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西郷輝彦さん追悼「ねがい」

 歌手で俳優の西郷輝彦さんが亡くなった。75歳。

 がんで闘病していることは聞いていたけれども、いざ西郷さんの訃報を目にしたら(ああ…)と自分でも少し驚くほど落胆してしまった。やはり幼少のころからスターだった人が逝くのは惜しい。

 私にとって西郷さんと言えば「ねがい」だ。彼が当たり役の遠山金四郎を演じたシリーズ時代劇「江戸を斬る」(TBS系)の主題歌。こちらでフルバージョンを聴ける。作詞山上路夫、作曲いずみたく

 「江戸を斬る」は子どものころに再放送を見たが、なぜだかドラマ本編より「ねがい」の印象が強くてね。格好いいんだもの、西郷さんのボーカル。Aメロでは落ち着いた低音を響かせておいて、サビでガツンと高音で伸びのある声を放つんだからな。

 また歌詞も渋いわけよ。「何を今日は求めて生きた」「人は生きるものなのか」「生きてゆくのか 明日も」と問いかけに次ぐ問いかけ。さまよう詩人かよw

 先に書いたような西郷さんの熱唱もあいまって、テレビで流れるワンコーラスを聴き終えると、まるで1冊の本を読んだような充実感があったなあ。おのれの幼いころを、そんなふうに思い出している。

 西郷輝彦さんのご冥福を祈ります。

参院選の日本共産党候補者と高校で同窓の芸人を調べてみた

 どうもです。

 今回の記事の趣旨は、まあタイトルの通りなんですがw 私が愛読している5chのM-1グランプリスレにて、芸人の学歴話になったんですわ。

 正確には、このほどファイナリストが発表された今年のピン芸人日本一決定戦「R-1グランプリ」の準決勝に進出した芸人さんたちの最終学歴を調べた人がいましてね。その流れで、長年の日本共産党支持者である私が「あ」と思うところがあったもので。

 まあ、まずはタイトル通りに調査結果を並べてみましょう。今年夏の参院選をたたかう共産党の比例・選挙区候補の学歴を調べてみました。その上で、卒業した高校で同窓の芸人さんをピックアップした次第です。それでは、どうぞ。敬称略。

 

【比例候補】

いわぶち友  不明・福島大学卒業
田村智子   長野県立野沢北高校(早稲田大学卒業)-なし
たけだ良介  長野県立飯山北高校(信州大学卒業)-なし
大門みきし  京都市立日吉ケ丘高校(神戸大学中退)-ブラックマヨネーズ吉田敬
にひそうへい 福岡県立小倉高校(京都大学卒業)-七代目柳亭燕路

【選挙区候補】

北海道・松橋ちはる  北海道苫小牧東高校定時制(岡山大学卒業)-なし
秋田県・藤本ゆり   秋田県大館鳳鳴高校(都留文科大学卒業)-ポール牧(故人)
山形県・石川渉    不明・山形大学卒業
茨城県・大内くみ子  不明・茨城大学養護教諭養成所卒業
群馬県・高橋保    不明・新潟大学卒業
埼玉県・梅村さえこ  愛知県立豊田西高校(立命館大学卒業)-なし
千葉県・さいとう和子 千葉県立薬園台高校(日本大学卒業)-立川志ら玉
東京都・山添拓    京都府堀川高校(東京大学卒業)-ネイビーズアフロ
神奈川県・あさか由香  神奈川県・森村学園高等部(筑波大学卒業)-Theかれー王
富山県・坂本洋史   富山県立南砺総合井波高校(2012年閉校)(金沢星稜大学卒業)-なし
福井県・山田和雄   福井県立春江工業高校(2016年閉校)-なし
静岡県・鈴木ちか   不明・静岡大学短大部卒業
愛知県・すやま初美  不明・愛知産業大学卒業
京都府・たけやま彩子 京都府洛西高校(京都教育大学卒業)-なし
大阪府・たつみコータロー 大阪府立北野高校(エマーソン大学卒業)-森繁久彌(故人)
兵庫県・こむら潤   兵庫県立明石高校(京都市立芸術大学卒)-なし
奈良県・北野いつ子  愛知県立東海商業(大阪あべの辻調理師専門学校卒業)-なし
広島県・中村たかえ  広島市立大手町商業(広島経済大学卒業)-なし
福岡県・まじま省三  長崎県佐世保北高校(九州工業大学中退)-なし
佐賀県・かみむら泰稔 不明・佐賀大学中退

