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「空想大河ドラマ 小田信夫」#2(NHKテレビ2月11日放送分)

 今回は最初から見ることができた。しかし15分番組なのに無駄に重厚な(褒め言葉です)オープニング作ったんだな。時代考証とか一切「なし」とデカデカ見せるテロップの思い切りも「空想」と銘打ったからこそと言えるか。

 今回は黒田方との戦で討ち取った生首に高笑いした小田信夫(堀内健)が、寝室でその生首に怯(おび)えて眠れないという手堅いスタート。前回話題をさらった廊下ぐるぐるの再来か、布団の周りを信夫と柴田勝夫(原田泰造)が回るくだりは少々欲張りすぎな気がしたが。てか瓜を生首に偽装するなんてのは、同じNHKの「タイムスクープハンター」で見た気がしないでもない。

 物語は結成20年を優に超すお笑いトリオ・ネプチューンのゆるゆるな会話劇で進むと思わせて、先の生首話から明智充(名倉潤)による信夫の入浴に付き合わされる侍女の内部告発、果てはささいな言い争いの末に勝夫が白装束で切腹に臨む。その矢継ぎ早な展開にはうなるものがあるし、間に挿し挟まれる大仰なBGMのもとで堀内、原田、名倉の荘厳な顔アップが映されるのは古き良き大河を感じさせるものがある。少しね。

 第2回は意表を突くオチを仕掛け、後の明智の謀反を暗示する小西真奈美(信夫の正室お毛役、今回は顔出しなし)のナレーションで幕を閉じる。「あーもう折り返し地点か、残り2回かあ~」と思わず天を仰ぐほど続きが気になる作品だ。絶対に続編を作ってほしいし、そのためにきっちりと空想大河ドラマの後半戦を見届けようと思う。

空想大河ドラマ「小田信夫」#1(NHKテレビ2月4日放送分)

 いまやテレビ界に欠かせない存在のお笑いトリオ・ネプチューン名倉潤原田泰造堀内健)による新感覚の大河コメディーがついにベールを脱いだ。

 …と言っても、私はこの番組の初回をフルできちんと見ていないというねw堀内も準レギュラー的に出演する「さんまのお笑い向上委員会」(フジ系)終了から数分後、「あ、忘れてた」とチャンネルをNHKに合わせたものの放送時間は残り5分程度だったという。

 しかしあのシーンはきっちり見られた。戦国時代の城主・小田信夫(堀内)を袖にするように部下の柴田勝夫(原田)、明智充(名倉)が城内の廊下をずんずんと歩くのだが、そのシーンが延々続くというねwこの場面が面白すぎて彼らのセリフが全く頭に入りませんでしたわ。

 廊下のシーンはtwitter2chなどのネットで好評を博したが、私としてもひさびさにテレビを見て「おいあれ見たか」と知人に触れ回りたくなる心境になりましたわ。そういう知人いないけど。

 公式サイトを探ってみると放送回数は全4回(放送時間は1回15分)とのこと。当初私は「少ねえなあ」と思ったものだが、初回でこれだけのクオリティーを残してくれる出来栄えだと「もっと見たい」と思わせる4回設定でちょうどいいのではと思わせたり。脚本家の前田司郎氏のインタビューによると、今回の空想大河ドラマは偶然の産物のようだが、今回のネプチューンとの出会いを縁に「小田信夫」の名を天下に知らしめてほしいと切に願うものである。

「LIFE!」#29(NHKテレビ2月2日放送分)

【正しい人】

 『Quick Japan』誌の「LIFE!」特集での収録ルポで一部内容が伝えられていたコントだが、あれ昨年8月くらいだっけ。えらく寝かせたな。

 内村光良演じる八文字正義(はちもんじ・せいぎ)が己の信ずる「正義」を振りかざして次第に暴走するという、よく言えばオーソドックス、悪く言えば目立った特徴のない内容。タンクトップに太眉という八文字正義のルックスも内村にしては工夫が足りないような…。

 俺がこういう酷評をしてしまう内容のコントだからこそ、放送に半年かかったのかもしれないw

【HOTなカマタくん】

 あ、このシリーズコントをレビューするのはひょっとして初か。しかし今回で最終回というねw

 最終回はなぜか壮大な展開。ボクシングみたく、カマタ(田中直樹)が関西のホットパンツァーチャンピオンである松下優也と統一戦をたたかう。カマタのライバルだった木暮(ムロツヨシ)もこの大一番にセコンドを担当するという往年のジャンプ展開に胸熱となった視聴者も多かろうが、木暮は試合前に会場周りの池に落ちピラニアの餌食になるというwお笑いコントなのに無駄に盛り上がる展開はツボった。

