無料カウンター

4月・5月の記事アクセス数ベスト5

 6月になりました。ここで未発表だった4月と、5月の分をまとめた拙ブログの記事アクセス数ベスト5を発表します。

 

◆4月

すぐれた風刺! サンドウィッチマン伊達の安倍首相ものまね
ドリフのコントにも黒人差別はあった―菅家しのぶ氏への反論を主体に
デビューは「8時だョ!全員集合」! 吉川晃司「モニカ」
「ちびまる子ちゃん」の異色名作「男子対女子大戦争」原作を読みアニメを見る
高木ブー「志村は死なないの。ずっと生きている」

 

◆5月

①すぐれた風刺! サンドウィッチマン伊達の安倍首相ものまね
②「ちびまる子ちゃん」の異色名作「男子対女子大戦争」原作を読みアニメを見る
「未来少年コナン」に魅了されたきみら、新日本婦人の会にお礼言っとくように
「青春時代」の森田公一はさらば青春の光・森田にそっくり!w
「爆笑オンエアバトル2019」オンエア予想の答え合わせ

 

 両月ともサンドウィッチマン伊達みきおの安倍首相ものまねの記事がトップを制した。これでアクセス集計を始めて以降、4か月連続の1位である。

 4月のランキングを見ると、前月末に喜劇王志村けんのコロナ禍による死去のためか、過去に書いたザ・ドリフターズ関連の記事が上位に。2位のドリフのコントにも黒人差別が入り込んでいた一例として「ドリフ大爆笑」の海コントを挙げたが、5chの志村訃報関連のスレに該当コントの動画が張られていた…てのを今思い出した。

 月に2~3本の記事と更新頻度の高くない拙ブログだが、3月後半~4月前半はわりと多めに更新した。志村関連2本、「あさりちゃん」、戸川純「レーダーマン」のレビューなど。ランクインしたのは5位の高木ブーの名言を取り上げた記事のみで、少々執筆の当事者としては複雑な思いがあるw

 

 5月は「未来少年コナン」ネタの記事が健闘した。この記事は私が尊敬するレビューブログ・紙屋研究所に刺激を受けたのが作成の動機であった。

 アップしたのちに、紙屋研究所では私の記事を引用した「コナン」評が書かれていた。恐縮したが、非常にうれしい出来事である。

 5位には昨年一度限りの復活を果たした「爆笑オンエアバトル」の記事。当然ながら1年以上前の記事だが、なんかアクセス数が増えるようなきっかけあったのかね。新型コロナウイルス問題のさなかだから「再び特番!」みたいな話もないだろうし。

 あ、でもオンバトの再放送とかはこの時期やってもいいと思うね。私はテレビを見ない生活してっけどw

 そんなわけで(?)あまり更新頻度の高くない拙ブログですが、6月も何とぞよろしくお願いします。

「鬼滅の刃」と「エローラの剣」(from手塚治虫「ブラック・ジャック」)

 吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)の漫画「鬼滅の刃」の連載が、今週の『週刊少年ジャンプ』(集英社)最新号で終了した。今さら私が説明するまでもないが「鬼滅の刃」はアニメ化で人気に火が付き、明石家さんま木村拓哉など著名人のフォロワーがついたことで爆発的な人気を獲得。人気絶頂のさなかでの連載終了ということで、社会現象とも言うべき反響を巻き起こしている最中である。

 週刊誌の記事によると、この人気作品を手がけた吾峠氏は女性だという。集英社から作者の性別についての公式な発表はないが、ネットでは以前から「『鬼滅』の作者は女性」という噂が立っていたようで、前述の週刊誌の記事はその噂の裏付けの意味を持っていると言ってよかろう。

 こうした「鬼滅の刃」狂騒曲に触れて、私は「漫画の神様」手塚治虫の不朽の名作「ブラック・ジャック」を思い出した。具体的には、電子書籍版13巻に収録したエピソード「ペンをすてろ!」である。

 

 青年漫画家・猪谷純一のもとに吉報が舞い込んだ。連載漫画「エローラの剣」が漫画賞を受賞したのである。さっそくマスコミがスタジオへ取材に押しかけた。読者の評判によると、彼の人物描写は「女性が描いたのではないか」と思わせるほどの共感を得ているという。当の猪谷は要領を得ない回答に終始する。