 

 …とまあ、並べてみるとこんな感じですね。ざっと調べた限りでは、卒業した高校が不明の候補者も少なくありません。なので卒業(中退)した大学も併記したのですが「大学で同窓だった芸人」は割愛しました。田村智子の卒業した早稲田大学は、タモリ(中退)はじめOB・OGがゴロゴロいますものでね。

 調べてみると、意外と高校で同窓の芸人さんはいないものだなと。確認できたのは現職の大門みきし、山添拓、元職のにひそうへい、たつみコータロー、衆院前職のさいとう和子、新人の藤本ゆり、あさか由香の同窓でした。

 出色なのは東京選挙区に立候補予定の現職・山添拓でしょう。卒業した京都府堀川高校の8年後輩に、気鋭の漫才コンビネイビーズアフロ。既にM-1グランプリ準々決勝3回進出の実績を誇りますが、ボケ担当のみながわは今年のR-1準決勝敗退。前述した5chスレで彼(とツッコミの、はじり)が堀川高校卒業であることを知ったもので、今回の記事を書こうと思ったのですw

 あとピックアップしておきたいのは、比例現職の大門みきしですね。京都市立日吉ケ丘高校の後輩に、あのM-1 2005王者ブラックマヨネーズの吉田。大門自身、漫才の作家を志して吉本興業の門を叩こうとした経歴の持ち主です。ぜひとも吉田氏には、同窓のよしみで大門氏を応援してほしいとささやかに願っております。

 そして前職の大阪選挙区候補・たつみコータロー。前述の5chスレで「北野高校卒の芸人ていないなあ」とこぼす返信がありました。北野高校と言えば大阪有数の進学校で、あの維新の創業者橋下徹の母校でもあります。しかし肝心のOBを忘れてはいけません。

 森繁久彌。日本芸能史に名を残す喜劇役者ですよ。森繁翁は日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」の常連出演者で、正月の紙面で毎年エッセーを寄稿してくれました。今年はぜひとも、後輩たつみ氏の雪辱を見守ってほしいと思う次第であります。

 ちなみに不肖マサトヰシグロシャムロックの高校時代の同窓ですが、芸人はおらんようです。ミュージシャンや漫画家、元プロ野球選手はいてるみたいなんですがね。まあまあ、今回はこんな感じで。

ENGEI-COMIC SHAMROCK AWARD2021を発表します

 どうもどうも。2022年初の記事となりますw 今年もよろしくお願いします。

 さて恒例の(?)ENGEI-COMIC SHAMROCK AWARDの発表です。毎年毎年、私が好き勝手に芸人の皆さんを表彰させてもらっています。

 MVP、新人王、殊勲賞、敢闘賞、技能賞、そして新設の漫画賞を発表させていただきます。結果は以下の通りです。敬称略。

 

MVP 錦鯉(M-1グランプリ2021優勝)

新人王 ヨネダ2000(M-1グランプリ敗者復活、THE Wファイナリスト)

殊勲賞 たむたむ(ものまね王座決定戦)

敢闘賞 茶々(THE Wファイナリスト)

技能賞 空気階段(キングオブコント2021優勝)

漫画賞 川尻こだま

 

 MVPは漫才師の日本一を決める頂上決戦、M-1の死闘を制した錦鯉に決めました。剛球ストレートの表現がふさわしい長谷川雅紀のボケ、それを自由自在にコントロールする渡辺隆のツッコミ。プロ野球の名バッテリーを見るかのような完成度の高い芸風は、文句なしのMVPと言えましょう。

