ごぶさたしております。最近の私がちょくちょく読んでいるブログで「あさりちゃん生活」てのがありまして。
リンクはこちら。ブログ管理人は浜野さんごママと同世代の女性で、去年の夏頃にブログを開設したようです。
なんでも通算100巻に上る室山まゆみの名作『あさりちゃん』(小学館)の単行本に収録されたエピソードを1話ずつレビューするとか。こういう壮大な目標を掲げられたら、私も注目せざるを得ませんw
ブログのレビューは現在9巻途中まで来ています。私も「あさりちゃん生活」に触発される形で、過去の単行本の電子書籍を再びちょくちょく買い始めました。
てわけで(?)、今回は私も負けじと「あさりちゃん」のレビューをやります。取り上げるのは第7巻最初に収録したエピソード「電話は一番」です。
まずこのキャプチャー画像をごらんください。
…繰り返しますが、上記の画像は「電話は1番」のエピソード1コマ目です。この回の扉絵ではあさりがタタミを踏んづけて得意げに雄たけびをあげる絵が描かれているのですが、いざページをめくったらあさりがタタミにボロカスにやられているというw
このコマの秀逸な点は、まず漫画として読者に伝えたい表現があますことなく伝えられていることでしょう。タタミとあさり、2人の間の圧倒的な力の差がくっきりと描かれています。藤子・F・不二雄の不朽の名作『ドラえもん』(小学館)でおなじみ、ジャイアンがのび太をボコる図でも同様のことが言えると思います。
またあさりを痛めつけるタタミの足元に、ハンカチがあることをそれとなく点々をつけて指し示しているのも見逃せません。この表現で、読者はハンカチがケンカの原因だとそれとなく分かるわけです。ハンカチはタタミの私物で、これをあさりが勝手に使用したことが姉の怒りを買ったのですね。
その一部始終は次のコマで、タタミの「二度としないとちかうわね」というセリフで分かりますが、そうした事情は上記の画像で何となく読者にも伝わります。なので1コマ漫画としても非常に秀逸ではないでしょうか。
新聞によく政治的な1コマ漫画が載っていて、それには絵を説明する一文が添えられています。それにならって上記の画像に説明文をつけるとすれば「他人の持ち物を勝手に使うのはやめましょう」ってとこですかねw
上記の画像でもう一つ心に引っかかるのは、タタミがあさりにかけている技ですね。これ、タタミのオリジナル技ではないでしょうかw
実在のプロレス技でこれに近いのはカナディアン・バックブリーカーですかね。相手を肩にかついで上下に揺らし、背中や腰にダメージを与える技で、人間発電所の異名を持つブルーノ・サンマルチノらが得意にしていたといいます。
しかし上記の画像でのタタミは自分の頭の上にあさりの背中を乗せ、そこから相手の腰に「めり」「めり」とダメージを与えているんですよね。タタミのオリジナル技じゃないすかw リアルにやったら、かけている自分の首への負担半端ないもん。
ただ改めて感心するのは、タタミは技をかけている途中、左ひざをついています。これで姿勢が安定することによって、相手の胴体を頭に乗せる自分の首の負担は軽減される一方、かけられた側の背中や腰へのダメージが増幅されるというわけです。いやはや、タタミは稀有(けう)なプロレスセンスの持ち主ですなw
漫画で発案したのがリアルでも採用されたプロレス技といったら、その代表はマスクド・ヨネが得意とした「キン肉バスター」かな。ぜひとも頭の上に相手を乗せる「タタミ式バックブリーカー」も、現実のプロレス界で披露されるようになってほしいと願います。
そうそう、「タタミ式バックブリーカー」を披露したエピソードのタイトル「電話は一番」。これって「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂」てCMのもじりなんでしょうねw