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気が超早いが2021年大会ファイナリストを予想する

 この間バタバタしていたが、8月下旬に女性芸人の日本一を決める大会「THE W」(日本系)の2回戦進出者が決定したらしい。進出者を発表した表はこちら

 ざっと進出者の一覧を見渡したところ、今大会は実績のある女性芸人の欠場が目立つように思う。過去のチャンピオンで言えば今年の新生R-1を制したゆりやんレトリィバァ、前回の吉住はじめ阿佐ヶ谷姉妹3時のヒロインなど歴代のTHE W王者はシードにも姿を現していない。第2回準優勝で第2子を妊娠中の横澤夏子、複数回のファイナリスト(第1回、第2回)を経験しているニッチェ、そして前回ファイナリストのぼる塾も同様に欠場している。

 その客観的事実にかんがみれば、今年のTHE Wはよく言えば群雄割拠、悪く言えば本命不在の大会となるだろう。エントリーすればかなりの確率で決勝に駒を進め、大会を盛り上げる実力者がこれだけ不在となると、大会のレベル低下を危惧してしまう。

 しかし改めて2回戦進出者の表を見てみると、そうした危機感を杞憂の如く払ってくれそうなメンツも出そろってはいるのだ。前置きが長くなり過ぎたがw、この記事ではどこよりも気が早くw第5回THE Wのファイナリストを予想しようと思う。

 過去の大会と同様に10組を個人的に選出してみた。敬称略。カッコ内は所属事務所と出場回数。

 

あっぱれ婦人会(SMA初)

Aマッソ(ワタナベ2年連続2回目)

オダウエダ(吉本2年連続2回目)

カニササレアヤコ(サンミュージック初)

スパイク(吉本2年連続2回目)

天才ピアニスト(吉本初)

ハイツ友の会(吉本初)

ヒコロヒー(松竹初)

紅しょうが(吉本2年連続3回目)

変ホ長調(アマチュア初)

 

 うむ、われながら結構冒険した予想だと思うよw あっぱれ婦人会は今年のキングオブコント(KOC)で準々決勝敗退したものの、予選でゴリゴリに受けたことが評判になったコンビ。THE Wでは台風の目となるのではないか。

 もう1組、私が台風の目と予想するのは変ホ長調。中断期間をカウントしても20年の歴史を誇るM-1グランプリにおいて、アマチュアで決勝に駒を進めたのは彼女たちだけ(2006年第6回大会、結果は8位)。昨年の敗退でM-1の参加資格(コンビ結成15年)を失ってしまったが、それでたまったうっぷんをTHE Wで晴らす可能性は十分にある。

 昨年準優勝の紅しょうが、ゆりやんとの名勝負を演じたAマッソ、前回笑い飯哲夫に絶賛されたオダウエダは2年連続で決勝の晴れ舞台を踏むと予想。昨年、ファイナリストに選ばれながらコロナ感染により涙をのんだスパイクも雪辱の可能性が高いとみている。

 ここからはさらに私の個人的な好みが関係するチョイスだが、まずカニササレアヤコ。実は2回戦進出者の表を見て、一番驚いたのは彼女である。R-1ぐらんぷり2018ファイナリスト。最終決戦に駒を進められなかったものの、独特な雅楽ネタは鮮烈な印象を残した。今回はTHE Wでどんな新ネタをみせてくれるのかという期待がある。

 お笑い界の「女帝」たる上沼恵美子のものまねをネタに取り入れてきた天才ピアニスト。彼女たちも、そろそろ賞レースのファイナリストという形で報われそうな気がする。

 そしてハイツ友の会。キャリアで言えば2019年結成、まだ3年目という若手である。しかしこのコンビはナイツ塙が激賞もしている。漫才の世界最高峰を決めるM-1のプレーヤーとしても、審査員としても名を残す塙の肝いりとなれば、そのポテンシャルに期待しないわけに行かないだろう。

 そして最後はヒコロヒー。ここ数年、松竹芸能所属の女性ピン芸人の躍進は目覚ましかった。前田敦子ものまねのキンタロー。は言うに及ばずTHE W3年連続、R-1に2年連続ファイナリストの紺野ぶるま、R-1に2年連続の決勝入りを果たした河邑ミクなど。

 同じく松竹所属のヒコロヒーは、そのコント師としての実力を十分に認められていても結果が伴ってこなかった。伝説の「爆笑オンエアバトル」復活特番も次点でオフエア。今年の新生R-1も準決勝で敗退したが、元ピーマンズスタンダードみなみかわとのジェンダー漫才は昨年のM-1で準々決勝まで進出するなど好評を博した。

 ネタのみならず、ヒコロヒーはネットテレビ番組で「ママレードボーイ幻の最終回」のフリップネタを披露し、千鳥ノブと丁々発止のやりとりもした。これだけ書けば、ヒコロヒーがいかに地上波テレビでのブレイク待ちかということを分かってもらえるだろうw

 そんなわけで(どんなわけ?)、今年のTHE Wは本命不在の前評判を覆して名勝負を展開するものとみている。この5年間、30年近く前の松本人志に「女はお笑いに向かない」と呪いをかけられながらも、女性芸人はコロナ禍をものともせずに爪を研いできた。

 コロナ問題が表面化して2年近くたっても、いまだに収束の目を見ないのは予想外そのものだったろう。女性芸人の日本一をかけたたたかいに参戦する女性芸人さんたちには、おこがましいのは承知だが賞レースから撤退した人たちに思いをはせて今後の予選にベストを尽くしてほしいと願う次第である。