 新人王は、これも文句なしですね。すい星のごとく現れた25歳と22歳の女性コンビ、ヨネダ2000。「ボケとお手伝い」という聞きなれない任務分担で、ネタをリピート視聴せずにはいられないリズム感重視のネタは猛威を振るい、男性コンビ優位のM-1において敗者復活にまで駒を進める大健闘をしました。今年のM-1は堂々、正面からのファイナリストを期待します。

 殊勲賞は、ものまね芸人のたむたむ。昨年12月の「ものまね王座決定戦」1回戦では十八番である河村隆一(LUNA SEA)の「I For You」を熱唱し、優勝候補のビューティーこくぶを破るジャイアントキリングを果たしました。たむたむはこのほど、同じものまね芸人で綾瀬はるかを持ちネタとする沙羅との結婚を発表。よくよく考えれば、たむたむは公共の電波で「♪心から 君に伝えたい」とラブソングを歌い上げたわけで、あれ事実上の沙羅へのプロポーズだったんでしょうかw 恋人が名人ビューティーを破る姿を見て、沙羅も惚れ直したことでしょうね。

 敢闘賞は、芸歴2年にしてTHE Wファイナリストの称号を得た茶々。ミュージカル仕込みの芝居度胸で、自身は全くセリフを発さないマツモトクラブ的な音響コントを披露し、紅しょうがとの対決に敗れたものの鮮烈な印象を残しました。先日放送された「ダウンタウンDX」(日本系)でも出口の見えないトークで共演者をほんろうする立ち居振る舞いを演じており、今年注目の芸人と言ってよいでしょう。

 技能賞は、審査員が松本人志を除いて一掃された「新生」キングオブコントを制した空気階段に授けます。雑居ビルの火災に立ち向かう、女王様プレイ中の消防官と警察官のコントは優勝にふさわしい熱量と技量を感じました。空気階段にとってKOC決勝は3回目。文字通り三度目の正直を果たした彼らは、技能賞にふさわしいでしょう。

 そして今回、新たに設けた漫画賞。文字通り(こればっか書いて恐縮ですが)漫画界に関わる人に与える賞ですが、栄えある初代の受賞者は川尻こだまとなりました。この人の活躍については、漫画をかじった方には説明不要でしょう。twitterを根城にほぼ毎日1ページ漫画を更新。あるある感、ダメ人間感漂うローテンションな作風には合計で1億近い「いいね」がつき、業界がこぞって食いついて単行本化、そしてアニメ化までされる事態となりました。まさに時代の寵児となった川尻ですが、ブレイクしたこれからの生きざまがどうなるのかに期待を寄せて初代漫画賞を授けます。

 てわけで(?)、もう今年も残り340日となってしまいましたがw、変わらず拙ブログのご愛顧をよろしくお願いします。

M-1グランプリ2021決勝大会を採点してみました

 どうもです。19日に開かれた漫才師日本一を決める「M-1グランプリ2021」の決勝大会の動画を視聴し、各ネタを採点してみました。カッコ内は所属事務所、決勝出場回数。

◆ファーストラウンド

モグライダー(マセキ芸能社初)90

ランジャタイ(グレープカンパニー初)88

ゆにばーす(吉本興業3年ぶり3回目)87

ハライチ(ワタナベ4年ぶり5回目)86

真空ジェシカ人力舎初)89

オズワルド(吉本興業3年連続3回目)93

ロングコートダディ吉本興業初)89

錦鯉(ソニー2年連続2回目)94

インディアンス(吉本興業3年連続3回目)92

もも(吉本興業初)87

 

◆最終決戦

インディアンス 90

錦鯉      94

オズワルド   92

 