 果たして今期朝ドラ「べっぴんさん」で売り出し中のイケメン俳優松下は、星条旗をあしらったホットパンツでカマタと疲労困憊(こんぱい)、白目をむきながら競り合う健闘ぶり。その松下のマネジャー役を演じた吉田羊も、初挑戦であろう白髪カツラを被り、松下にカマタを油断させてピラニア池に落とすよう命じるなど非情な悪徳マネジャーをやり切ってみせた。吉田もこれだけ振り切った演技を昨年シリーズ開始初期から見せていれば、新参に厳しい「LIFE!」ファンも叩かなかったのではと余計ながら思った。

 勝負はコミッショナー的な長老ホットパンツァー(内村)の裁定によりカマタの勝利。木暮の無事も確認され、物語は大団円を迎えた。しかし気がかりなのは控室のラストシーンで石橋杏奈が意味ありげな戸惑いの表情を浮かべていたこと。てっきりカマタの相手が石橋の生き別れの兄とか音信不通の恋人なのかと思ったぜ。

【お荷物】

 2週ほど「LIFE!」コント放送分でごぶさただった西田尚美のコメディエンヌぶりが堪能できるキャンプコント。しかし山のキャンプにハープてwそういう無茶をごり押ししてしまう信念の強い音楽家を西田はきっちり演じてみせた。やはり「LIFE!」女性陣の大黒柱は西田だと感じさせられたコントだ。

「LIFE!」#28(NHKテレビ1月26日放送分)

 綾瀬はるかが2週連続コント出演し、同じホリプロ所属で彼女に続く大河主演が決定した鈴木亮平が「LIFE!」に初出演し、スタジオトークにも登場することと相成った。おかげで古参メンバーのはずのホリプロ所属・石橋杏奈のバーター感がそこはかとなくw

 

【うそ太郎】

 放送前にネットニュースとなって話題を読んだこのコント。綾瀬がうそ太郎(星野源)の妹・花子に扮して兄に負けじと己をヒラリー・クリントンなどとウソをつきまくる。

 コント自体は、常連客の田中直樹に兄妹してつがいのカブトムシを出すとか、綾瀬が退散して行った塩をまくはずがベーキングパウダーだったなど、これまでのうそ太郎のボケの焼き直しになったのは気になった。ただ綾瀬の吹っ切れぶりはガチで「LIFE!」レギュラーの即戦力にできそうなほど堂に入っていたよ。

 さすが15年前「品庄内閣」(TBS系)でお菓子をボリボリ食いながら「島崎和歌子さんをめざします!」と豪語しただけはあるな。まあ綾瀬本人もその発言を忘れていそうだがw

【現役選手と元選手】

 鈴木の「LIFE!」初挑戦コント。自身の出世作となった映画「変態仮面」で共演したムロツヨシとガッツリ絡む作品なのは、番組スタッフの粋な計らいだろうか。

 メジャーリーガー役の鈴木に、彼の先輩選手で引退後の現在はリポーター業をこなすムロとの微妙なスレ違いインタビューをお送りするという見ている側が冷や汗をかきそうなコントだ。大柄で筋肉質な鈴木の佇まいはメジャーリーガーの説得力があり、悪意こそないが先輩のムロを結果的に邪険にしてしまう役どころをキッチリこなしていたと思う。

 ただ個人的に気になったのは、ムロ演じるインタビュアーの望月が、鈴木に「独身でしたよね?」と聞かれるところだった。プロ野球選手と言えば、個人的には日本で一番結婚しやすい職業だと思う。巨人の2014年ドラフト1位の岡本和真選手は、弱冠20歳にしてこの正月に2歳年上の女性と入籍を果たした。

 現役引退後も解説者や評論家などプロ野球に関われるほど実績を持つ元選手で、現在も未婚の人物と言えば、私の思いつく限りで言えば日本ハムで日本一に輝いた栗山英樹監督、日本ハムOBの岩本ツトム氏、またこれも日本ハムOBの木田優夫氏くらいしか思い浮かばない。日本ハム多いなwただその事実を思い起こし、ムロ演じる望月の不遇に心を痛めずにはいられなかった次第である。

【私は気にしない】

 篠突く雨にスーツがびしょ濡れになっても気にしない上司(内村)に心酔しついていく部下のムロ、戸惑ったままの塚地武雅との対比を描いたシュールコント。私は社会人になって20年になるが、さすがに背広はなるたけ濡らしたくないw

