M-1グランプリ2016決勝戦感想その4
★ファーストラウンド
さらば青春の光(初出場)
ホームグラウンドたるコントの祭典であるキングオブコント(KOC)2016では2回戦敗退の憂き目に遭った彼らが、漫才の日本一決定戦たるM-1決勝の殿(しんがり)に登場。彼らのコントはKOC決勝でさんざん見てきたはずだが、実は漫才は初めてだったりする。
そんな彼らが決勝の場で満を持して披露したネタは「能」。うわさでさんざん聞いていたネタではあるが、個人的には乗れないままネタが終わってしまった。東口が雰囲気たっぷりに「能やな」とつぶやくので、ネタの後半ではその種明かしがされるものと見ているこちらは身構えたのだが、ふたを開ければ森田が大げさに驚くくだりが続く展開に終始したので、直前のスーパーマラドーナと比較しても評価を下げることにした。
審査員の合計得点は448点。私の採点はこれまで最低の88点。森田のバリエーション豊かな驚きツッコミに評価が集まったようだが、私はそこへ気づかず「ねじり鉢巻き角刈り奮闘記」ってボケが弱いな…と思っていた。なんやかやで東口のボケがはまらないもしくは気にしないで、かなり評価が分かれるネタじゃないのかな。
和牛(敗者復活・2年連続2回目)
視聴者投票によるハイレベルな敗者復活を勝ち上がったのは、前年決勝6位の和牛。個人的には今年のテレビ界を席巻(せっけん)したメイプル超合金の圧勝だと予想していたので、この結果にまず面食らった。
とはいえ、私としてはこの時点で和牛にそんなに過大な期待はかけていたわけでなかった。前年の決勝ではカップルの男性(水田)が女性(川西)をネチネチ理詰めで追い詰めるネタで、これを今年も見させられるのはキツいな…と思ったので。
ふたを開ければさにあらず、このコンビのポテンシャルを嫌というほど見せつけられた。ドライブデートの途中、カーブで大げさにリアクションする水田。トイレで手を洗わなかったらしい水田に手を近づけられて嫌がる川西など、まるでサンドウィッチマンがごときコント漫才の真髄を見せられた気がする。
個人的には水田にゴミを捨てるよう頼む川西演じる女性の口調がやや汚かったのが気になったが、あまりにそれまでのコント演技が利いていたので我慢して見る気になった。果たして、そのゴミ捨てのくだりが終盤の展開に生きたのでこちらは得心した次第だ。
加えて、逆ギレした水田が頭を冷やそうとしてジャングルジムに興じるおかしみの破壊力よ。全く関係ないが、このネタを見て水田はジグザグジギーの宮澤と似ているなと感じ入ったw
審査員の合計得点は469点。私の採点は95点。
続きます。