 ま、こんな感じでw 私の印象に特に残ったのは3組に絞って挙げるなら優勝の錦鯉、モグライダー、そして真空ジェシカでしょうか。

 錦鯉は、なんと言ってもボケの長谷川の手綱を握った渡辺のツッコミに尽きる部分があるかと。最終決戦の「長谷川が住民に被害をもたらす野生の猿を捕獲する」というネタ(改めてどんなネタだとw)。序盤、取り逃がした猿が森へ入っていくのを呆然と見届ける長谷川に「…もういいじゃねえかよ」と絶妙の間で諭すようにツッコむ渡辺にはしびれましたね。私の中では、あれで錦鯉は優勝たぐり寄せたなと思うほどです。

 そしてモグライダー。地下お笑い界ではアドリブ感満載のネタで名を馳せてきた彼らが、M-1用に満を持して磨き上げたのが「美川憲一の『さそり座の女』」ネタでした。どういうネタかはもう公式動画を見てもらうとしてw ポンコツなともしげのスリリングなボケに豊富な語彙でツッコむ芝。ネット上では「モグライダーが後半の出番なら最終決戦行けたのに…」という悔しさ混じりの賛辞であふれました。私もつい、美川憲一ご本人の歌唱動画をあさっているところですw

 最後に真空ジェシカ慶應義塾大学青山学院大学という名門で学び、学生お笑いで名を馳せた2人が結成したコンビです。「芸能人が一日市長をする」という意外と前例のない設定で川北、ガクの2人がコント漫才をするのですが、とりわけ心に残ったのは一日市長(ガク)と10日副市長w(川北)が和菓子屋に寄ってまんじゅうをいただくシーン。和菓子屋のおばあちゃんが二進法のハンドサインを送ったことにより、彼女が理系出身だと察するシーンがあります。この場面は心に刺さるというか、考えさせるものがありましたね。女性の研究職というのは世界的にも、そして歴史的にも差別されてきましたから。現代においても、女性の研究者は自身の結婚・出産・育児により研究の障害に直面せざるを得ない現状があります。今でこそ「リケジョ」などとマスコミがもてはやす風潮はありますが、依然として女性の研究職は多くの当事者がつらい思いをしてきたのではないか。そういう気持ちにさせられた、真空ジェシカの「理系のおばあちゃん」ネタでした。

 

 ほかの組の講評については、また後日にしたいと思います。ただ個人的には、マヂカルラヴリーが優勝した前回大会よりは満足度が高かったですね。

 端的に言えば、錦鯉の2人が素晴らしかった。改めて祝福を送ります。

第5回大会の採点結果を発表します

 どうもです。テレビを見ない生活をかれこれ3年半は送っている私ですが、師走の忙しさの合間を縫って←えらそーw、配信でTHE W2021の模様を視聴しました。

 ご承知のように優勝はオダウエダ。昨年、吉住の涙の優勝コメントを泣きながら見ていた植田の姿を思い出します。今回の最終決戦ーAマッソ、新設の国民投票枠で選ばれた天才ピアニスト、そしてオダウエダによるたたかいの結果はネット上で大荒れとなりましたが、オダウエダにとってはまさに会心のリベンジとなったと言えましょう。

 でまあ、ここからは配信を見ての、私のTHE W2021の各ネタの採点結果を発表します。番組でのノックアウト方式と異なり、M-1グランプリキングオブコントR-1グランプリと同様の100点満点で採点してみました。

◆Aブロック

ヨネダ2000 90

紅しょうが 89

茶々    91

TEAM BANANA 88

オダウエダ 87

M-1準決勝まで駒を進め、一挙にお笑い界で時の人となったヨネダ2000。テレビでネタ初披露という大舞台で、M-1の3回戦ネタの「謝罪の練習」をかけました。テレビで初ネタとは思えない堂々としたステージングでしたが、M-1でウケた終盤部分を改変したのはもったいなかったかなと。

 2番手は昨年準優勝の紅しょうが。ツッコミの稲田にフィーチャーしたという触れ込みの寿司屋デートネタを披露しましたが、やはり熊元プロレスの圧に頼っているかなと感じて、ヨネダより1点減点しました。

 3番手は芸歴2年目のピン芸人、茶々。彼女は、個人的にはAブロックの台風の目でしたね。電車の目の前にいる母子に延々とモノボケをする若い女性を演じる茶々、そして衝撃のオチ。見返すと笑いより恐怖が先に立つという異質な一人芝居で、私はAブロックで最高得点をつけました。