 それもそのはず、猪谷は代役であった。真の作者は彼の恋人・水上ケン。彼女は尿毒症の患者で3年もの間入院し、苦しい透析の合間に原稿の下書きを整えていた。

 その間、猪谷は病院からケンの原稿をスタジオに持ち帰り、アシスタントに仕上げをさせる役柄を務めたにすぎない。「エローラの剣」が大人気作品となり、猪谷は自分のなりすましにボロが出かねないと頭を抱える…という展開だ。

 

 まず「エローラの剣」が受賞した漫画賞について書いておきたい。物語の冒頭で、猪谷のアシスタントが「春秋社からの電話」と取り次いでいる。

 ここから察するに、漫画賞とは「文芸春秋漫画賞」がモチーフだろうか。この「ペンをすてろ!」が『週刊少年チャンピオン』で描かれる前年の1975年、手塚は「ブッダ」「動物つれづれ草」で、秋竜山とともに文芸春秋漫画賞を受賞していた。

 手塚のサービス精神なら、この受賞をネタに「ペンをすてろ!」を描いたと取れなくもない。それにしても「鬼滅の刃」と「エローラの剣」、なんか似てんなw

 またこうした代役で思い出すのは、新型コロナ禍で中止が決まった高校野球選手権大会のテーマソング「栄冠は君に輝く」である。このテーマソングは1948年に公募で選ばれたのだが、作詞者は女性と長らくされていた。

 しかし20年後の1968年、「栄冠は君に輝く」の作詞は男性である加賀大介のもので、先の女性は彼の婚約者で代役であったことが明らかとなった。事の真相が明らかになるまで、女性はインタビューで「野球が好きなので…」とあいまいな回答に終始したという。男女逆転すれば「ペンをすてろ!」のモチーフに酷似している。手塚がこのエピソードを知っていたかは定かでないが。

 

 さて「ブラック・ジャック」本編に戻ろうw 作品の主人公たるブラック・ジャック(BJ)はケンの主治医だった。BJはケンの最新号の原稿を破り捨て、執筆をやめなければ彼女の病気は治らないと宣言する。ここで猪谷は板挟みとなる。

 猪谷は出版社に「エローラの剣」の休載を申し入れるが、社長は青天の霹靂(へきれき)といった感じで「わけをおせえて!」とせがむ。「わけは言えない」で通す猪谷。社長は原稿料の倍加や年1回の世界旅行など歩み寄るが、首を縦に振らない猪谷に「やめたら社員一同ズラーッと首をつりますよ」と懇願とも脅しともつかない発言をして立ち去るのだった。

 この辺は非常にギャグ的なやりとりなのだが「鬼滅の刃」の社会現象を見ていると、やたらリアリティーが感じられて困るw ジャンプ編集部も、吾峠に「もっと連載を延ばしてください!延ばさないと社員一同…」て言ったんじゃないかみたいなね。

 進退極まってきた猪谷は、ケンをなだめたりすかしたりしつつ新作のペンを執らせようとする。しかしケンは透析の苦痛から拒絶する。「ぼくの気持ちも考えろよ」とエゴを爆発させる猪谷。「きみが漫画を描けるのは僕のおかげだ」というおごりが見え隠れしてきた。物語はクライマックスに差し掛かる。

 

 ケンの生命の危機に動いたのは、主人公であり狂言回しであり、何よりケンの主治医であるBJだった。編集者にせかされても、当然ながらペンを動かすこともできないで夜のスタジオを過ごす猪谷の前にBJは現れる。ここでのBJは圧巻の一言に尽きよう。

f:id:masa10ishi96sham69:20200523040759p:plain

(「ブラック・ジャック」電子書籍版13巻145ページから)

 一応BJの名誉のために書いておくと、上記のくだりの1ページ前に主治医の彼はケンに腎臓を提供してくれる人を必死で探していた。同年代の適切な提供者が見つからず、BJは猪谷のスタジオを訪れたのである。

 それにしてもBJは挑発のためとはいえ、猪谷のプライドをえぐるえぐる。こらえきれず猪谷が放った鉄拳をさばくBJの横顔よ。

 次のページで病院を訪ねた猪谷はケンの意識混濁を知り、涙ながらに腎臓の提供を決意する。この展開を読み切って、BJは猪谷を煽り、悪魔のような笑顔で彼のこぶしを受け止めたのだろうか。

