早いもので、あと約14時間後には「THE W2020」の決勝戦が始まる。4代目となる女性芸人の日本一、646組の参加芸人の頂点が決まるのだ。
まず決勝戦の出場者をおさらいする。カッコ内は所属事務所の通称、出場回数。敬称略。
★Aブロック
TEAM BANANA(吉本興業、初出場)
オダウエダ(吉本興業、初出場)
にぼしいわし(フリー、2年連続2回目)
紅しょうが(吉本興業、2年ぶり2回目)
ターリーターキー(人力舎、初出場)
★Bブロック
Aマッソ(渡辺プロ、初出場)
ゆりやんレトリィバァ(吉本興業、2年ぶり3回目)
吉住(人力舎、2年ぶり2回目)
はなしょー(渡辺プロ、2年連続3回目)
ぼる塾(吉本興業、初出場)
ご承知のように、Aブロックのターリーターキーは新型コロナ感染で無念の辞退と相成ったスパイク(吉本興業)の代役として繰り上げ出場している。そして今大会の審査員は以下の通り。敬称略。審査はこの6人に視聴者投票が加わる。
★審査員
久本雅美、ヒロミ、田中卓志(アンガールズ)、川島明(麒麟)、哲夫(笑い飯)、リンゴ(ハイヒール)
審査員は清水ミチコから麒麟川島へのバトンタッチがなされた。女性審査員の比率が減ったわけで、これが大会にどう影響するかというのは注目ポイントである。
てわけで、私なりに「THE W2020」の大会結果を予想してみようと思う。審査形式は昨年と同様のノックダウンスタイルと仮定して。対戦した2組のどちらにどの審査員が投票するかを記してみた。その結果は、以下の通りである。
★Aブロック
○TEAM BANANA6-1オダウエダ●
T→久本、ヒロミ、川島、哲夫、リンゴ、視聴者
オ→田中
●TEAM BANANA3-4にぼしいわし○
T→川島、リンゴ、視聴者
に→久本、ヒロミ、田中、哲夫
●にぼしいわし1-6紅しょうが○
に→久本
紅→ヒロミ、田中、川島、哲夫、リンゴ、視聴者
○紅しょうが5-2ターリーターキー●
紅→ヒロミ、川島、哲夫、リンゴ、視聴者
タ→久本、田中
★Bブロック
○Aマッソ4-3ゆりやんレトリィバァ●
A→久本、田中、川島、リンゴ
ゆ→ヒロミ、哲夫、視聴者
○Aマッソ7-0吉住●
A→久本、ヒロミ、田中、川島、哲夫、リンゴ、視聴者
吉→なし
●Aマッソ3-4はなしょー○
A→久本、川島、哲夫
は→ヒロミ、田中、リンゴ、視聴者
●はなしょー1-6ぼる塾○
は→田中
ぼ→久本、ヒロミ、川島、哲夫、リンゴ、視聴者
★最終決戦
○紅しょうが4-3ぼる塾●
紅→久本、川島、哲夫、リンゴ
ぼ→ヒロミ、田中、視聴者
優勝 紅しょうが
どうだろう。審査員が清水から川島に交代したことで、漫才勢には少し優位な結果が得られるのではと私はみている。
まずAブロック。高校時代からM-1甲子園のファイナリストになるなど鳴らしてきたTEAM BANANAが後輩のオダウエダを一蹴(いっしゅう)するも、2年連続決勝組のにぼしいわしに惜敗すると予想。哲夫は昨年、ただ一人にぼしいわしに投票しており、彼がキーマンになると思う。しかし安定感に勝る紅しょうがが最終的には勝ち名乗りを挙げるだろうと私は予想する。
そしてBブロック。ここは満を持して3年ぶりの大会出場を決断したAマッソが猛威を振るうのではないか。彼女たちはM-1でもキングオブコントでもかけられないタイプの実験的な漫才を予選でかけて決勝進出を果たした。この勢いで初代女王のゆりやん、2年ぶりファイナリストの吉住を下すであろう。ちなみに私は、吉住が今大会唯一の完封負けを喫するとみているw 彼女は先日放送されたNHK新人お笑い大賞にも出場したが、なかなか人を選ぶタイプのネタをやったみたいなので。そしてAマッソ×はなしょーのナベプロ対決は、はなしょーが前回準優勝の意地を見せて勝つも、各種バラエティーで当たるべからざる勢いを見せているぼる塾に屈する…というのが、私のBブロックのたたかいの見立てだ。
最終決戦の予想。この間、ネットをさらってみると「ぼる塾の優勝でしょ」と半ば冷めた意見が散見されるのだが、私は紅しょうがの優勝を予想している。というのも、ぼる塾は2本目でいいネタをそろえてくるのか少し疑問視しているからだ。もちろん優勝をめざすぼる塾が切り札的に2本目のネタを用意していることもあり得るのだが、それでも見慣れた「まぁね~」のネタより見劣りするんじゃないかな。なので、地肩に勝る紅しょうがが接戦で4代目女王に輝くのではとみている。
THE Wも4回目の開催になるわけだが、これまでの結果をみればゆりやん、阿佐ヶ谷姉妹、そして3時のヒロインと本命どころが下馬評通りに優勝してきた感がある。今大会で言えばぼる塾が本命に目されていると思うが、そろそろ思わぬ組が優勝、という結末があってもおかしくはないであろう。なもんで、私としては紅しょうがの優勝にかけてみたいというのがある。
もっとも気楽な一視聴者にすぎない私の予想など雲散霧消しかねない、激戦の大会になることも十分ありうる。そう思わせるくらい、今回のTHE Wはハイレベルな出場者が出そろっている。
当たるも八卦、当たらぬも八卦。30年近く前、著書で「女はお笑いに向かない」と呪いをかけたミソジニスト松本人志を蹴散らすようなたたかいを期待する。