 4番手は2年連続のTEAM BANANA。彼女たちのネタは女性が女性の悪口を言う内容のイメージがあり、あまり好感を持っていませんでしたが、今回はおっさんにも刃を向けていてその点は見直しましたね。

 Aブロックラストはオダウエダ。焼き鳥屋を舞台に「ハツの就活」「ぼんじりの判決」という奇想天外なメニューが紹介され、客が食事にありつけない展開。前年の「監禁された女性が犯人の目玉を引っ張る」というネタよりはかなり大衆性のあるネタでしたが、その分パワーが減ったかなと思いブロックの最低点をつけました。

◆Bブロック

天才ピアニスト 92

女ガールズ   88

ヒコロヒー   87

スパイク    89

Aマッソ    93

※このBブロックで猛威を振るったのは、トップバッターで上沼恵美子のものまねを得意とする天才ピアニスト。「2人1組でドアの強度を調査する仕事」という突飛な設定を、ますみの老かいな演技力でカバーする手堅い内容からこの時点の最高である92点をつけました。

 2番手は京都・宇治市役所勤務の職員がリーダー格を務めるアマチュアの女ガールズ。ゴールデンでのネタ披露に萎縮しないか心配しましたが、決勝前にマスコミに取り上げられたことがいい方に作用したのか、堂々とトリオ漫才をやり切りました。

 そして3番手は今年のバラエティー界を席巻(せっけん)したヒコロヒー。大学を卒業後に音楽の道へ進もうとする息子を説得する、という込み入った設定の一人コントを披露しましたが、緊張からかセリフのとちりが目立ち、大会唯一の完封負けを喫しました。

 4番手は前回、決勝に選ばれながら新型コロナ感染で欠場の涙を飲んだスパイク。彼女たちのネタは10年以上前に、今はなき「爆笑オンエアバトル」で漫才を見ましたが、今回はクラブを舞台にボケの小川が憑依系の演技に挑戦。一皮むけた姿を見せ、前年の借りを少しは返せたように見えましたね。

 そしてラストは前回、ゆりやんレトリィバァとの死闘に敗れたAマッソ。今回は電話対応を巡る上司と部下、というシンプルな設定のコントに挑みました。それまでの組にはみられなかった加納のキレツッコミが決まり、最高得点をつけることにしました。

 

◆最終決戦

Aマッソ    89

天才ピアニスト 88

オダウエダ   91

※ブロック戦を勝ち抜いたオダウエダとAマッソ。そして国民投票枠に選出された天才ピアニストによる3組の最終決戦は、既に伝えられたように大荒れの結果となりました。

 Aマッソは昨年と同じ映像漫才を披露。個人的には平野レミが出てくるあたりが笑いのピークで、長渕剛のくだりは蛇足に見えたかなと。

 天才ピアニストはレジを舞台に繰り広げられる「きょうの献立クイズ」ネタ。一つのネタとしてみると水準を大きく超えた質だと思いましたが、最終決戦にかけるネタとしてみると迫力不足かなと感じました。

 そして大トリのオダウエダ。同僚の若い女性(小田)をストーカーする中年男性(植田)…と見せかけておいての展開の裏切り、そして小道具を惜しみなく使ったボケのたたみかけが冴えました。

 ふたを開けてみれば昨年のM-1最終決戦と同様に3−2−2の大接戦。オダウエダの優勝にはかなりの異論が上がりましたが、私は妥当な結果だと考えています。天才ピアニストやAマッソの当人も最終決戦のオダウエダにはSNSで脱帽したようなコメントをしており、そのあたりは救われた感じがしますね。

 

 さて、日付は12月19日。昼を過ぎれば漫才の日本最高峰を決めるM-1グランプリの敗者復活戦が行われ、夜には本戦が行われます。THE Wの決勝では涙をのんだヨネダ2000は敗者復活でどこまで食らいつくのか。そしてマヂカルラブリーに続く今年の優勝者は誰なのか。今から楽しみにしています。

