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コント55号の霊媒師コントであのコンビを思い出す

 youtubeコント55号萩本欽一坂上二郎)の霊媒師コントを視聴した。

 ※以下、ネタバレあります。

 高名な霊媒師・萩本を訪ねた坂上が、亡くなった母親の降霊を依頼するというシンプルなコント。11分弱というかなり長い尺ではあるのだが、中だるみもなく笑わせてもらった。

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youtubeから)

 序盤は欽ちゃんが引っ張る。高名な霊媒師の役柄だが、衣装が山伏なのは妙にジワジワ笑える。そして降霊の際の呪文は必見というか必聴というか。何を言っているのか分からないのに、「何かに文句を言っている」ニュアンスは感じ取れるという得体の知れない欽ちゃんのボケに笑わされる。

 この手のボケってどっかで見たことあるかなと思えば、あれだ。バイきんぐの西村だな。キングオブコント2012での教習所コントで見せたような、アブノーマルと正常の間を自在に行きかうような西村のボケと、この霊媒師コントでの欽ちゃんのボケとは非常に共通項が多いように感じる。

 中盤からは二郎さんも負けていない。霊媒師欽ちゃんのデタラメ呪文に対抗するかのように朗々とした美声を張り上げ、欽ちゃんに「アフリカじゃないんだから」とツッコませる。しかしアフリカの住民の雄叫びというと「すばらしき世界旅行」(日本系)を思い出すな、全くの蛇足だけど。

 コントは終盤で霊媒師萩本についに坂上の母親の霊が降りかかったように見せて、坂上が「お母さんですか?」と恐る恐る声をかけるが「萩本です!」と飄々とした欽ちゃんの受け答えを天丼の繰り返しで見せて終了する。この欽ちゃんの「萩本です!」が脱力感あっていい。バイきんぐ西村もこういう人を食ったボケをやって小峠を戸惑わせるよな…と思った。

 コント55号の実質的な活動期間は1960年代後半から1970年代前半と短い。およそ半世紀前に一世を風靡したコンビであるが、この霊媒師コントはバイきんぐを引き合いに出したように現代にも通じる要素が多い。キングオブコントに出場したら、この霊媒師コントは決勝のファイナルステージにも余裕で残れそうな気がしているのだが、どうだろうか。