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「空想大河ドラマ 小田信夫」#4(NHKテレビ2月25日放送分)

 「空想大河ドラマ」と銘打った新感覚のバラエティーも今回で終わってしまう。そんな寂しさが先だってしまったせいか、リアルタイムで見ていたときは妙に緊張してしまってw、ギャグの数々を心から楽しめなかったというね。

 領主である小田信夫(堀内健)への反旗をついに翻した明智充(名倉潤)。柴田勝夫(原田泰造)や正室のお毛(小西真奈美)に脱出を促されても「間に合わなかったらどうすんだよ」と、信夫はまるで合コンの終電を気にする学生のテンションで取り合おうとせず、かねてからの悲願である「人間五十年」(敦盛)を舞う。

 これは最終回前半のハイライトであろう。型通りに舞うのが気に食わないのか、信夫は「ゆめまぼ ゆめまぼ ゆめまぼ」とアレンジを加え、柴田やお毛の不興を買う。しまいには付け人の林乱丸(今のところ演者不明、情報求む)の報告を受けて柴田もお毛もそそくさと逃げてしまい、信夫は和室をぐるぐる回りながら「どうしちゃったの~」と問いかけるはめに。初回の「廊下ぐるぐる」がこの最終回にこういう伏線で生きたのかと思うと、何かと感慨深いものがある。

 謀反した側の明智が先頭に立って「本能寺の辺」の寺に乗り込み、謀反の真相を自ら打ち明ける。このくだりは実際の明智光秀織田信長に対する「本能寺の変」に思いを馳せずにはいられない。そもそも史実において、光秀が信長に対して本能寺の変を起こした理由は明らかになっていない。一説には家来の面前で、光秀が信長に「このキンカ頭(はげ頭)が!」となじられたからともいう。

 その辺を鑑みれば、このたびの充の謀反も本人によると「わあー!となっちゃった」という理由だからのようであるが、案外信長に牙をむいた光秀もそうした理由だったのでは…と考えるのはさすがに夢がないか。ラストは謀反した側の充も加わっての信夫の「人間五十年」鑑賞、数々の火矢により寺が火の海となり、わたわたする信夫の引き絵で空想大河ドラマは終了となる。

 いやー欲を言うと、あと5分は欲しかったなあ。民放だとよくあるじゃん、15分とか30分の拡大版。同じ15分枠の朝ドラだって、最終回は本編終えてエピローグ的にまとめるテイストになるのを考えれば、やはり物語のカタをつけるために放送枠の拡大は必要だったと思うのよね。

 ともあれネプチューンおよび前田司郎がタッグを組んでの空想大河ドラマは、トータルに見て非常に奇跡的な、幸せな終わり方ができた類の名作に位置する出来だと思う。個人的には、ギャラクシー賞の月間賞あたり間違いなく受賞するのではないか。ぜひとも夏休み期間には、好評を受けての続編発表をお願いしたい次第である。

 小田信夫は架空の武将なのだから、どの時代でも年を取らず、あの感じでゆるゆると領地を収めているだろう。豊臣秀吉の天下でも、徳川家康の天下でも同じように。

「空想大河ドラマ 小田信夫」#3(NHKテレビ2月18日放送分)

 黒田城攻めを決意した小田信夫(堀内健)に、士気が上がる部下の柴田勝夫(原田泰造)、明智充(名倉潤)ら。おお、いよいよ合戦シーンかと思いきや、この空想大河ドラマは予算的にそうすんなりと事を運ぶわけがなかった。作戦会議と銘打っての、ネプチューンならではのゆるゆるな会話劇が展開される。

 冒頭に勝夫が「鼻薬を利かせています」とやけに印象的なセリフを話していたとは思ったが、作戦会議で信夫がその言葉の意味を問うてまぜっかえしたのには感心しながら笑った。ちなみに私が「鼻薬を利かせる」という言葉を知ったのは、手塚治虫の名作時代劇「陽だまりの樹」が初めてである。