 

 …うーむ、ここまで書いて「『鬼滅の刃』あんまり関係なくね?」て感じになった気がしないでもないw でも吾峠氏は「鬼滅の刃」終了を機に福岡の実家へ帰り、漫画家引退の噂まで立ち上っている。

 短編「ペンをすてろ!」において、漫画賞を受賞した天才・水上ケンの内面について十分な掘り下げができているとは思わない。物語は恋人の猪谷に焦点が当たっているし。

 しかしペンを執れない苦しみにさいなまれるケンを前に、BJはおごそかに尋ねる。

 「かきたいか?」

 「ええ…」

 ここは名シーンだと思うよ。何しろ作者の手塚自身、後に連載3本(「ネオ・ファウスト」「グリンゴ」「ルードウィヒ・B」)を抱えながら闘病生活を送った人だし。ペンなしでは生きていけない人だもんね。

 吾峠氏は女性作家ながら、編集者に男性しかいない『週刊少年ジャンプ』で1回も休載せずに205回の連載を続け、単行本売り上げであの「ONE PIECE」(尾田栄一郎)を下すことができた。その偉業を果たした吾峠氏なら、必ずや今後の長い漫画家人生にて手塚の見た風景に手をかけることができよう。

 期待しています。雑な締め方ですけどw

「未来少年コナン」に魅了されたきみら、新日本婦人の会にお礼言っとくように

 新型コロナウイルスの影響で地上波のテレビ番組は再放送が増えているが、その「副産物」の一つがNHKテレビの傑作アニメ「未来少年コナン」の再放送だろう。NHKが初めて手がけた連続アニメであり、巨匠宮崎駿の初監督作品である。

 私はテレビを見ない生活を続けているが、某動画サイトで「コナン」第1回を視聴した。この作品は高校時代にNHK衛星放送第2(当時)の再放送で見たのだが、初回はたぶん見逃している。

 しかし初回はすげえな。実写でもアニメでも連続ものの第1回となれば、作品紹介的な感じでゾロゾロと主要人物が出てくるのがセオリー。「コナン」の初回は6人と1匹(コナン、ラナ、おじい、モンスリー、クズゥ、飛行艇の運転士、ハナジロ)しか出てねえからな。あとナレーターの伊武雅之(現・伊武雅刀)。

 そして終盤の畳みかけよ。インダストリアの連中がラナをさらい、彼らを乗せた飛行艇をコナンは追いかけ、その翼に乗っかる…てな引きで初回放送を締めるってのがね。

 

 私が尊敬する漫画評論家でブロガーの紙屋高雪氏は、連れ合いと一緒に再放送初回を見たという。その際の興奮と感動をブログ「紙屋研究所」で記している。ここで紙屋氏は、以下のような注記を施していた。

 

 義母は左派系の教員「活動家」であった。当時新日本婦人の会などの女性団体が「低俗」なアニメや番組を批判する運動を展開していて「健全」で大人も子どもも共有できるようなアニメの制作を提案していた。その成果としてNHKのアニメの枠があり、「コナン」がある…と1990年代後半に、ある新日本婦人の会の大物幹部を取材した時に聞き、資料を見せてもらったことがある。

 

 40年後もNHKで再放送されるほどの傑作「未来少年コナン」を制作するきっかけには、女性団体「新日本婦人の会」の提案があった…という話だ。実はこのくだり、私にも聞き覚えがあった。

 確か日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の記事であったような…と、30年近い赤旗読者である私は思い出し、そのおぼろげな記憶から調べてみた。そしたらありましたよ。1998年5月23日・24日付に掲載された「子どもとテレビ」という座談会がある。

 出席者はアニメーション映画監督の有原誠治、当時の新日本婦人の会(新婦人)会長で日本共産党参院東京選挙区候補(のちに当選して参院議員1期)の井上美代、そして病院職員の男性、国会議員団事務局員の女性、主婦ら5人。座談会の「下」において、有原と井上の間でこんなやりとりがある。

 

井上 コマーシャリズムに走らない、よいアニメを放送してほしいとNHKに要望して、78年にNHKで初めてのアニメ「未来少年コナン」が誕生しました。

有原 こちらの「コナン」は、未来の地球を舞台に主人公のコナンが仲間と出会い、さまざまな冒険をしていきます。宮崎駿さんらが演出しました。

 

