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第5回大会の採点結果を発表します

 どうもです。テレビを見ない生活をかれこれ3年半は送っている私ですが、師走の忙しさの合間を縫って←えらそーw、配信でTHE W2021の模様を視聴しました。

 ご承知のように優勝はオダウエダ。昨年、吉住の涙の優勝コメントを泣きながら見ていた植田の姿を思い出します。今回の最終決戦ーAマッソ、新設の国民投票枠で選ばれた天才ピアニスト、そしてオダウエダによるたたかいの結果はネット上で大荒れとなりましたが、オダウエダにとってはまさに会心のリベンジとなったと言えましょう。

 でまあ、ここからは配信を見ての、私のTHE W2021の各ネタの採点結果を発表します。番組でのノックアウト方式と異なり、M-1グランプリキングオブコントR-1グランプリと同様の100点満点で採点してみました。

◆Aブロック

ヨネダ2000 90

紅しょうが 89

茶々    91

TEAM BANANA 88

オダウエダ 87

M-1準決勝まで駒を進め、一挙にお笑い界で時の人となったヨネダ2000。テレビでネタ初披露という大舞台で、M-1の3回戦ネタの「謝罪の練習」をかけました。テレビで初ネタとは思えない堂々としたステージングでしたが、M-1でウケた終盤部分を改変したのはもったいなかったかなと。

 2番手は昨年準優勝の紅しょうが。ツッコミの稲田にフィーチャーしたという触れ込みの寿司屋デートネタを披露しましたが、やはり熊元プロレスの圧に頼っているかなと感じて、ヨネダより1点減点しました。

 3番手は芸歴2年目のピン芸人、茶々。彼女は、個人的にはAブロックの台風の目でしたね。電車の目の前にいる母子に延々とモノボケをする若い女性を演じる茶々、そして衝撃のオチ。見返すと笑いより恐怖が先に立つという異質な一人芝居で、私はAブロックで最高得点をつけました。

 4番手は2年連続のTEAM BANANA。彼女たちのネタは女性が女性の悪口を言う内容のイメージがあり、あまり好感を持っていませんでしたが、今回はおっさんにも刃を向けていてその点は見直しましたね。

 Aブロックラストはオダウエダ。焼き鳥屋を舞台に「ハツの就活」「ぼんじりの判決」という奇想天外なメニューが紹介され、客が食事にありつけない展開。前年の「監禁された女性が犯人の目玉を引っ張る」というネタよりはかなり大衆性のあるネタでしたが、その分パワーが減ったかなと思いブロックの最低点をつけました。

◆Bブロック

天才ピアニスト 92

女ガールズ   88

ヒコロヒー   87

スパイク    89

Aマッソ    93

※このBブロックで猛威を振るったのは、トップバッターで上沼恵美子のものまねを得意とする天才ピアニスト。「2人1組でドアの強度を調査する仕事」という突飛な設定を、ますみの老かいな演技力でカバーする手堅い内容からこの時点の最高である92点をつけました。

 2番手は京都・宇治市役所勤務の職員がリーダー格を務めるアマチュアの女ガールズ。ゴールデンでのネタ披露に萎縮しないか心配しましたが、決勝前にマスコミに取り上げられたことがいい方に作用したのか、堂々とトリオ漫才をやり切りました。

 そして3番手は今年のバラエティー界を席巻(せっけん)したヒコロヒー。大学を卒業後に音楽の道へ進もうとする息子を説得する、という込み入った設定の一人コントを披露しましたが、緊張からかセリフのとちりが目立ち、大会唯一の完封負けを喫しました。

 4番手は前回、決勝に選ばれながら新型コロナ感染で欠場の涙を飲んだスパイク。彼女たちのネタは10年以上前に、今はなき「爆笑オンエアバトル」で漫才を見ましたが、今回はクラブを舞台にボケの小川が憑依系の演技に挑戦。一皮むけた姿を見せ、前年の借りを少しは返せたように見えましたね。

 そしてラストは前回、ゆりやんレトリィバァとの死闘に敗れたAマッソ。今回は電話対応を巡る上司と部下、というシンプルな設定のコントに挑みました。それまでの組にはみられなかった加納のキレツッコミが決まり、最高得点をつけることにしました。

 