 「鼻薬」や「天下布武」の言葉の意味を問うているうちに信夫は戦への疑問を感じてしまい、ゴロンと寝転んで両足の裏をペチペチ合わせて遊ぶ。普段のネプチューン堀内健の悪ふざけの延長線上にある演技と取れなくもないが、私は「戦国武将というととにかく血生臭い争いを好むイメージあるが、信夫のようなリベラル(?)な武将もいたかもな…」とここで思ってしまった。いいお客さんだとわれながら思うw

 かくして今回のラストで信夫と明智の関係は決裂状態となり、最終回では「本能寺の辺(変ではない)」が描かれるようだ。予告では明智の謀反に驚く信夫が思い切り引き絵の状態から、白装束で手足をバタバタさせる姿が確認できた。

 おい、面白すぎるだろwとにかくあらゆる意味で新感覚な「空想大河ドラマ」のオチをどうつけるのか、今から楽しみである。ちなみにこの第3回では、鎧を身に付けた部下が廊下をぐるぐる回っており、初回からの「ぐるぐる」のお約束を守っていた。

「LIFE!」#31(NHKテレビ2月16日放送分)

【カメラ写り】

 トクラ(星野源)とマユカ(塚地武雅石橋杏奈)の恋物語も佳境に。「逃げ恥」で鍛えられたのか、マユカの恋心を受け止めるべきか葛藤する星野の表情は堂に入っていたと思う。

 最後は塚地の姿に我に返り、交際発言を取り消して逃走するトクラ。「LIFE!」今シリーズの放送はあと3回だが、続編というか最終回がきちんと放送されるのか気がかりだ。今回特に最終回というアナウンスがされていなかったので、もう1本作るとみているのだが。

【恩返し】

 予告では内村を訪ねる人物がまるまる隠されていたこともあり、誰なのか全く予想できないのはおろか、コントなのか楽屋ロケなのかすら把握できなかった。さすがに田中直樹が扮(ふん)したザリガニとは予想つかなかったわ。

 内村が昨年夏にザリガニを助けたエピソードからコント1本に仕上げるまでアイデアを膨らませた作家陣および田中の手腕にとにかく脱帽である。最後に内村が「誰だチクったの!」とボヤくところをみると、内村のザリガニ救出を見たスタッフが田中にチクり(というか報告)、田中が作家陣と構想を練って膨らませたのだろうか。

【ムロ鍋JAPAN】

 新シリーズ以降のロケ企画の中心的存在を担った…というとスゴいコーナーのように思えるが、実際はムロツヨシの滑りコメントを多く見せられた当企画もいよいよ(?)最終回。昨年亡くなった千代の富士関の後輩力士の出演など、ロケではしんみりさせる展開となったが、服部幸應も参加してのムロ鍋のジャッジは、9人中3人が「微妙ムロ」の札を挙げるという微妙な結果にw

 個人的には塚地の「具が少ない」という意見に賛同した。豆腐は入れてほしかったねw

「空想大河ドラマ 小田信夫」#2(NHKテレビ2月11日放送分)

 今回は最初から見ることができた。しかし15分番組なのに無駄に重厚な(褒め言葉です)オープニング作ったんだな。時代考証とか一切「なし」とデカデカ見せるテロップの思い切りも「空想」と銘打ったからこそと言えるか。

 今回は黒田方との戦で討ち取った生首に高笑いした小田信夫(堀内健)が、寝室でその生首に怯(おび)えて眠れないという手堅いスタート。前回話題をさらった廊下ぐるぐるの再来か、布団の周りを信夫と柴田勝夫(原田泰造)が回るくだりは少々欲張りすぎな気がしたが。てか瓜を生首に偽装するなんてのは、同じNHKの「タイムスクープハンター」で見た気がしないでもない。

 物語は結成20年を優に超すお笑いトリオ・ネプチューンのゆるゆるな会話劇で進むと思わせて、先の生首話から明智充(名倉潤)による信夫の入浴に付き合わされる侍女の内部告発、果てはささいな言い争いの末に勝夫が白装束で切腹に臨む。その矢継ぎ早な展開にはうなるものがあるし、間に挿し挟まれる大仰なBGMのもとで堀内、原田、名倉の荘厳な顔アップが映されるのは古き良き大河を感じさせるものがある。少しね。