第5回大会決勝の行方を予想する

 早いもんですね、もう師走ですw

 さすがにM-1ほどの「国民的行事」とは行きませんが、5回目ともなれば師走の恒例行事になりつつあるのではないでしょうか。女性芸人の日本一を決める日本テレビ「THE W」の決勝進出者が、このほど出そろいました。

 名誉ある選ばれし10組は、以下の通りです。敬称略。カッコ内は所属事務所と決勝出場回数を表示。

◆Aブロック(出場順)

ヨネダ2000(吉本初)

紅しょうが(吉本2年連続3回目)

茶々(吉本初)

TEAM BANANA(吉本2年連続2回目)

オダウエダ(吉本2年連続2回目)

◆Bブロック(同)

天才ピアニスト(吉本初)

女ガールズ(アマチュア初)

ヒコロヒー(松竹初)

スパイク(吉本初)※

Aマッソ(ワタナベ2年連続2回目)

※スパイクは昨年の大会で決勝進出したものの、新型コロナ感染により出場辞退

 2年連続は5組、初出場は5組。最多出場のファイナリストは昨年準優勝の紅しょうがという顔ぶれです。

 ちなみに拙ブログでは、2回戦の時点で今年のファイナリストを予想するという無謀なw記事を書きました。予想は6組的中。記事のURLはこちら。→

https://engeishamrock.hatenablog.com/entry/2021/09/04/034344

 今年のファイナリストの傾向としては、何より圧倒的巨大な芸人事務所たる吉本所属の組が多いことでしょうか。アマチュアという枠組みでカウントされているトリオ・女ガールズの一人は吉本俳優部所属であることから、実質的に8組が吉本芸人で決勝を占めたと言うこともできましょう。M-1キングオブコントと遜色ない割合ですね。

 このあたりは、吉本所属の女性漫才コンビの層が厚くなってきたことも関係しているのかもしれません。私がファイナリストに予想したハイツ友の会やギャル漫才のエルフは、THE Wの決勝こそ逃したもののM-1の準々決勝に進出。そして何よりM-1の準決勝の舞台に、キャリア3年ながらヨネダ2000が超新星の如く駆け上がってもいます。そういう意味では、今年のTHE W決勝は女性コンビの漫才の到達点を堪能する大会と言って良いかもしれませんね。

 

 さて、ここからは今年の大会結果を予想します。大会公式によれば、今年も10組をA・Bブロックに分け、各ブロックの暫定1位を審査していく形式のようです。

 過去2大会のようにノックダウン方式を取るのか、それともM-1やKOCのように持ち点100点で各審査員が採点するのかは定かではありませんが、この記事では従来通りのノックダウン方式での予想をします。また今大会からは審査員を7人に増やし(詳細は後日発表)、新たに各ブロック1位から漏れた組を1組視聴者投票で選出する「国民投票枠」を設けるもよう。つまり最終決戦は3組の争いとなります。

 それを踏まえて各ブロック戦、国民投票枠、最終決戦の結果予想を以下に書いてみました。ご笑覧ください。

◆Aブロック

ヨネダ2000○☓●紅しょうが

ヨネダ2000○☓●茶々

ヨネダ2000●☓○TEAM BANANA

TEAM BANANA○☓●オダウエダ

勝者 TEAM BANANA

※このブロックの台風の目はなんと言ってもヨネダ。既にM-1準決勝進出を決めお笑い通の話題を独占していた彼女たち。11月27日のTHE Wファイナリスト記者会見では、メンバーの清水が意気込みを聞かれ「関係ないことを言っていいなら、砂漠でラクダに化粧水をつけたい」などと人を食った回答を披露し、大物ぶりを見せました。このヨネダがトップバッターで猛威を振るい、昨年準優勝の紅しょうが、後輩に当たるピン芸人茶々を一蹴するのではないか。しかし2年連続決勝組で正統派漫才師として鳴らすチーバナが連勝を意地で阻止。ブロック最後はオダウエダと2年連続の対戦となるも、前回勝った相性の良さを生かしてチーバナがブロック1位をかちとるのではないか。私はそうみています。