◆最終決戦

Aマッソ    89

天才ピアニスト 88

オダウエダ   91

※ブロック戦を勝ち抜いたオダウエダとAマッソ。そして国民投票枠に選出された天才ピアニストによる3組の最終決戦は、既に伝えられたように大荒れの結果となりました。

 Aマッソは昨年と同じ映像漫才を披露。個人的には平野レミが出てくるあたりが笑いのピークで、長渕剛のくだりは蛇足に見えたかなと。

 天才ピアニストはレジを舞台に繰り広げられる「きょうの献立クイズ」ネタ。一つのネタとしてみると水準を大きく超えた質だと思いましたが、最終決戦にかけるネタとしてみると迫力不足かなと感じました。

 そして大トリのオダウエダ。同僚の若い女性(小田)をストーカーする中年男性(植田)…と見せかけておいての展開の裏切り、そして小道具を惜しみなく使ったボケのたたみかけが冴えました。

 ふたを開けてみれば昨年のM-1最終決戦と同様に3−2−2の大接戦。オダウエダの優勝にはかなりの異論が上がりましたが、私は妥当な結果だと考えています。天才ピアニストやAマッソの当人も最終決戦のオダウエダにはSNSで脱帽したようなコメントをしており、そのあたりは救われた感じがしますね。

 

 さて、日付は12月19日。昼を過ぎれば漫才の日本最高峰を決めるM-1グランプリの敗者復活戦が行われ、夜には本戦が行われます。THE Wの決勝では涙をのんだヨネダ2000は敗者復活でどこまで食らいつくのか。そしてマヂカルラブリーに続く今年の優勝者は誰なのか。今から楽しみにしています。

第5回大会決勝の行方を予想する

 早いもんですね、もう師走ですw

 さすがにM-1ほどの「国民的行事」とは行きませんが、5回目ともなれば師走の恒例行事になりつつあるのではないでしょうか。女性芸人の日本一を決める日本テレビ「THE W」の決勝進出者が、このほど出そろいました。

 名誉ある選ばれし10組は、以下の通りです。敬称略。カッコ内は所属事務所と決勝出場回数を表示。

◆Aブロック(出場順)

ヨネダ2000(吉本初)

紅しょうが(吉本2年連続3回目)

茶々(吉本初)

TEAM BANANA(吉本2年連続2回目)

オダウエダ(吉本2年連続2回目)

◆Bブロック(同)

天才ピアニスト(吉本初)

女ガールズ(アマチュア初)

ヒコロヒー(松竹初)

スパイク(吉本初)※

Aマッソ(ワタナベ2年連続2回目)

※スパイクは昨年の大会で決勝進出したものの、新型コロナ感染により出場辞退

 2年連続は5組、初出場は5組。最多出場のファイナリストは昨年準優勝の紅しょうがという顔ぶれです。

 ちなみに拙ブログでは、2回戦の時点で今年のファイナリストを予想するという無謀なw記事を書きました。予想は6組的中。記事のURLはこちら。→

https://engeishamrock.hatenablog.com/entry/2021/09/04/034344

 今年のファイナリストの傾向としては、何より圧倒的巨大な芸人事務所たる吉本所属の組が多いことでしょうか。アマチュアという枠組みでカウントされているトリオ・女ガールズの一人は吉本俳優部所属であることから、実質的に8組が吉本芸人で決勝を占めたと言うこともできましょう。M-1キングオブコントと遜色ない割合ですね。

 このあたりは、吉本所属の女性漫才コンビの層が厚くなってきたことも関係しているのかもしれません。私がファイナリストに予想したハイツ友の会やギャル漫才のエルフは、THE Wの決勝こそ逃したもののM-1の準々決勝に進出。そして何よりM-1の準決勝の舞台に、キャリア3年ながらヨネダ2000が超新星の如く駆け上がってもいます。そういう意味では、今年のTHE W決勝は女性コンビの漫才の到達点を堪能する大会と言って良いかもしれませんね。

 

 さて、ここからは今年の大会結果を予想します。大会公式によれば、今年も10組をA・Bブロックに分け、各ブロックの暫定1位を審査していく形式のようです。

 過去2大会のようにノックダウン方式を取るのか、それともM-1やKOCのように持ち点100点で各審査員が採点するのかは定かではありませんが、この記事では従来通りのノックダウン方式での予想をします。また今大会からは審査員を7人に増やし(詳細は後日発表)、新たに各ブロック1位から漏れた組を1組視聴者投票で選出する「国民投票枠」を設けるもよう。つまり最終決戦は3組の争いとなります。

