キングオブコント2016決勝戦感想その3
☆ファーストラウンド
【ななまがり】
決勝戦初出場。今大会の最年少ファイナリスト。2人とも老け顔だが(失礼)。
最初の妙なナス持っての踊りを見たときはぶっちゃけどうなるかと思ったけどw会社への場面転換と回想シーンで一気に、かつ手堅く自分たちのコントの世界へ引き込むことに成功した。この序盤だけで、彼らが突飛に見えて実力のしっかり備わったコント師だということが分かった。
ネタはかもめんたるとはまた種類の違う、漫画的なおかしみが随所にちりばめられている。冒頭の奇妙な外国人男性を演じた森下直人は、初瀬悠太演じるサラリーマンの恋人役として彼の脳内に現れるのだが、おさげかつらを目深にかぶったその容姿は、ギャグ漫画でたまに見る素朴だけど穏やかな女性キャラをほうふつとさせた。もう少し服装は女性ものの上着を羽織るなりして工夫してほしかったが、森下の演じ分ける能力の高さにここでは驚かされた。
ラストはナスを50年間磨いているというじいさんの登場。これも不条理4コマ漫画のオチになりそうなネタで、私も素直に笑ってしまったのだが、4分コントではラスト1つ前のボケで出してほしかったかな。初瀬の脳内でそのまま終わるのでなく、せっかく会社内に舞台を移したのだから、出入りの業者か上司とかでナス絡みのギャグを持ってきてくれたら、私はすげえ感心しながら笑ったと思う。
得点は合計430点。私の採点は89点。
唯一の2年連続、2回目の決勝戦出場。
トイレが舞台のコントとあって、戦前の評判は決して芳しくなかったジャンポケの3人。しかし幕が上がれば快調、太田博久のボケのジャブがきれいに決まっていく。
洋式便所に座りっぱなし、かつ観客席とテレビに向かってほぼ横向きの状態の斉藤慎二の「…ウ○チあるよ」という控えめなツッコミは若干ネタの流れを止めているきらいも感じた。しかし斉藤のヒザの上でのパソコン作業、床に顔を擦りつけて泣く太田のテンポあるボケに加えて、おたけのバースデーケーキを掲げながらの奇妙なダンス。ここでドンと客席は盛り上がり、多くの人がジャンポケの高得点を確信したであろう。
従来のコントではとにかく目立つ斉藤をトイレにとどめることで、太田とおたけの役割が増大し、うまく機能を果たすという「ニュージャンポケ」というべき作品。言いすぎかな。
「ドリフターズのコントみたいだ」という声をネットで見たが、ドリフならもっとえぐいことやるだろうよ。志村けんが斉藤の役をやって、怒って立ち上がって下腹部を全開で見せる(もちろん保護色のパンツに小さいアレを縫い付けたやつ)、ウ○チの模型をトイレから出して加藤茶らに投げつけるとか絶対やると思うよ。かつてのPTAの子どもに見せたくない番組ナンバー1「8時だョ!全員集合」をなめちゃいけない。
得点はダントツトップに立つ合計466点。私の採点は93点。
まだまだ続きます。