 有原が「こちらの『コナン』」と言っているのは、座談会の「上」で「名探偵コナン」は殺人事件が出てくるので、出席者の主婦の子どもが怖がっている…というくだりを受けてのものだと思う。ともあれ肝は、紙屋氏の注記を裏付けるように新婦人の要望が契機となって稀代の名作「未来少年コナン」が誕生したことだろう。国会議員団事務局員の女性は「当時、わくわくして見ていた」と言い、自身の3人目の息子に「湖南(コナン)」と名付けたという裏話まで披露している。

 

 翻って現代の話に戻るが、井上が会長を務めた「新日本婦人の会(新婦人)」と聞いて、思い出すのは幼児向け知育図鑑『はじめてのはたらくくるま』(講談社ビーシー)の件だと思う。同書は陸上自衛隊の戦車や装甲車などを紹介。これに対して、新婦人の会や児童文学関係者は講談社ビーシーに懸念を伝えた。その結果、講談社ビーシーは『はたらくくるま』の増刷を止めることにした。

 ここからはご承知の方も多いだろうが、講談社ビーシーに圧力をかけたと誤解して、新婦人に抗議が集中した。当時、殺到した抗議に対する新婦人の声明はこちら

 今の段階で、新婦人にヒステリックな抗議をした連中へ声をかける義理はないけども、彼らの圧倒的多数は今回の「未来少年コナン」再放送を熱狂のままに視聴したことは想像に難くない。きみらの大好きな「未来少年コナン」は、きみらが忌み嫌う存在である新婦人の尽力がきっかけで、宮崎駿のような巨匠が昼夜を分かたず制作に力を注いでできたもんだよと。

 だからきみらは、せめてもの義理として新婦人の皆さんにはお礼を言うのが筋だと思う。現場からは以上です。byカズレーザー

最もフェミニストに絶賛されるコントはインポッシブル「必殺仕事人」?

 新型コロナウイルス問題の影響でドラマやバラエティー番組が次々収録中止を余儀なくされる中、11日に無事放送された「爆笑ドリームマッチ」(TBS系)。かなり久々の放送だったが、視聴率は15%を超えたそうで大成功と言っていいだろう。

 「ドリームマッチ」でとりわけ絶賛されたのが、ハライチ岩井勇気×渡辺直美のコンビ。惜しくも優勝は逃したが(優勝はロバート秋山×千鳥ノブ)、岩井が「塩の魔人」、直美が「醤油の魔人」に扮し、キャッチーなBGMで踊りながらやりとりするコントはtwitterのトレンドワードに上がるなど好評を博した。

 

 5chのお笑い芸人板にあるM-1グランプリ2019スレでも岩井×直美のコントの評判は上々であったが、少し気になる書き込みを見かけた。

 

58名無しさん (ワッチョイW c636-9EjJ)2020/04/12(日) 06:41:52.58id:xfq+56KR0>>90>>367
>>57
岩井は今回でフェミ層からの人気が上がったと思う。実は誰も選んでない女芸人の渡辺に唯一ラブコールを送り続け、渡辺ワールドかと思わせる唯一無二の世界観を作り上げ、彼女を立てつつ、爆笑を引き起こし、男女の強みを存分に発揮した。理想的なエスコートをしたと思う。

 

 上記の書き込み主は「醤油の魔人×塩の魔人」のコントを書き上げた岩井がフェミニストの評価を得たとしている。大まかな理由は、フィーリングカップル方式で行うコンビ決め(「ドリームマッチ」の定番である)で人気が乏しかったらしい直美を岩井が選び、かつ彼女の持ち味を最大限に引き出すコントを作ったから…のようだ。

 うーん、それはどうかね。SNSをくまなく探ったわけではないが、少なくとも私のtwitter(@masatowishiguro)のタイムラインに上がった範囲ではフェミニストのアカウントからの岩井×直美への賞賛ツイート自体見当たらなかった。上記の書き込み主は、岩井が直美に対して「理想的なエスコートをした」とも書いているが、そもそもフェミニストの活動は「男性に理想的なエスコート」を求めているわけでもないんでないの、と私はみている。