 それを踏まえて各ブロック戦、国民投票枠、最終決戦の結果予想を以下に書いてみました。ご笑覧ください。

◆Aブロック

ヨネダ2000○☓●紅しょうが

ヨネダ2000○☓●茶々

ヨネダ2000●☓○TEAM BANANA

TEAM BANANA○☓●オダウエダ

勝者 TEAM BANANA

※このブロックの台風の目はなんと言ってもヨネダ。既にM-1準決勝進出を決めお笑い通の話題を独占していた彼女たち。11月27日のTHE Wファイナリスト記者会見では、メンバーの清水が意気込みを聞かれ「関係ないことを言っていいなら、砂漠でラクダに化粧水をつけたい」などと人を食った回答を披露し、大物ぶりを見せました。このヨネダがトップバッターで猛威を振るい、昨年準優勝の紅しょうが、後輩に当たるピン芸人茶々を一蹴するのではないか。しかし2年連続決勝組で正統派漫才師として鳴らすチーバナが連勝を意地で阻止。ブロック最後はオダウエダと2年連続の対戦となるも、前回勝った相性の良さを生かしてチーバナがブロック1位をかちとるのではないか。私はそうみています。

◆Bブロック

天才ピアニスト○☓●女ガールズ

天才ピアニスト○☓●ヒコロヒー

天才ピアニスト●☓○スパイク

スパイク●☓○Aマッソ

※メンバーの上沼恵美子ものまねで名前を売りつつ、漫才の腕を磨いて見事にW決勝をゲットした天才ピアニスト。まずアマチュア枠の女ガールズをものともせず、そしてバラエティー界を席巻するヒコロヒーをも退ける快進撃を見せると思う。しかし昨年、新型コロナ感染でターリーターキー決勝枠を譲ったスパイクが奮起。天才ピアニストを退けてブロック1位に王手をかけるも、昨年ゆりやんレトリィバァとの死闘に敗れたAマッソが満を持して登場し、逆転勝ちを果たすとみている。

国民投票枠→ヨネダ2000

※そして視聴者投票による国民投票枠。どういう投票結果となるかは未知数だが、トップバッターとして異彩を放ったヨネダがお笑い通や通りすがりの視聴者の心をつかみ、最終決戦に駒を進めるとみている。

 よって私は、最終決戦がTEAM BANANAAマッソ、そしてヨネダ2000の3組で争われると予想する。そして最終決戦の予想は以下の通りだ。

◆最終決戦

優勝 Aマッソ

準優勝 ヨネダ2000

3位 TEAM BANANA

※最終決戦は、やはりヨネダが台風の目だとみている。M-1準決勝に進出しお笑い通を虜にしているその才能、その若さゆえの勢いで最終決戦という場を荒らしまくるのではないか。そんな大荒れの最終決戦、尖った芸風の先輩として女性芸人界を牽引(けんいん)してきたAマッソが傷だらけの末に制するのではと私は予想する。しかし大会終了後、ネットメディアやお笑い通は準優勝のヨネダを称賛。Aマッソは「試合に勝って、勝負に負けた」て感じになるのではないか。M-1の2008年大会のNON STYLE、オードリーの関係に似てくるみたいな。

 

 決勝大会の生放送は日本テレビ系で12月13日。当たるも八卦、当たらぬも八卦。私の拙い予想がどうなるか、ぜひ多くの皆さんにその行方を見守っていただきたい次第である。

気が超早いが2021年大会ファイナリストを予想する

 この間バタバタしていたが、8月下旬に女性芸人の日本一を決める大会「THE W」(日本系)の2回戦進出者が決定したらしい。進出者を発表した表はこちら

 ざっと進出者の一覧を見渡したところ、今大会は実績のある女性芸人の欠場が目立つように思う。過去のチャンピオンで言えば今年の新生R-1を制したゆりやんレトリィバァ、前回の吉住はじめ阿佐ヶ谷姉妹3時のヒロインなど歴代のTHE W王者はシードにも姿を現していない。第2回準優勝で第2子を妊娠中の横澤夏子、複数回のファイナリスト(第1回、第2回)を経験しているニッチェ、そして前回ファイナリストのぼる塾も同様に欠場している。

