無料カウンター

ENGEI-COMIC SHAMROCK AWORD 2020発表

 拙ブログで毎年年末年始に選出している「勝手に芸人を表彰!!ENGEI SHAMROCK AWORD」ですが、今回からタイトルを少し変えました。ただしコンセプトはこれまで通り、2020年を通じて個人的に特筆すべき活躍をした芸人を表彰するものです。

 選出したのはMVP、新人王、三賞(殊勲、敢闘、技能)、そして特別賞。受賞者は以下の通りです。敬称略。

 

MVP 高木ブー(ザ・ドリフターズ)

新人王 吉住(THE W2020優勝)

殊勲賞 吉住(同上)

敢闘賞 Aマッソ(THE W2020ファイナリスト)

技能賞 ゆりやんレトリィバァ(同上)

特別賞 瑠璃(ネット漫画「よしゆきの性別逆転物語」作者)

 

 栄えある(?)MVPはザ・ドリフターズのベーシストにして日本演芸界の重鎮たる高木ブーにおくります。今年の3月で88歳になる高木。受賞の決め手は何といっても昨年4月、新型コロナウイルス感染により死去したドリフの同僚にして海外にも名を轟(とどろ)かせた志村けんの追悼番組(フジ系)です。生放送の番組終了間際での高木の挙動は、まさに「元祖高木ブー伝説」by筋肉少女帯加藤茶仲本工事らにうたた寝疑惑をツッコまれることなどどこ吹く風、高木は「志村は死なないの。ずっと生きてる」と。テレビ史に残る名言です。このときの高木には、たけしもさんまもタモリ松本人志も勝てないでしょう。文句なしのMVPです。

 新人王はTHE W2020で出場2回目にして涙の優勝を遂げた吉住。殊勲賞とのダブル(THE Wとややこしいですが)受賞です。「死のブロック」と言われた同大会Bブロックにて演じた一人コント「女審判」は、吉住の緻密(ちみつ)な作品構成と哀愁あふれる演技が合わさった名作でした。今年から芸歴10年以内に参加資格を絞った新生「R-1グランプリ」での2冠も期待しています。

 敢闘賞と技能賞は、これも「THE W2020」のBブロックで死闘を繰り広げたAマッソとゆりやんレトリィバァが受賞しました。大会でこの2組が直接対決した直後は、司会のフットボールアワー後藤輝基があまりのカオスで頭を抱える事態に。Aマッソに対しては「お笑いの歴史が1個進んだ」(アンガールズ田中卓志)、ゆりやんに対しては「深夜2時に見たら窒息死した」(麒麟川島明)と審査員の評価も真っ二つに割れたこの対戦、お笑い賞レースの歴史に残る名勝負と言っても過言ではないでしょう。この激闘をたたえて、Aマッソとゆりやんに賞をおくります。

 ここまで読まれた方で「THE Wの出場者ばかりに賞行ってないか」という疑問を持たれる方は、当然おられるでしょう。そのへんは、そうですねえ。まずM-1、KOCは大会そのものが低調だった印象を持ちました。M-1とR-1で優勝したマヂカルラブリー野田クリスタルは受賞候補に挙がりましたが、R-1の優勝ネタが「女性のスカートを切り裂くゲームをする」という作品だったので受賞を見送ることにしました。昨年の演芸界はとにかく新型コロナ禍で一変し、それが各種賞レースに影響した(その影響が一番少なかったのはTHE Wだと思えた)ように感じています。

 最後は特別賞。お笑い芸人ではなく、twitterで漫画「よしゆきの性別逆転物語」を連載しているフェミニストアカウントの瑠璃氏が受賞しました。「美少女に生まれ変わってちやほやされたい」という漠然とした願望を抱く若者・よしゆきが一夜にして女性に生まれ変わってしまう。しかし本人の希望に反し、その前途は多難で…という筋書き。基本カラーもベタ塗りもない、クロッキ―調の粗いタッチの画風が、月経など生得的女性が味わう困難に直面するよしゆきの苦悩を引き立たせています。物心ついたときから漫画大好きの私が、いま最も続きが気になるのがこの「よしゆきのー」です。早く続きが読みたい思いを込めて、瑠璃氏に特別賞をおくります。

 

 さて2021年もはや1月が終わろうとしています。相も変わらず新型コロナウイルスが猛威を振るい、文化・芸術分野に暗い影を落としています。各お笑い賞レースの開催自体、危機的状況にありますが、この暗い世相を笑い飛ばす演芸を芸人の皆さんに期待しています。てかお笑いの世界発展さすには、自公政権終わらすしかないぜ←直球w

 そんなわけで、今さらですが今年も拙ブログをよろしくお願いします。