 第2回は意表を突くオチを仕掛け、後の明智の謀反を暗示する小西真奈美(信夫の正室お毛役、今回は顔出しなし)のナレーションで幕を閉じる。「あーもう折り返し地点か、残り2回かあ~」と思わず天を仰ぐほど続きが気になる作品だ。絶対に続編を作ってほしいし、そのためにきっちりと空想大河ドラマの後半戦を見届けようと思う。

空想大河ドラマ「小田信夫」#1(NHKテレビ2月4日放送分)

 いまやテレビ界に欠かせない存在のお笑いトリオ・ネプチューン名倉潤原田泰造堀内健)による新感覚の大河コメディーがついにベールを脱いだ。

 …と言っても、私はこの番組の初回をフルできちんと見ていないというねw堀内も準レギュラー的に出演する「さんまのお笑い向上委員会」(フジ系)終了から数分後、「あ、忘れてた」とチャンネルをNHKに合わせたものの放送時間は残り5分程度だったという。

 しかしあのシーンはきっちり見られた。戦国時代の城主・小田信夫(堀内)を袖にするように部下の柴田勝夫(原田)、明智充(名倉)が城内の廊下をずんずんと歩くのだが、そのシーンが延々続くというねwこの場面が面白すぎて彼らのセリフが全く頭に入りませんでしたわ。

 廊下のシーンはtwitter2chなどのネットで好評を博したが、私としてもひさびさにテレビを見て「おいあれ見たか」と知人に触れ回りたくなる心境になりましたわ。そういう知人いないけど。

 公式サイトを探ってみると放送回数は全4回(放送時間は1回15分)とのこと。当初私は「少ねえなあ」と思ったものだが、初回でこれだけのクオリティーを残してくれる出来栄えだと「もっと見たい」と思わせる4回設定でちょうどいいのではと思わせたり。脚本家の前田司郎氏のインタビューによると、今回の空想大河ドラマは偶然の産物のようだが、今回のネプチューンとの出会いを縁に「小田信夫」の名を天下に知らしめてほしいと切に願うものである。

「LIFE!」#29(NHKテレビ2月2日放送分)

【正しい人】

 『Quick Japan』誌の「LIFE!」特集での収録ルポで一部内容が伝えられていたコントだが、あれ昨年8月くらいだっけ。えらく寝かせたな。

 内村光良演じる八文字正義(はちもんじ・せいぎ)が己の信ずる「正義」を振りかざして次第に暴走するという、よく言えばオーソドックス、悪く言えば目立った特徴のない内容。タンクトップに太眉という八文字正義のルックスも内村にしては工夫が足りないような…。

 俺がこういう酷評をしてしまう内容のコントだからこそ、放送に半年かかったのかもしれないw

【HOTなカマタくん】

 あ、このシリーズコントをレビューするのはひょっとして初か。しかし今回で最終回というねw

 最終回はなぜか壮大な展開。ボクシングみたく、カマタ(田中直樹)が関西のホットパンツァーチャンピオンである松下優也と統一戦をたたかう。カマタのライバルだった木暮(ムロツヨシ)もこの大一番にセコンドを担当するという往年のジャンプ展開に胸熱となった視聴者も多かろうが、木暮は試合前に会場周りの池に落ちピラニアの餌食になるというwお笑いコントなのに無駄に盛り上がる展開はツボった。

 果たして今期朝ドラ「べっぴんさん」で売り出し中のイケメン俳優松下は、星条旗をあしらったホットパンツでカマタと疲労困憊(こんぱい)、白目をむきながら競り合う健闘ぶり。その松下のマネジャー役を演じた吉田羊も、初挑戦であろう白髪カツラを被り、松下にカマタを油断させてピラニア池に落とすよう命じるなど非情な悪徳マネジャーをやり切ってみせた。吉田もこれだけ振り切った演技を昨年シリーズ開始初期から見せていれば、新参に厳しい「LIFE!」ファンも叩かなかったのではと余計ながら思った。