 その客観的事実にかんがみれば、今年のTHE Wはよく言えば群雄割拠、悪く言えば本命不在の大会となるだろう。エントリーすればかなりの確率で決勝に駒を進め、大会を盛り上げる実力者がこれだけ不在となると、大会のレベル低下を危惧してしまう。

 しかし改めて2回戦進出者の表を見てみると、そうした危機感を杞憂の如く払ってくれそうなメンツも出そろってはいるのだ。前置きが長くなり過ぎたがw、この記事ではどこよりも気が早くw第5回THE Wのファイナリストを予想しようと思う。

 過去の大会と同様に10組を個人的に選出してみた。敬称略。カッコ内は所属事務所と出場回数。

 

あっぱれ婦人会(SMA初)

Aマッソ(ワタナベ2年連続2回目)

オダウエダ(吉本2年連続2回目)

カニササレアヤコ(サンミュージック初)

スパイク(吉本2年連続2回目)

天才ピアニスト(吉本初)

ハイツ友の会(吉本初)

ヒコロヒー(松竹初)

紅しょうが(吉本2年連続3回目)

変ホ長調(アマチュア初)

 

 うむ、われながら結構冒険した予想だと思うよw あっぱれ婦人会は今年のキングオブコント(KOC)で準々決勝敗退したものの、予選でゴリゴリに受けたことが評判になったコンビ。THE Wでは台風の目となるのではないか。

 もう1組、私が台風の目と予想するのは変ホ長調。中断期間をカウントしても20年の歴史を誇るM-1グランプリにおいて、アマチュアで決勝に駒を進めたのは彼女たちだけ(2006年第6回大会、結果は8位)。昨年の敗退でM-1の参加資格(コンビ結成15年)を失ってしまったが、それでたまったうっぷんをTHE Wで晴らす可能性は十分にある。

 昨年準優勝の紅しょうが、ゆりやんとの名勝負を演じたAマッソ、前回笑い飯哲夫に絶賛されたオダウエダは2年連続で決勝の晴れ舞台を踏むと予想。昨年、ファイナリストに選ばれながらコロナ感染により涙をのんだスパイクも雪辱の可能性が高いとみている。

 ここからはさらに私の個人的な好みが関係するチョイスだが、まずカニササレアヤコ。実は2回戦進出者の表を見て、一番驚いたのは彼女である。R-1ぐらんぷり2018ファイナリスト。最終決戦に駒を進められなかったものの、独特な雅楽ネタは鮮烈な印象を残した。今回はTHE Wでどんな新ネタをみせてくれるのかという期待がある。

 お笑い界の「女帝」たる上沼恵美子のものまねをネタに取り入れてきた天才ピアニスト。彼女たちも、そろそろ賞レースのファイナリストという形で報われそうな気がする。

 そしてハイツ友の会。キャリアで言えば2019年結成、まだ3年目という若手である。しかしこのコンビはナイツ塙が激賞もしている。漫才の世界最高峰を決めるM-1のプレーヤーとしても、審査員としても名を残す塙の肝いりとなれば、そのポテンシャルに期待しないわけに行かないだろう。

 そして最後はヒコロヒー。ここ数年、松竹芸能所属の女性ピン芸人の躍進は目覚ましかった。前田敦子ものまねのキンタロー。は言うに及ばずTHE W3年連続、R-1に2年連続ファイナリストの紺野ぶるま、R-1に2年連続の決勝入りを果たした河邑ミクなど。

 同じく松竹所属のヒコロヒーは、そのコント師としての実力を十分に認められていても結果が伴ってこなかった。伝説の「爆笑オンエアバトル」復活特番も次点でオフエア。今年の新生R-1も準決勝で敗退したが、元ピーマンズスタンダードみなみかわとのジェンダー漫才は昨年のM-1で準々決勝まで進出するなど好評を博した。

 ネタのみならず、ヒコロヒーはネットテレビ番組で「ママレードボーイ幻の最終回」のフリップネタを披露し、千鳥ノブと丁々発止のやりとりもした。これだけ書けば、ヒコロヒーがいかに地上波テレビでのブレイク待ちかということを分かってもらえるだろうw

