◆ファーストステージ
Aブロック
・おいでやす小田
3年連続ファイナリスト。過去2回は直前の出番だったハリウッドザコシショウ、アキラ100%に優勝をさらわれるというありがたくないジンクスを払拭(ふっしょく)できるか。
ホテルマンコント。宿泊客のどうでもいい電話に右往左往させられ、R-1決勝の舞台ではおなじみとなった小田の目をひんむいての絶叫が繰り広げられる。
設定はオーソドックス、展開もシンプルなだけに、突き抜けた笑いが欲しかったところだが、宿泊客・オザキさんの電話の内容が微妙に「ああ、あるよね」て感じのものだった。書店員をしていた漫画家・久世番子の作品では、カウンターに来た客の「けさテレビで紹介されていた本、どこにある?」という注文があったという。この手の注文は奥深く、ゆえにオザキの注文と小田のキレ絶叫とのバランスが悪かったように感じた。「ドライヤーを見つけられないのに天井のシミを見つける」くだりはさすがに面白かったが。
個人的な採点は100点満点中88点。
・おぐ
ハリウッドザコシショウ、アキラ100%ら2年連続王者を輩出したソニー所属で、4年ぶり2回目のファイナリスト。ヒットアニメ映画「君の名は。」の設定(とRADWIMPSの音楽)を拝借して、くたびれた薄毛のおじさんと中身が入れ替わってしまった女子高生を演じる。
おじさんの体になってしまった彼女の絶望感を、おぐはうまく笑いを交えて表現していた。女子高生は、おじさんの身の回りの持ち物などを見て「ハゲのおじさんはキモい」という偏見を乗り越えていくのだが、ちょっとその辺の説得力が不足していたかなと。DVDのコレクションが普通のラインナップのところとかね(これは理由のある設定だったことが後で分かるのだが)。たとえばおじさんが大学教授とか世間的に立派な肩書の人で、自宅に届いている礼状とかを読んで女子高生が認識を改めるとか。そういう素人考えで、どこまで伝わるか分からないが、個人的には設定の面白さの割に後半イマイチだったなという恨みが残った。
個人的な採点は100点満点中87点。
実際の視聴者「お茶の間d投票」、審査員(桂文枝、関根勤、久本雅美、陣内智則、ヒロミ)の審査結果はルシファー1、カニササレ3、小田6、おぐ11。
おぐが過半数の票を得てAブロックを勝ち抜き、最終決戦進出。3年連続のソニー所属チャンピオンへ王手をかけた。小田はソニー芸人に負けるジンクスを継続中。
ちなみにこのブロックで私が3票入れるとすれば、ルシファー2、小田1、カニササレとおぐは0。
続きます。