有吉弘行さん夏目三久さんおめでとう!!古内東子「誰より好きなのに」【改訂版】
エープリルフールの4月1日、お笑い芸人の有吉弘行さんとフリーアナウンサーの夏目三久さんが結婚した。この2人がレギュラーを務めた「マツコ&有吉の怒り新党」(朝日系)のフォロワーだった私は、万感の思いで報道を受け止めた。
番組が始まった2011年、既にテレビ界の寵児(ちょうじ)だった有吉とマツコ・デラックスの間に進行役として割って入ったのが、スキャンダルで所属の日テレから見捨てられた夏目アナだった。一癖も二癖も三癖もある有吉、マツコを相手に丁々発止を繰り広げた夏目アナは、またたくまに女性アナ界のスターダムにのし上がっていく。
その一方で、夏目アナは有吉と愛をはぐくんだであろうことは想像に難くない。いつしか番組内では、有吉の毒舌に夏目がすねてみせ、マツコがフォローに回る。あるいはマツコが夏目を責め、有吉がとりなすパターンが定式化していった。この3人のトライアングルは掛け値なしでテレビ史において最強だったと思う。
そういえば、今回の結婚報道を機にSNSで取り上げられたエピソードがある。「怒り新党」の中で、夏目が「有吉さんと一つ屋根の下で食事をする夢を見た」と切り出したのだ。
ガチの告白やんけw これを聞いたマツコが「じゃあ後は若い二人で…」てなスタンスで話し、有吉が珍しく色をなして「これは夢ですから!!」と否定してみせた。これって、十分すぎるほどの伏線だよなあ。
やや唐突ともいえる夏目の番組降板から5年。当時は夏目と有吉の交際報道がなされ、2人の愛の灯はついえたかに思われた。
否、そうではなかった。夏目と有吉は「芸能界のドン」を乗り越えたのである。とっくのとうに結婚への興味がうせたはずも私も、この知らせに喜ばないわけにいかなかった。夏目さん、有吉さん、おめでとうございます。
ここで紹介したい楽曲がある。1990年代後半、恋愛ソングの教祖とも言われた古内東子の代表曲「誰より好きなのに」だ。
(古内東子チャンネルから)
ドラマ「俺たちに気をつけろ」(日本系)の挿入歌だった「誰より―」。自身がピアノの弾き語りをした「ミュージックステーション」(朝日系)にて、同じ回に出演したともさかりえに司会のタモリが「ファンなんですよね」と説明。ともさかが感無量と言った感じで古内の歌唱に聴き入っていたのを思い出す。のちに古内は、ともさかに楽曲を提供している。
「誰より―」のメロディはピアノメインで非常にシンプル。詞の方はまるで演歌かって思うくらい、両思いになり切れない相手への尽きせぬ思いがつづられている。
実は私は有吉&夏目の結婚報道を聞いて以降、古内の「誰より―」のメロディーが頭に響き続けてしょうがなかったw それはなぜかと自問した結果、この曲が2人の心情をこれでもかと代弁したからではないかと考えるに至っている。
4月4日の日曜日、夏目は「真相報道バンキシャ!」(日本系)にて結婚報告の際に、有吉の「仲間を大切にする」姿勢に惹(ひ)かれたと語っている。このくだりは「誰より―」の歌詞にある「友達に混じってはしゃぐ姿 私だけのものならいいのに」と通ずるものがある。実際に有吉はダチョウ倶楽部・上島竜兵が主宰する「竜兵会」の一員であるし、また自らも数ある冠番組の一つ「有吉の壁」(日本系)などで若手芸人をもり立てていたしね。
しかし白眉は何といっても「誰よりー」のサビだろう。「優しくされると切なくなる 冷たくされると泣きたくなる 誰より好きなのに」て歌詞は、まんま有吉(およびマツコ)と「怒り新党」でやりとりした夏目の心情をトレースしたかのようだ。
そしてこの夏目の思いは、有吉も同じだったのではないかと私はみている。共演でのやりとりを通じて、愛情を人知れずはぐくんだみたいな。4日、自身のラジオ番組収録前に報道陣に囲まれた有吉が「ありがとうございます。幸せです」とキャラを忘れたかのように満面の笑みを見せたのを聞くと、そう感じずにはいられなかった。
夏目三久さん、有吉弘行さん。改めて、ご結婚おめでとうございます。
(4月5日・6日、記事を加筆・修正しました)