 そんなわけで(どんなわけ?)、今年のTHE Wは本命不在の前評判を覆して名勝負を展開するものとみている。この5年間、30年近く前の松本人志に「女はお笑いに向かない」と呪いをかけられながらも、女性芸人はコロナ禍をものともせずに爪を研いできた。

 コロナ問題が表面化して2年近くたっても、いまだに収束の目を見ないのは予想外そのものだったろう。女性芸人の日本一をかけたたたかいに参戦する女性芸人さんたちには、おこがましいのは承知だが賞レースから撤退した人たちに思いをはせて今後の予選にベストを尽くしてほしいと願う次第である。

『川尻こだまのただれた生活』&宮尾すすむと日本の社長「座敷妻」

 Kindleで漫画「川尻こだまのただれた生活」既刊3巻分を購入した。川尻は新進気鋭の漫画家として、twitter上を席巻(せっけん)している。

 1日1枚のペースで、30万近くのフォロワー(私も彼女をフォローしている)がいるtwitterに日常漫画をアップし、万単位の「いいね」をもらう生活を川尻は送っている。その活躍は「次にくるマンガ大賞2021」のWebマンガ部門にノミネートされるほどの注目を集めている。(「次にくるマンガ大賞2021」の選考結果は8月24日に発表)

 

 川尻の漫画の魅力を拙いながらも語るとすれば「地に足がついていながらもミステリアス」。そんな作風と言えようか。

 Kindleの単行本を読めば分かるように、川尻とスーパー「いなげや」の関係は深い。自宅から徒歩2分の「いなげや」のヘビーユーザーである川尻は、隙(すき)あらば同店の商品を勧めてくる。友人男性の大野と「いなげや」を来店し、彼からお勧めを聞かれて鶏のげんこつ揚げを「デカくて油っこくておいしい」、パリパリ春巻きを「ボリューミーで油っこくておいしい」と同じ文言を重ねてアピールするも一蹴されるさまには哀愁がある。(1巻29ページ)

 しかし私が着目するのは、そうした所帯じみたエピソードを連打してくるにもかかわらず、川尻のミステリアスなイメージが維持されていることだ。「いなげや」が好き、酒が好き、甘いものもしょっぱいものも好き。そうした情報はtwitter上の漫画でなんぼでも得られるが、川尻は自身の個人情報に関する決定的な情報やイメージを一貫して与えていないように感じる。

 川尻について報じたこちらのネット記事。この記事によると、川尻はフリーランスの作詞家でありお天気プランナーのようだ。そんな情報、彼女のtwitter漫画で感じ取ることができたか? その一点だけでも、私は川尻の底知れぬミステリアスさを戦慄を持って受け止めている。

 

 話変わってw 川尻の漫画は自身の食生活や睡眠に関するあるあるが多いのだが、個人的にはテーマになることの少ない芸能関係のエピソードに着目している。最初期の作品らしい「『アンナチュラル』劇中で米津玄師『Lemon』が挿入されるタイミング」(1巻41ページ)とか、広瀬すずの宣材写真に空想を膨らませる話(3巻9ページ)とかね。

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(『川尻こだまのただれた生活』3巻9ページから)

 川尻が、広瀬がラーメンをすする(彼女のイヤリングがスープにつかる)のを空想するシーンは、特に私のお気に入りだ。似顔絵もそっくりだし、広瀬本人が川尻のこの漫画を目にしたら少なからず喜ぶのではないか。てなわけで、川尻には「カトリーヌあやこ」的な芸能誌のイラスト関係で仕事を入れてほしいところだ。あ、そういや米津って紅白出場を機に広瀬すずに花束を贈っていたっけね…というネタは置いておくとしてw

 

 さて、そろそろ記事の締めに入るw 川尻の単行本タイトルが『川尻こだまのただれた生活』だと聞いて、私はあるバンドの楽曲を思い出した次第だ。

www.youtube.com

宮尾すすむと日本の社長「座敷妻」から)

 そのバンドとは、宮尾すすむと日本の社長。学生バンドとして当時のモンスター番組「三宅裕司イカすバンド天国イカ天)」(TBS系)に殴り込み、第10代チャンピオンとして名を馳せた。オリジナル曲を発祥とする「二枚でどうだ!!」のフレーズは関東ローカルながら当時の流行語となった。

