無料カウンター

アエラドットの宮迫博之&田村亮の会見記事全文を読む

 雨上がり決死隊宮迫博之ロンドンブーツ1号2号田村亮が行った記者会見は、周知のように世間の話題をかっさらった。約2時間半という長丁場となった会見の一部始終を起こした記事が「アエラドット」に全文掲載されている。

 7回に分かれた記事はこちら。      

 

 読み終えた感想を一言言えと言われたら、まあ読み応えあったなと。それは2人に「自分の言葉で謝罪をしたい」という気持ちの表れが発言からよく出ていたからだと思う。これも一言で言えば「誠実さ」があったなと。

 記者会見てそういうもんだろ、と言われるかもしれないが、ほれ。わが国の政府のトップがあれじゃんよ。

 官房長官菅義偉東京新聞記者の望月衣塑子の質問にまともに答えようとしない。外務大臣河野太郎は日ロ領土交渉の質問をされて「次の質問どうぞ」を繰り返す。また記者会見ではないが、首相の安倍晋三は国会で共産党小池晃年金問題の解決策を提案されながら「ばかげた政策」などと踏みにじる。

 宮迫や亮よりも年上で、はるかに教養のあるはずの連中がそんな受け答えを繰り返すからすっげー今回の2人が「こうあるべきだよ」と思っちゃったわけよね。「分かりません」と答える場面も少なくなかったが、それは弁護士との打ち合わせ上のことだろう。それ以外で2人が言えることは言い切ったような印象がある。

 

 宮迫と亮の会見から、印象に残った発言を挙げていきたい。まずは社員や弁護士を人払いした上での、岡本社長の言葉であろう。宮迫はこう述懐している。

 

 そのとき、吉本興業の岡本社長がそこにいた「弁護士、社員すべて出ろ」と。僕たちと岡本社長5人だけになりました。まず最初に岡本社長がおっしゃったのは「お前らテープ回してないやろな」と言われました。「回してません、そんなことあるわけありません」と言うと「亮、ええよ、お前辞めて1人で会見したらええわ、やってもええけどそんなら全員連帯責任でクビにするからな。それでもええんなら記者会見やれ」と言われました。「俺にはお前ら全員クビにする力があるんや」と。全員何も言えなくなりました。それが24日です。そののちに謹慎期間に入ります。

 

 どう見てもブラック企業の上司です。本当にありがとうございました。←古いw

 

 2つめは『FRIDAY』に最初に載った反社会的勢力のペーティーへの闇営業(宮迫や亮いわく直営業)についての発言。宮迫は亮やカラテカ入江慎也(すでに契約解除)とのやりとりをこう振り返っている。

 

 そこで「ギャラが出ます」と言われました。値段を聞くと、正直言うとその時の記憶も定かではないので、亮くんに話を聞いて認識したんですけど。50万、100万だと。そこで亮くんが「大丈夫かと。そんな大金払えるとこは」と入江くんに聞いたみたいで。その時に入江くんが、「僕がやる吉本の会社を通したイベントに付いてくれているスポンサーなんで、そこは安心です」と。

 

 この話を額面通りに受け取れば、吉本興業は反社会的勢力の連中にお墨付きを与えていたことになる。それなら入江はじめ宮迫や亮、もろもろの後輩芸人を闇営業うんぬんで罰すること自体おかしいという話になるが。

 

 そして3つめは亮の発した、ネット上では最大の爆弾と言われたこちらのコメントである。

 

 もともと、謝罪会見をしたい、世間の皆様に謝りたいということだったのが、どこからか話が変わっていき、そして「記者会見やりたい」「ネットとかで全部見られるようにしてもらえませんか」と言うと、「そんなんこっちで決めるから」と。僕がすごく不信に思ったのが「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本が株主やから大丈夫やからと」言われました。何が大丈夫なのかわからないけれども、僕たちの言う事が、本当の気持ちが伝わるかどうか。

 

 AbemaTVでの再放送部分でカットされたといういわくつきの「株主」発言である。ネットでは「吉本は2人を守ろうとして言ったことではないか」という論調もあるが、たとえば宮迫や亮を国会議員に立場を置き換えてみれば分かりやすいと思う。

 不祥事を起こした国会議員が、自分の言葉で謝罪会見したいと申し出る。しかし政党の党首ら幹部が「テレビ局はうちらと癒着しているから」と言っていたら、どうかね。ネトウヨの皆さん、もし野党の幹部がこう言っていたら「ふざけるな!」の大合唱であろうw

 そもそもつい数日前にジャニーズ事務所が報道されていたよな。元SMAP稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾をテレビで使うなと圧力があったんじゃねって公正取引委員会が注意したと。

 だから亮の告発を目の前で聞き取った約150人の報道陣は、責任を持ってこの問題を掘り下げるべきだな。「株主」発言が出たとたん、マスコミがダンマリしたって指摘もネットではあったが、その場で宮迫と亮に聞いても(弁護士との打ち合わせがあって)「それ以上は分かりません」ですまされるだろう。

 だから必要なのは吉本興業と入江に取材して、亮の発言の裏を取ることだろうな。もっとも在京・在阪合計10社のテレビ局は、上層部の「あ?」てひとにらみで取材がパッタリやむかもしれないが。

 

 そんなわけで、吉本サイドの「株主」発言の真相を暴き立てようとなれば、必要なのは日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の力だと思う。大企業のスポンサーを持たない「しんぶん赤旗」は、数々の大企業の不祥事を実名入りで告発してきた実績がある。もしお笑いを愛する多くの人々が、亮の告発を無駄にしたくないと思うのであれば「しんぶん赤旗」に取材を依頼するのが最善の手だと私は考える。

 私はふと、岸谷五朗主演のテレビドラマ「世界で一番熱い夏」(TBS系)のことを思い出していた。首相候補筆頭とされる国会議員(小野武彦)の不祥事を知った秘書役の岸谷が、告発すべきか沈黙すべきかで葛藤する筋書きであった。2019年の夏は、宮迫と亮にとってまさに「世界で一番熱い夏」であろう。

 彼ら2人や吉本興業関係者、そして先輩後輩の芸人たちがどう動くのか。その行方を注視したい。