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2018年最速ブレイク芸人「羽生ゆずれない」の未来

 平昌冬季五輪が終わった。変な自慢をするわけではないが、今回あまり私は五輪の競技中継をあまり見ていなかった。

 2月4日の深夜に放送された、スポーツニュース「Going!Sports&News」(日本系)。番組は五輪の閉会式や男子フィギュア連続金メダルの羽生結弦選手の演技をみっちり伝え、私はながら見程度で見ていた。しかし番組最終盤、私はある人物に刮目(かつもく)することになる。

 一目で「羽生選手そっくりやな」と認識できる黒のスパンコール衣装に身を包んだ、柔和な笑顔が印象的な青年。彼こそ「羽生ゆずれない」、羽生選手のものまね芸人だ。

 この羽生ゆずれない、「Going-」に出演するのは2回目らしい。五輪前に出演した際は1月に2本だった仕事数が、出演後には19本に増えたという。約10倍だ。ご本人が連続金メダルなんて偉業を成し遂げた以降、さらにオファーは急増しているだろう。個人的にであるが、2018年最も早くブレイクした若手芸人と言ってよいのではなかろうか。ご本人羽生選手と同い年(2月25日に23歳)という若さも伸びしろを感じさせる。

 少し引っかかったのは「スポーツ選手のものまねをする」という点であった。松村邦洋みたいに掛布や達川など現役を退いた解説者のものまねをするケースを除けば、たいていは現役選手が対象になる。

 そうなるとしゃべりを似せるのは当然だが、プレーに関する動きも似せることが求められてくる。せっかく声帯模写ができていても、運動音痴で動きにアスリート感がなかったりするとなあ…というパターンもありそうなので、私としてはスポーツ選手のものまね、と聞くと芸人の運動能力をまず気にしてしまうのであった。

 まあ羽生選手はスケートリンクで滑るのが仕事だから、屋内の氷も張っていない(当たり前)営業会場で回転ジャンプを求められることもないがな…と思いながら「Going-」を見ていたら、目を見張ってしまった。羽生ゆずれない、スケートリンクでめっちゃ軽快に滑っている!

 何でも大学時代はアイスホッケー選手で鳴らし、学生日本代表に選ばれたこともあるらしい。なるほど、競技は違えど氷上は勝手知ったる場所なわけだ。ふと大学時代アメフト部主将だったwithB(ブリリアン)のコージを思い出した僕w羽生ゆずれないはリンク内で回転ジャンプも披露…したがバランスを崩し転倒。しかし、これはぜひ練習して1回転決めるまで上達してほしいと思う。そうなると仕事の幅もさらに広がってこよう。スケートリンクでのイベントセレモニーとかね。冬スポーツの競技人口が決して多いと言えない日本において、せっかくスケーティングの基礎的な技術を持っているのだから、羽生ゆずれないにはぜひそっち方面の研さんをしていただきたい。

 

 今年最速ブレイクを果たした羽生ゆずれないの今後で気になるのは「ものまね番組は日テレかフジか、どっちに出るのか?」である。

 先日「良かれと思って!」(フジ系)で放送したものまね芸人特集の回、山本高広が「ものまね芸人は、フジと日テレを掛け持ちで出演できない暗黙のルールがある」という趣旨の発言をした。ホリは「フジと日テレは全日本プロレス新日本プロレスの関係」だとも。

 その発言を踏まえれば、当然フジと日テレの間で「羽生ゆずれない争奪戦」が今行われているのは間違いないだろう。果たして若きものまね芸人はどちらへ行くのか。

 ネット情報によると、羽生ゆずれないは無名時代にルパン3世のものまねでフジの「ものまね紅白」に出ていたようだ。山本も先述の「良かれと思って!」で、先にオファーがあったフジの紅白に出て、そのまま出続けていると話している。

 そうなるとフジのアドバンテージが大きそうだが、しかし日テレは「Going-」で大プッシュし、羽生ゆずれないの知名度飛躍に多大な貢献を果たした。この勢いで「ものまねグランプリ」での売り出しを図るべくオファーを強めているかもしれない。

 さて多くの感動を呼んだ平昌五輪を機に、芸人界で時の人となった羽生ゆずれない。彼は一体どこへ行くのか。私は目が離せないでいる。