 だからなんだと言われそうだが「川尻こだまのただれた生活」という単行本タイトルを聞いて、真っ先に思い出したのが宮尾すすむと日本の社長が1stアルバムに収録したタイトル「座敷妻」である。上記のyoutube映像で、4分20秒すぎになれば私のみならず、皆さんも「あー!川尻こだまのただれた生活ぅ!!!」と絶叫していただけるであろう。

 そんなわけで、私はせんえつながら宮尾すすむと日本の社長の「座敷妻」を川尻こだま氏のテーマソングに任命したい。「それはあかん!!」という批判は甘んじて受け入れます。ご指導ご鞭撻(べんたつ)のほど、何とぞよろしくお願いします。

よっしゃ「4分33秒」ネタでM-1優勝かっさらおうぜW

 漫才日本一を決める「M-1グランプリ」が今年も始まった。4回目の緊急事態宣言を発令するなど、相変わらず時の政府に足を引っ張られている日本の漫才界だが、とにかく8月1日から予選が開始する。

 何千とエントリーしている出場者は本番に向けてネタのブラッシュアップに余念がないだろうが、ことこの時点で私が出場者の皆さんに言っておきたいことがある。←さだまさし

 それは、ぜひM-1予選で4分33秒を原作にしたネタをやってほしい。そういうことだ。

 「4分33秒」は1952年に発表したジョン・ケージの作品。第3楽章からなる作品だが、特色は一切演奏がされないことにある。

 その一例は、この作品から察することができる。楽団が鎮座し、指揮者がいても演奏がされることは一切ない。聴衆のざわつきや、客席の赤ん坊が耐え切れず発したぐずり声が記録されるのみである。

 

 私はぜひ、この「4分33秒」を原作にした漫才をものにしたコンビが、予選に切り込んでほしいと切に願ったw 昨年のM-1グランプリ2020は。優勝したマヂカルラブリーのネタが「あれは漫才なのか」と論争を引き起こしたわけじゃん。

 もし今年のM-1に出場するコンビで「4分33秒」を体現するコンビがいたとしたら、それはマヂラブなど足元に及ばないレベルの論争が巻き起こると思う。そうした混沌(こんとん)がぜひ起きるべく、M-1コンビは極限まで「4分33秒」を練り上げてほしい。

 あ、「4分33秒」ネタは、ぜひとも2本完成させてほしい。2本ネタをそろえていないと、漫才師日本一を決める大会に優勝できないからね。

寺内タケシさんの訃報とビジー・フォー

 「エレキの神様」こと寺内タケシさんが亡くなった。82歳。

 「エレキ民謡」に代表される創作活動もさることながら、かつて「不良の音楽」と教育者に目くじらを立てられていたエレキを高校生に普及する取り組みにも腐心していた寺内さん。日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版にも複数回インタビュー出演し、私のような音楽素人の共産党支持者にもおなじみの人であった。ご冥福をお祈りする。

 しかし、私個人にとって寺内さんと言えば、何といってもモンスター番組「ものまね王座決定戦」(フジ系)でのビジー・フォーのネタである。1997年秋の王座で披露したエレキ民謡の代表曲「津軽じょんから節」は、寺内さんに扮したグッチ裕三の後ろで白の全身タイツのモト冬樹がギターをかき鳴らす二人羽織ネタだ。そのネタはこちらで視聴できる。

 このものまねの肝は、まずグッチのなまりを交えた寺内さんのトークであろう。訃報に際して寺内さんのことをネットでざっと調べてみたら、生前はほら吹きで有名だったらしい。当時のバンドマンはほら吹きが多かったと言うが、そんな情報を仕入れた上で、先のものまね王座のネタでのグッチの口上を書き起こしてみた。実は演奏前の口上は分かりにくかったのではしょっているw

 

ある日4人の若者が、俺のバンドに入れてくれとやってきた。
俺は髪の長いやつは嫌いだから帰れと言った。
泣きながら帰っていったやつが、あのビートルズだ。
その次の日だ。
今度は3人の若者がやってきた。
麻雀のメンツを探していた。
おい、おまえら俺をなめているのか。
俺はしょっぱいぞ。
おまえら、プレスリーの「ハウンドドッグ」という曲を知っているか。
あれは、当時俺が飼っていた犬の歌だ。
どうだ、まいったか。
最後に若者に言っておく。
これからの時代は、なまったら終わりだ。
どうだ、まいったか。
まいったら、滑川アイランドで待ってるぞ。
相変わらず音がでかいぞ。
オス。