 

 そんなことをつらつら考えているうちに「あ、フェミニストが間違いなく絶賛するコントあったやんけ!」と私は思い当たった。そのコントは、インポッシブルの「必殺仕事人」である。

 インポッシブルは2005年結成。吉本興業所属で「えいじ」「ひるちゃん」の男性2人のコンビである。

 「必殺仕事人」はインポッシブルの出世作および代表作と言っていいコントで、この作品で彼らを知ったお笑い好きも多かろう。私もその1人である。

 本作は文字通り時代劇の名作「必殺仕事人」のパロディー。舞台を現代に置き換え、故・平尾昌晃作曲の本家のテーマをBGMに(ルミネなどの舞台ではスキャット)、一見どこにでもいるような市井の人々が独自の手法で悪を成敗する一部始終をショートコント形式で見せてくれる。ちなみにコントの冒頭、「必殺仕事人20〇〇(西暦)」とコールされる。

 私自身、5chの上記の書き込みを見てもやもや考えているうちにという、まさについ最近気づいたのだがインポッシブルの「必殺仕事人」では、実に多くの性犯罪者が成敗されているのだった。ネタバレになるが、以下に該当するショートコントを挙げる。

 

・「今日は誰を痴漢してやろうかな」と企む痴漢常習犯。そこへ巨乳を揺らして通行する女性が現れる。よだれを垂らさんばかりに痴漢は彼女の胸を公然を凝視するハラスメントに出るが、女性はその巨乳で痴漢の顔をはさみ、窒息させながら胸を左右に揺らして相手の首をへし折る。血反吐を吐いて絶命する痴漢。女性は「あ~あ、またおっぱいが汚れちまったよ」と一言。人呼んで「巨乳のユウコ」。

・舞台は満員電車。吊り革につかまって立つ男性が「やっぱ痴漢は最高だぜ!」と隣の女性の尻を撫で回す。そのさまを数メートル離れた場所で目撃した男性は「ちょっと前すいません…」と恐縮しながら右手を前に出して、痴漢の方へ移動。その右手が痴漢の横腹をズブリと貫く。ここでの痴漢の絶命寸前の表情が秀逸w 人呼んで「ちょっと前すいませんのタカシ」。

・朝の登校時間に「遅刻しちゃう」と駆け足の女子高生。その姿をニタニタして眺める男性。走る勢いで女子高生のスカートがめくれ、男性は手持ちのカメラでパンチラを盗撮する。女子高生のスカートは「シャキーン」と音を立てて円盤状となり、さらにフィギュアスケーターよろしくクルクルと回転して男性の前を通り過ぎた。男性は「いいのが撮れたぜ」と満足げにつぶやいたその刹那、胴体を切り離されて絶命する。女子高生のスカートは強靭(きょうじん)なカッターだった。人呼んで「女子高生のメグミ」。

・「いいじゃん、入ろうよ」とホテルの前で恫喝を交えながら女性の腕を引っ張る男性。彼は同意のない性交渉、いわゆるレイプをやろうとしていた。そこへ背後から忍び寄り、レイパーの肩をたたく男性。レイパーが「何だよ」と絡んだ刹那、オーバーハンドで振り下ろされた拳により首をめり込まされ絶命。レイパーを仕留めたのは、人呼んで「ただの怪力男ヘラクレス西谷」だった。

 

 いかがであろうか。私はこうしたインポッシブルの一連のショートコントが、フェミニストというか、性被害を受けてきた女性すべてを救済する内容になっているのではないかとみている。

 たぶんインポッシブルの2人は、フェミニズムだとか性犯罪、性加害、性暴力への意識を全く意識せずに「必殺仕事人」のコントを作ったと思う。しかし現実には、司法において性暴力を無罪判決とする状況が長らく続いてきた。参考までに、性暴力の無罪判決に抗議する集会を報じた「しんぶん赤旗」の記事はこちら

 

 「必殺」シリーズに出てくる仕事人たちは、弱者の恨みを晴らすため、法で裁かれることのない悪人を独自のやり方で成敗していく。最近、ようやく性加害者への有罪判決が下されるようになったが、依然として彼らが法的にお目こぼしされている立場なのは変わりがない。