◆Bブロック

天才ピアニスト○☓●女ガールズ

天才ピアニスト○☓●ヒコロヒー

天才ピアニスト●☓○スパイク

スパイク●☓○Aマッソ

※メンバーの上沼恵美子ものまねで名前を売りつつ、漫才の腕を磨いて見事にW決勝をゲットした天才ピアニスト。まずアマチュア枠の女ガールズをものともせず、そしてバラエティー界を席巻するヒコロヒーをも退ける快進撃を見せると思う。しかし昨年、新型コロナ感染でターリーターキー決勝枠を譲ったスパイクが奮起。天才ピアニストを退けてブロック1位に王手をかけるも、昨年ゆりやんレトリィバァとの死闘に敗れたAマッソが満を持して登場し、逆転勝ちを果たすとみている。

国民投票枠→ヨネダ2000

※そして視聴者投票による国民投票枠。どういう投票結果となるかは未知数だが、トップバッターとして異彩を放ったヨネダがお笑い通や通りすがりの視聴者の心をつかみ、最終決戦に駒を進めるとみている。

 よって私は、最終決戦がTEAM BANANAAマッソ、そしてヨネダ2000の3組で争われると予想する。そして最終決戦の予想は以下の通りだ。

◆最終決戦

優勝 Aマッソ

準優勝 ヨネダ2000

3位 TEAM BANANA

※最終決戦は、やはりヨネダが台風の目だとみている。M-1準決勝に進出しお笑い通を虜にしているその才能、その若さゆえの勢いで最終決戦という場を荒らしまくるのではないか。そんな大荒れの最終決戦、尖った芸風の先輩として女性芸人界を牽引(けんいん)してきたAマッソが傷だらけの末に制するのではと私は予想する。しかし大会終了後、ネットメディアやお笑い通は準優勝のヨネダを称賛。Aマッソは「試合に勝って、勝負に負けた」て感じになるのではないか。M-1の2008年大会のNON STYLE、オードリーの関係に似てくるみたいな。

 

 決勝大会の生放送は日本テレビ系で12月13日。当たるも八卦、当たらぬも八卦。私の拙い予想がどうなるか、ぜひ多くの皆さんにその行方を見守っていただきたい次第である。

気が超早いが2021年大会ファイナリストを予想する

 この間バタバタしていたが、8月下旬に女性芸人の日本一を決める大会「THE W」(日本系)の2回戦進出者が決定したらしい。進出者を発表した表はこちら

 ざっと進出者の一覧を見渡したところ、今大会は実績のある女性芸人の欠場が目立つように思う。過去のチャンピオンで言えば今年の新生R-1を制したゆりやんレトリィバァ、前回の吉住はじめ阿佐ヶ谷姉妹3時のヒロインなど歴代のTHE W王者はシードにも姿を現していない。第2回準優勝で第2子を妊娠中の横澤夏子、複数回のファイナリスト(第1回、第2回)を経験しているニッチェ、そして前回ファイナリストのぼる塾も同様に欠場している。

 その客観的事実にかんがみれば、今年のTHE Wはよく言えば群雄割拠、悪く言えば本命不在の大会となるだろう。エントリーすればかなりの確率で決勝に駒を進め、大会を盛り上げる実力者がこれだけ不在となると、大会のレベル低下を危惧してしまう。

 しかし改めて2回戦進出者の表を見てみると、そうした危機感を杞憂の如く払ってくれそうなメンツも出そろってはいるのだ。前置きが長くなり過ぎたがw、この記事ではどこよりも気が早くw第5回THE Wのファイナリストを予想しようと思う。

 過去の大会と同様に10組を個人的に選出してみた。敬称略。カッコ内は所属事務所と出場回数。

 

あっぱれ婦人会(SMA初)

Aマッソ(ワタナベ2年連続2回目)