 

 いーや1分弱のネタでこの情報量!!東京ホテイソン

 この口上、練りに練られていると思うわ。「どうだ、まいったか」の繰り返しや「相変わらず音がでかいぞ。オス」のアドリブ感とか。

 ものまね研究会さん(@monomane1105)によれば、この寺内タケシネタはビジー・フォーにとって最初期からのレパートリーだったもよう。なるほど、やりなれた感があったわけだ。

 某動画サイトで寺内さんが「津軽じょんがら節」を演奏しているシーンを見ると、右手中指に指輪をしているのが確認できる。実はこれ、先のビジー・フォーの二人羽織ものまねで演奏している冬樹の右手中指にも指輪があるんだわ。

 そうした小道具まで細やかに似せているあたりに、ビジー・フォーの寺内さんへの惜しみないリスペクトや、彼らのものまね師としての矜持(きょうじ)を感じることができる。個人的に寺内タケシの「津軽じょんがら節」は、ビジー・フォーのものまねの最高傑作と言ってよかろう。

 改めて、寺内タケシさんのご冥福を祈ります。お疲れさまでした。

田村正和さん死去

 俳優の田村正和さんが亡くなった。77歳。

 40歳代後半の私にとって、田村さんはご本人の演技よりも「ものまね」で鮮烈な印象が残る人であった。そもそも私が田村さんを知るきっかけになったのは、保育園時代にテレビで見た「カックラキン大放送!!」(日本系)であった。同番組で異彩を放っていたラビット関根(現・関根勤)が、阪東妻三郎の忘れ形見である田村三兄弟のものまねをしていた。

 「田村正和です」「田村亮です」「田村高廣です」

 いや全員一緒やないかい!! と当時保育園児だった私はテレビの前でツッコんだ。われながら嫌な子どもであるw

 「コサキン」として関根の盟友であった小堺一機も、田村正和のものまねを得意としていた。彼は田村正和と同世代の二枚目俳優、近藤正臣のものまねを必ずセットにしていた。

 「コンドーです!」

 私は小堺の田村・近藤のものまねを目にして「そうか、田村さんと近藤さんはライバルなんやな!」と勝手に刷り込まれていたw

 

 私が俳優・田村正和の演技をリアルで目にしたのは「うちの子にかぎって…」(TBS系)だったと思う。新聞は「二枚目の田村がコメディーで三枚目に挑戦!」と書きたてていた。現代っ子の児童に振り回される田村の演技は好評で、後年続編シリーズやスペシャル番組が組まれることになる。

 

 ただ田村の代表作といえば「古畑任三郎」(フジ系)になるだろう。それまでなんだかんだ言って演技に二枚目の名残があった田村が、繊細さを感じさせるボソボソしゃべりを捨てて甲高い声で「日本のコロンボ」を演じる。そのさまはこれまでよりもさらに「ものまねネタとしての田村正和」を消費させることとなった。当時飛ぶ鳥を落とす存在であったSMAP木村拓哉も「古畑拓三郎」として田村をコピーし、後年の正月特番「古畑任三郎vsSMAP」(フジ系)につながった。

 そのものまねネタの頂点となったのが「R-1ぐらんぷり2016」王者のハリウッドザコシショウであろう。木村拓哉と同世代である彼は、古畑のキャラクターを縦横に膨らませて「ハンマーカンマー」という代表作を完成させる。

 そしてR-1ぐらんぷり2016決勝の最終決戦、ザコシショウはラストのネタに古畑任三郎を選ぶ。「最後は古畑任三郎でお別れしたいと思います」という彼の口上をかき消すほどの会場の大熱狂。観客の女性は「やったー!!!」と歓喜した。日本のお笑い史に燦然(さんぜん)と残る名場面だったと思う。

 …とまあつらつら書いてしまって、私の文章で田村正和の偉大さがどれだけ伝わるかはいささか不安ではあるw ただ本当に、田村さんは日本のお笑い界に影響を与えた名優であるという事実は、いささかも揺らがないと私は確信している。

 田村正和さんのご冥福をお祈りします。