 だからこそ、性被害者の思いをくみ取ったかのようにちまたにあふれる性暴力を断罪するインポッシブルの「必殺仕事人」コントへの今日的な価値はますます高まっていると言える。ぜひとも彼らには、新たな仕事人を作り上げて性犯罪者にみじめな末路を用意するコントを精力的に世に送り出してほしいと願う次第だ。

3月のブログ記事アクセス数ベスト5

 どうもどうも。遅れて恐縮ですが、3月の拙ブログでの記事アクセス数ベスト5を発表します。

 

1.すぐれた風刺! サンドウィッチマン伊達の安倍首相ものまね
2.「ちびまる子ちゃん」の異色名作「男子対女子大戦争」原作を読みアニメを見る
3.「青春時代」の森田公一さらば青春の光・森田にそっくり!w
4.元フォークダンスde成子坂桶田敬太郎さん死去
5.イカ天バンド・中学生日記「さざんかの宿で」

 

 いやあ、サンド伊達の安倍首相ものまねの記事は強ええなw 2位のまる子、3位の森田公一&さらば森田の両記事も相変わらず人気。この2本も以前から記事アクセス数上位の常連なんですが、なぜかはよく分かりませんw

 イカ天バンド「中学生日記」のメンバーであるお二人がtwitterで反応してくれた5位の記事を上回った4位は新顔。天才とうたわれたボキャブラ世代のフォークダンスDE成子坂桶田敬太郎をしのぶという、「ボキャブラ天国」シリーズ(フジ系)に親しんだ私にとっては、思い入れを持って書いた記事です。

 しかしこの訃報の発表の1カ月後(桶田は昨年11月死去)、喜劇王志村けんが死去。成子坂の2人(村田渚は2006年死去)も志村も、この世にもういないのか…という厳然たる事実に驚く自分がいます。

 何だかしんみりしてしまいましたが、拙ブログを引き続きご愛顧のほどよろしくお願いします。

高木ブー「志村は死なないの。ずっと生きている」

 エイプリルフールの4月1日、志村けんの追悼特別番組がフジ系で放送された。ゲストでドリフターズの先輩である加藤茶仲本工事高木ブーが見守る中で生前の志村が携わった爆笑コントが流れ、番組の最後に加藤が「あの世で全員集合したら、そっちの人たちに大爆笑を…」と弔辞を読んだ。

 それを受けた高木のコメントをブログ記事のタイトルに書いた。日刊スポーツの記事で紹介されたコメントの詳細は以下の通り。

 

高木 もう、決めたの。決めました。46年…ドリフターズとして志村と僕らは一緒にやってきた人間。普通の、一般の方と違うの、僕らは…ね。だから、志村は死なないの。ずっと生きている。

 

 実はこのコメントをする直前、高木は妙な沈黙をしていたために共演者から寝てたのではないかとツッコまれていたw しかし最年長メンバーとして締めたこの言葉に、私は大いなる感銘を受けている。

 そう、志村は死なない。

 彼の死去を受けて拙ブログでこうした記事も書いたが、私は不思議と悲しい気持ちがわかなかったし、まして涙も出てこなかった。今もそうである。

 東京都知事小池百合子が記者会見で、志村が新型コロナに警鐘を鳴らしたという点で、その死を「最後の功績」と評した。私はその言葉に反射的に反発した。志村は死んだ後も功績を残し続ける。偉大なる喜劇王チャールズ・チャプリンも生前に残した映像でつねに現在を生きる人々を笑わせているではないか…と。

 

 そんな気持ちをぼんやりと抱えている中、高木が上記のコメントをしてくれたことに心の中でひざを叩いた。俺の思いを高木ブーが代弁してくれたのだ。差し出がましいにもほどがあるがそう考えた。

 「志村は死なないの、ずっと生きている」は、今年の流行語大賞にノミネートされるべきだ。私はそう考えている。

 私が居住している自治体の地元新聞で志村をしのぶ手記が掲載されていて、その筆者は「志村さん」でなく「志村」と呼び捨てを用いていた。ドラえもんアンパンマンに「さん」を付けないのと同じことだ…と筆者は書いていた。この主張と、高木のコメントは地続きなんだろうと思う。