 高校時代は学生服が豪雨でずぶ濡れしても乗り切った記憶あるけどね。そういう意味では、内村が演じた上司は高校生のメンタリティーだったのかなとw20年以上前の記憶を呼び覚ますという点で、値打ちのあるコントだったと思う。

「LIFE!」#27(NHKテレビ1月19日放送分)

 綾瀬はるかが2週連続でゲスト出演、スタジオトークにも参加。

【精霊の歌舞伎人】

 綾瀬が主演するNHK大河ファンタジー「精霊の守り人」の撮影で、殺陣の代役として急きょ歌舞伎俳優の夏木京介(内村光良)が駆けつけるが…。

 恥ずかしながら私、夏木のキャラをきちんとコントで見るのは初めてである(昨年の内村の熊本応援に出ていたのは見た)。しかしヒデエおっさんだなw監督(田中直樹)に賄賂を渡すし。綾瀬を「奥の個室へ…」と言って連れ出そうとしたのはこっちがビビって、後のコントの内容が頭に入りにくくなったわw

 コントは綾瀬との息が合わずボコボコ叩かれる夏木の天丼(2回目は擦るような当たりでマジに痛かったと思われるw)で、古き良きドリフを思わせる手堅い出来であった。

【勇気があれば】

 何だかメッセージソングのような題名だが、お世辞抜きでこのコントはストレートなメッセージ性にあふれている作品だと思う。

 喫茶店の看板娘(石橋杏奈)目当てに通い詰めるも、告白に踏み切ることのできない青年(星野源)。そうこうしているうちに、彼女は別の男性に告白され射止められてしまう。しかもその男性(田中直樹)の容貌と挙動は…。

 昔プロレスラーの武藤敬司がインタビューで「決断するときは、タイミングなんてものはない」という趣旨の話を語っていたことを思い出した。思い立ったが吉日、という格言もある。グズグズ悩めばそれだけチャンスが減るということを肝に銘じとけ若人よ! そう「LIFE!」スタッフは恋に悩む少年少女に発信しているように思えてならない。

 しかし「逃げ恥」で新垣結衣とあれだけイチャイチャしまくった星野が、「LIFE!」では惨めに恋の争いで敗北する。このあたり、番組スタッフの星野への「ざまあみろ」的な思いが隠されていると感じるのは、さすがに邪推であろうか。

【実録?敏腕Pとある芸人】

 レギュラー1年目の吉田羊と準レギュラー1年目のシソンヌが共演する、ある種実験的なコント。やたら手ブレするカメラなど、一種のフェイクドキュメンタリーの要素も醸し出していたが、女性プロデューサー(吉田)のコントに説明を求めるとか、おぎやはぎをめざせと諭すとか、くだりの一つ一つが微妙にリアリティーあって、それがシンプルな笑いにつながりにくかったなといううらみは残った。

 

 しかし綾瀬の天然は改めてすごいな。スタジオトークでの新幹線のエピソードとか庶民的すぎて「あなた大河主演してましたよね?」と問わざるを得ない。次回は今や時の人たる星野と「うそ太郎」で共演するとあって既にネットニュースをにぎわせており、本放送が楽しみである。来年の大河主演を務める綾瀬のホリプロの同僚・鈴木亮平も出演する。

「LIFE!」#25(NHKテレビ1月5日放送分)

【オモえもん】

 さとしくん(ムロツヨシ)のママ(西田尚美)初登場。本家に寄せた髪型の再現度に噴くw

 夜中に大声を出すさとしくんを叱責するママだが、ここでオモえもん(星野源)に全く彼女は触れていないことに「オモえもんは子どもにしか見えない設定なのか?」という疑問がにわかにネット上で持ち上がった。これは本家を踏襲した設定だと思う。

 本家でもママはのび太を叱っている間は、傍らで見ているドラえもんに話しかけることは基本的にない。特にママがヒートアップしているとき、ドラえもん「ひげなんか生やして、えらそうにして」と理不尽にキレたことくらいだ。

 「LIFE!」スタッフがそこまで狙いを徹底していたかは分からないが、本家を愛する私のような人間にとってはニヤニヤする内容のコントではあった。ただしオモえもんのバッグの中身をさとしくんが確認するくだりは、少々雑だったと思う。

【LIFE ANSWER】

 内村光良が2回目の登場。このコーナーは女性陣に出演を振らないのか。

 これまでの人生に点数をつけるという設問だったが、最も得をしたのは内村がネタにした松本ちえこであろうw内村の言った「65点」というネタが歌詞で出てくるのは、おそらく「恋人試験」という曲。アイドルとしては現役時代パッとせず、私などは20年前のVシネで艶のある濡れ場を披露したセクシーなお姉さんとしてしか松本を認識していなかったのであるが、今回の内村の粋な計らいで彼女の再評価を願わずにはおれない。

