いします。

 そう書いておいて去年の話ですがw 恒例の「ENGEI SHAMROCK AWARD」を発表しようと思います。去年のうちにブログ名が変わりましたけど、AWARDのタイトルはそのままにします。過去3回のAWARD受賞者は以下の記事を参照に。

勝手に芸人を表彰!ENGEI SHAMROCK AWORD2016 - ENGEI-COMIC SHAMROCK

勝手に芸人を表彰!ENGEI SHAMROCK AWORD2017 - ENGEI-COMIC SHAMROCK

勝手に芸人を表彰!! ENGEI SHAMROCK AWARD 2018 - ENGEI-COMIC SHAMROCK

 それでは2019年の受賞者を発表します。今回はタイトル数を増やしました。

 MVP・新人王・殊勲賞・敢闘賞・技能賞・特別賞を選びます。相撲が混ざりましたねw それでは、改めて発表します。カッコ内は主な授賞理由。

 

MVP:サンドウィッチマン伊達みきお

(すぐトランプに電話する安倍首相のものまね)

新人王:ミルクボーイ

M-1グランプリ2019優勝)

殊勲賞:ミルクボーイ

(同上)

敢闘賞:はなしょー

(THE W2019準優勝)

技能賞:布施辰徳

安室奈美恵「TRY ME」を歌う五木ひろしのものまね)

特別賞:清水ただし日本共産党衆院議員〉

(元松竹芸人の経験を生かして吉本興業の闇営業問題を解説)

 

 MVPは2007年のM-1覇者でもある伊達が受賞しました。受賞理由の「安倍首相のものまね」については、拙ブログの読者にとってはもはや説明不要でしょう。なぜか年末は伊達の安倍首相ものまねを取り上げた記事のアクセス数がえらい上がっていました。

 もう少し伊達の安倍首相ものまねについて書いてみますと、風刺というか権力者をいじる笑いの力強さみたいなものを再認識させたと思います。伊達自身は安倍首相ものまねについて「学校の先生をいじるつもりで…」と特段の政治的な意図を持たないネタだと話していました。

 私は全くそれでかまわないと思います。ウケるから権力者をネタにする。芸人にとってウケることは最大の幸せ。自分は安倍政権の支持者だけど、ネタにするとウケるから首相をジャンジャンいじります!て芸人がどんどん出てもいいと思うのよね。今後、芸人が権力者の風刺ネタに挑戦しようってとき、伊達の安倍首相ものまねは格好の「教科書」だと私は推薦します。

 

 新人王、そして新たに設けた殊勲賞はM-1グランプリ2019覇者ミルクボーイのW受賞と相成りました。実はM-1優勝者がAWARDの各賞を受賞するのは、彼らが初めてです。だからどうってわけでもありませんがw

 M-1史上最高得点という記録がフィーチャーされましたが、あのコーンフレークのネタで感心したのはやりとりする言葉の強度ですね。ブラッシュアップしまくったんやろうなと感じました。野球の投手に例えれば高校時代の江川卓のようなすごみがありましたよ。まあ私にとって高校時代の江川って生まれる前の話ですけどw

 ボケの駒場は数年前まで先輩に飲みに連れてもらう生活を続けていましたが、ツッコミの内海とネタを磨き上げるために先輩の誘いを断るようになります。その先輩は駒場の結婚披露宴には出席しなかったと。一方でアドバイスを送る先輩は増え、駒場は「こんな話を先輩としたかった」とこぼしたとか。まあ今となっては有名な逸話ですが、そうした過去を経てM-1優勝の偉業をつかんだという点で、ミルクボーイは応援したくなる漫才師ですね。

 

 敢闘賞はTHE W2019準優勝の、はなしょー。惜しくも3時のヒロインに敗れましたが、ファーストステージBブロックでおかずクラブ、前回優勝の阿佐ヶ谷姉妹、つぼみ大革命、そして紺野ぶるまを立て続けに破る4連勝には鬼気迫るものを感じました。

 拙ブログでも書きましたが、彼女たちのコントは演者の熱量で笑いをもぎ取っていくストロングスタイル。現在の漫才やコントって奇抜な設定やひねった展開で感心させつつ笑わせる…みたいなタイプのネタが主流だと私はみていますが、はなしょーみたいな直球勝負の芸人がもっと増えてほしいと思っています。まあミルクボーイのM-1優勝で、直球勝負の強みは多くの人に認識されたて感じですが、今年のKOCは、はなしょーには3時のヒロインとともに初の女性だけの組でのファイナリストを期待します。

 

 技能賞に選んだのは、今年でキャリア28年を誇るものまね芸人の布施。正統派の歌まね芸人として確固とした地位を築いてきた彼が、昨年末のものまね王座決定戦で「安室奈美恵の『TRY ME』を歌う五木ひろし」をまねたのはちょっとした衝撃でした。この切り札中の切り札と言ってもいいネタを布施は王座準決勝で披露し、同じ正統派実力者のみはるに勝利。その勢いで決勝戦では優勝のダブルネーム、ミラクルひかるに次ぐ3位と大ベテランの存在感を示しました。

 しかし「安室を歌う五木」てのは非常にネットでウケるタイプのネタですね。昨年還暦を迎えた布施にとって、60歳代の代表ネタと言えるかもしれません。まあ「営業であれやってください!」てオファーは殺到でしょうな。

 

 特別賞は昨年4月、宮本岳志氏の衆院大阪12区補選立候補により2年ぶりに衆院議員に返り咲いた清水ただし氏。元松竹芸能所属で同期はオセロ、特技はバナナのたたき売りという異色の国会議員です。

 さすがにすっかり忘れている人はいないでしょうが、昨年は吉本芸人を主とした闇営業が大問題となりました。7月には雨上がり決死隊宮迫博之ロンドンブーツ1号2号田村亮の会見、そして吉本興業の岡本邦彦社長の会見がマスコミをにぎわしましたが、現在はパッタリと報道がやんでしまいました。お笑い評論家のすがやしのぶ氏はじめ、ネット上で著名なお笑いフリークの諸氏はこぞってスルーしている感さえあります。

 清水氏は、元芸人という立場を踏まえて昨年8月5日付「しんぶん赤旗」で闇営業問題を論じています。その記事の文字起こしは清水氏のサイトで紹介されています。

www.shimizu-tadashi.jp

 清水氏のインタビュー記事では、闇営業の問題点がすべて整理されていると思います。そして、それらの問題点は今日まで解決していません。それどころか、吉本芸人には「交通費が支給されなくなった」て新たな問題も出てきましたね。2020年は、清水氏が提起した問題点を多くのお笑い好きの皆さんが改めて共有して、お笑い文化発展のとっかかりとなる年になればと切に願います。

 

 てわけで「ENGEI SHAMROCK AWARD2019」の発表を終わります。何だか年の初めから濃い話をしたようで恐縮ですがw改めて本年もよろしくお願いします。