 勝負はコミッショナー的な長老ホットパンツァー(内村)の裁定によりカマタの勝利。木暮の無事も確認され、物語は大団円を迎えた。しかし気がかりなのは控室のラストシーンで石橋杏奈が意味ありげな戸惑いの表情を浮かべていたこと。てっきりカマタの相手が石橋の生き別れの兄とか音信不通の恋人なのかと思ったぜ。

【お荷物】

 2週ほど「LIFE!」コント放送分でごぶさただった西田尚美のコメディエンヌぶりが堪能できるキャンプコント。しかし山のキャンプにハープてwそういう無茶をごり押ししてしまう信念の強い音楽家を西田はきっちり演じてみせた。やはり「LIFE!」女性陣の大黒柱は西田だと感じさせられたコントだ。

「LIFE!」#28(NHKテレビ1月26日放送分)

 綾瀬はるかが2週連続コント出演し、同じホリプロ所属で彼女に続く大河主演が決定した鈴木亮平が「LIFE!」に初出演し、スタジオトークにも登場することと相成った。おかげで古参メンバーのはずのホリプロ所属・石橋杏奈のバーター感がそこはかとなくw

 

【うそ太郎】

 放送前にネットニュースとなって話題を読んだこのコント。綾瀬がうそ太郎(星野源)の妹・花子に扮して兄に負けじと己をヒラリー・クリントンなどとウソをつきまくる。

 コント自体は、常連客の田中直樹に兄妹してつがいのカブトムシを出すとか、綾瀬が退散して行った塩をまくはずがベーキングパウダーだったなど、これまでのうそ太郎のボケの焼き直しになったのは気になった。ただ綾瀬の吹っ切れぶりはガチで「LIFE!」レギュラーの即戦力にできそうなほど堂に入っていたよ。

 さすが15年前「品庄内閣」(TBS系)でお菓子をボリボリ食いながら「島崎和歌子さんをめざします!」と豪語しただけはあるな。まあ綾瀬本人もその発言を忘れていそうだがw

【現役選手と元選手】

 鈴木の「LIFE!」初挑戦コント。自身の出世作となった映画「変態仮面」で共演したムロツヨシとガッツリ絡む作品なのは、番組スタッフの粋な計らいだろうか。

 メジャーリーガー役の鈴木に、彼の先輩選手で引退後の現在はリポーター業をこなすムロとの微妙なスレ違いインタビューをお送りするという見ている側が冷や汗をかきそうなコントだ。大柄で筋肉質な鈴木の佇まいはメジャーリーガーの説得力があり、悪意こそないが先輩のムロを結果的に邪険にしてしまう役どころをキッチリこなしていたと思う。

 ただ個人的に気になったのは、ムロ演じるインタビュアーの望月が、鈴木に「独身でしたよね?」と聞かれるところだった。プロ野球選手と言えば、個人的には日本で一番結婚しやすい職業だと思う。巨人の2014年ドラフト1位の岡本和真選手は、弱冠20歳にしてこの正月に2歳年上の女性と入籍を果たした。

 現役引退後も解説者や評論家などプロ野球に関われるほど実績を持つ元選手で、現在も未婚の人物と言えば、私の思いつく限りで言えば日本ハムで日本一に輝いた栗山英樹監督、日本ハムOBの岩本ツトム氏、またこれも日本ハムOBの木田優夫氏くらいしか思い浮かばない。日本ハム多いなwただその事実を思い起こし、ムロ演じる望月の不遇に心を痛めずにはいられなかった次第である。

【私は気にしない】

 篠突く雨にスーツがびしょ濡れになっても気にしない上司(内村)に心酔しついていく部下のムロ、戸惑ったままの塚地武雅との対比を描いたシュールコント。私は社会人になって20年になるが、さすがに背広はなるたけ濡らしたくないw

 高校時代は学生服が豪雨でずぶ濡れしても乗り切った記憶あるけどね。そういう意味では、内村が演じた上司は高校生のメンタリティーだったのかなとw20年以上前の記憶を呼び覚ますという点で、値打ちのあるコントだったと思う。