【ムロ待ち】

 年が明けても、ムロツヨシを育ててきたと自負する黄金原さん(シソンヌじろう)は、出待ちファンの女性(臼田あさ美)が差し出すファンレターを即座に破り捨てるなど絶好調だ。このコントでは、若き日のムロが川崎市内の元住吉駅近辺の在住で遭ったことが明らかとなる。たぶん「売れたら都内に住んでやる!」という野望を持っていたんやろうなあ…と推察したw

【ムロ鍋JAPAN】

 北海道士別市のロケに臨んだムロは、羊肉を紹介。VTR放送後、スタジオ出演者に地元の羊肉を振る舞うのだが、この場で共食いになる出演者が約1名いるw

 その手の話題は結局一切試食タイムには上らなかったが、真相はいかに。私の勘では共食いの当事者となる出演者(つか吉田羊)が積極的にスタジオでネタを振ったものの、意外とその場でトークが広がらなかったため本放送でボツとなった…とみているのだが。

【バレるか バレないか】

 いわゆる豊洲新市場問題を取り入れた時事ネタ。違法性と「バレるとまずい」社会的信用を天秤にかけるワンアイデアで押し切ったが、豊洲ネタは現在進行形のもので、責任のなすり合いだとか派手に問題解決をぶち上げた知事の日和りっぷりだとか、いくらでも面白くなる展開を隠し持っているからね。

国民的ドラマ「ドクターX」に古坂大魔王(ピコ太郎マネジャー)出演!

 米倉涼子がフリーかつたたき上げの天才外科医を演じる、手塚治虫ブラック・ジャック」を彷彿とさせる国民的医療ドラマ「ドクターX」の第4シリーズ。22日に迎えた最終回にて、今年世界的な大ブレークを果たしたピコ太郎…のマネジャーである古坂大魔王がゲスト出演を果たした。

 繰り返すが、ピコ太郎ではなく古坂大魔王であるwこれはエンドロールでも「古坂大魔王」とクレジットしていたので間違いはない。たぶん。

 最終回のエピローグに古坂大魔王は登場する。役柄は米倉扮する大門未知子が居候する神原名医紹介所を訪問する宅配業者。未知子と神原(岸部一徳)に冷凍餃子を届けに来た古坂は、サイン用のペンが手元にない2人に「アイハブアペ~ン」とおどけてボールペンをかざす。

 バカバカしいなと思いつつ、つい和んで笑っていたところへ急展開がやってくる。古坂は「ウッ!」とピコ太郎のネタではなく、苦悶の表情を浮かべ、胸を押さえて倒れ込むのだった。顔色を変えた未知子は急性の心筋梗塞を疑い、神原に七つ道具を持ってくるように頼む。

 白眉だったのはこの直後のシーンだ。186センチの巨体を折り曲げ苦しそうにしている古坂は「僕、死ぬんですかね…」と体格に似合わぬ弱々しい声で未知子に問いかける。このくだりは、なかなかグッと来たぜ。

 この古坂がプロデュースするピコ太郎。まさに今年後半の日本ショービジネス界を席巻(せっけん)する大活躍を見せたが、カテゴリーはいわゆる一発屋に属する。

 一発屋にとって最も怖いのは年が明けること。この2016年も残り10日足らずしか残されていない状況で、心筋梗塞に倒れた古坂扮する業者の弱気な発言は、非常に彼(およびピコ太郎)の心境を代弁したものとして、心に迫るものがあった。

 米倉扮する未知子は「大丈夫、死なせない」という頼もしい一言を発して古坂を処置し、確実に彼を助けるだろうという希望を感じさせて「ドクターX」の第4シリーズは終了する。すべてが終わってみれば、ピコ太郎および古坂大魔王にとって非常においしいゲスト出演を果たしたと言ってよいだろう。

 なにしろ「ドクターX」に出演したのはピコ太郎ではなく、マネジャーの古坂大魔王なわけである。国民的医療ドラマたる「ドクターX」で好演したことによって、古坂の仕事が増え、ひいてはピコ太郎の延命につながるかもしれない。

 この年末年始番組でピコ太郎は引っ張りダコであろうが、古坂大魔王とも協力して生き馬の目を抜くお笑い界の波を乗り切ってほしいと、ボキャブラ世代の私などは切に願う次第である。