オダウエダ(吉本2年連続2回目)

カニササレアヤコ(サンミュージック初)

スパイク(吉本2年連続2回目)

天才ピアニスト(吉本初)

ハイツ友の会(吉本初)

ヒコロヒー(松竹初)

紅しょうが(吉本2年連続3回目)

変ホ長調(アマチュア初)

 

 うむ、われながら結構冒険した予想だと思うよw あっぱれ婦人会は今年のキングオブコント(KOC)で準々決勝敗退したものの、予選でゴリゴリに受けたことが評判になったコンビ。THE Wでは台風の目となるのではないか。

 もう1組、私が台風の目と予想するのは変ホ長調。中断期間をカウントしても20年の歴史を誇るM-1グランプリにおいて、アマチュアで決勝に駒を進めたのは彼女たちだけ(2006年第6回大会、結果は8位)。昨年の敗退でM-1の参加資格(コンビ結成15年)を失ってしまったが、それでたまったうっぷんをTHE Wで晴らす可能性は十分にある。

 昨年準優勝の紅しょうが、ゆりやんとの名勝負を演じたAマッソ、前回笑い飯哲夫に絶賛されたオダウエダは2年連続で決勝の晴れ舞台を踏むと予想。昨年、ファイナリストに選ばれながらコロナ感染により涙をのんだスパイクも雪辱の可能性が高いとみている。

 ここからはさらに私の個人的な好みが関係するチョイスだが、まずカニササレアヤコ。実は2回戦進出者の表を見て、一番驚いたのは彼女である。R-1ぐらんぷり2018ファイナリスト。最終決戦に駒を進められなかったものの、独特な雅楽ネタは鮮烈な印象を残した。今回はTHE Wでどんな新ネタをみせてくれるのかという期待がある。

 お笑い界の「女帝」たる上沼恵美子のものまねをネタに取り入れてきた天才ピアニスト。彼女たちも、そろそろ賞レースのファイナリストという形で報われそうな気がする。

 そしてハイツ友の会。キャリアで言えば2019年結成、まだ3年目という若手である。しかしこのコンビはナイツ塙が激賞もしている。漫才の世界最高峰を決めるM-1のプレーヤーとしても、審査員としても名を残す塙の肝いりとなれば、そのポテンシャルに期待しないわけに行かないだろう。

 そして最後はヒコロヒー。ここ数年、松竹芸能所属の女性ピン芸人の躍進は目覚ましかった。前田敦子ものまねのキンタロー。は言うに及ばずTHE W3年連続、R-1に2年連続ファイナリストの紺野ぶるま、R-1に2年連続の決勝入りを果たした河邑ミクなど。

 同じく松竹所属のヒコロヒーは、そのコント師としての実力を十分に認められていても結果が伴ってこなかった。伝説の「爆笑オンエアバトル」復活特番も次点でオフエア。今年の新生R-1も準決勝で敗退したが、元ピーマンズスタンダードみなみかわとのジェンダー漫才は昨年のM-1で準々決勝まで進出するなど好評を博した。

 ネタのみならず、ヒコロヒーはネットテレビ番組で「ママレードボーイ幻の最終回」のフリップネタを披露し、千鳥ノブと丁々発止のやりとりもした。これだけ書けば、ヒコロヒーがいかに地上波テレビでのブレイク待ちかということを分かってもらえるだろうw

 そんなわけで(どんなわけ?)、今年のTHE Wは本命不在の前評判を覆して名勝負を展開するものとみている。この5年間、30年近く前の松本人志に「女はお笑いに向かない」と呪いをかけられながらも、女性芸人はコロナ禍をものともせずに爪を研いできた。

 コロナ問題が表面化して2年近くたっても、いまだに収束の目を見ないのは予想外そのものだったろう。女性芸人の日本一をかけたたたかいに参戦する女性芸人さんたちには、おこがましいのは承知だが賞レースから撤退した人たちに思いをはせて今後の予選にベストを尽くしてほしいと願う次第である。