 そんなわけで、私の中では、志村は今も生きている。志村は死なない。

志村けんと下ネタ

 志村けんが亡くなった。70歳。

 新型コロナウイルスに人生を奪われた彼の訃報には、有名無名問わず多くの人々が悲しんでいる。個人的には、お堅いイメージを持つ日本共産党の書記局長を務める小池晃が、記者会見での質問に「土曜の夜8時にはテレビにかじりついていた」というほどの「8時だョ!全員集合」(TBS系)ファンだったというのに驚かされた。小池は志村を「日本を代表するエンターテイナー」と評している。

 

 志村が闘病生活を送っているさなか、ネット上では「フェミニストが志村を叩いている」という話題が上がっていた。これは正確には、志村のコント番組で横行していたセクハラや、女性の裸が頻繁に出てくる演出をネット上で称賛していた男性連中に女性の側から批判が起こったというのが大まかな経過である。

 twitterで「テレビでおっぱいを見せてくれた志村を死なせない」と言っていた男性アカウントがいたな。そいつのツイートには何万ものRTやいいねがついた。「おっぱいを見せてくれた女性タレント」に感謝せず、志村に感謝するという男性側の言動に、怒りを通り越して呆れの感情を見せる女性アカウントが多く見られた。

 

 私自身、テレビで披露される志村の下ネタやセクハラに閉口した人間である。具体的に言えば「全員集合」の後継として約6年間放送した「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」(TBS系)のことだ。

 まあ「ごきげんテレビ」放送以前の「ドリフ大爆笑」(フジ系)でも下ネタはあったよ。その一つが病院コントで、志村演じる内科医に無名の女性タレントが脱衣してバストをもろ見せする。それを次の患者役の加藤茶が何とか見ようとする内容でね。

 

 当時小学生の俺は「そういうのどうなんだろ」と思っていたが、「ごきげんテレビ」ではさらにエロ演出がエスカレートしていたんだよな。顕著だったのが、番組前半のコントドラマ「探偵物語」にストリッパーの清水ひとみがゲスト出演した回だろう。

 加藤・志村の運営する探偵事務所に清水が訪問。自身の勤めるストリップ劇場にやくざの親分が詰めかけ「愛人になれ」と強要してくる…との清水の相談を受け、2人は彼女の付き人を装ってボディーガードを務めるという展開だ。

 劇中では清水の本番さながらのストリップショーが放送される。繰り返すが、土曜夜8時の放送である。清水のストリップショーは数分間ほどの長い尺で、しまいには興奮したていで舞台に出てきた加藤と志村が両そでで踊りだす。志村が恍惚(こうこつ)とした表情で、股間に手を当ててピストン運動していたのは今でも覚えているわ。

 後年知ったが、この清水ゲストの回はかなりの批判が殺到したらしい。そらそうだろうな。あと加藤と志村が透明人間になる回があって、銭湯の女湯に忍び込む(当然、テレビで多数の女性の裸体が映される)オチもあった。

 

 「ごきげんテレビ」は上記のように約6年続いたが、私は3年ほどで見るのをやめたな。中学受験を控えた時期と言うのもあったが、生々しい下ネタの多さで次第に疎遠になったのも一因だった。

 ソロ芸人としての志村の出世作である「志村けんのだいじょうぶだぁ」(フジ系)はよく見ていたが、この番組で志村のセクハラ芸は確立した感があるな。石野陽子(現・いしのようこ)にカンチョーするとかね。

 

 こう書き出してみると、志村の芸人としての足跡には下ネタやセクハラが大きな比重を占めていたのが分かってくるな。何で自分の番組であんなに下ネタやセクハラをやったんですかと、今では聞けないことを聞きたくなる。

 「志村けんのバカ殿様」(フジ系)で家老役として出演した故・東八郎は、下ネタを非常に嫌う芸人として有名だった。若き日の萩本欽一に、東は「下ネタはうける。芸人が下ネタに走るのは、その芸人が疲れているからだ」と戒めた話がある。実際、萩本は東の教えを守って現在も「下ネタに厳しい芸人」のイメージを確立した。

 志村も萩本同様に、若いうちから下ネタを厳しく戒める芸風を確立していたら…などと思ってしまう。余談だが高校時代にコメディアンを志した若き志村は、コント55号の萩本かザ・ドリフターズいかりや長介か、どちらの弟子になるか迷ったという。

 

 志村けんさんのご冥福を祈ります。