福岡市長選が４日に告示され、選挙戦ははや中盤戦を迎えています。私も先月ああいう記事を書いた手前、かみや貴行候補（48）＝無所属新、日本共産党推薦＝のたたかいぶりをチェックしていますが、このほど面白い発見がありました。
NHK福岡放送局のサイトは福岡市長選の特設ページを設けていますが、その中で「候補者はどんな人？」という一問一答形式のコーナーがありました。その質問の一つに「好きな芸能人は？」という他愛もない（失礼）のがあるんですが、これに、かみや候補は次のように答えています。
（NHK福岡放送局「候補者はどんな人？」のページから）
かみや候補が挙げた好きな芸能人はサンドウィッチマン。言わずと知れたM－１グランプリ2007チャンピオンであり、このほどNHKの好感度タレント調査でも堂々の１位に輝いた伊達みきお、富澤たけしのコンビであります。
かみや候補は職場の人（本人の申告により倉元たつお福岡市議と判明）や娘さんとネタのまねに興じるとのこと。好きな理由が「言葉をいじる感覚が鋭い」とあり、この辺は著書を数冊送り出してきた、かみや候補らしいと言えましょう。
では、かみや候補が紙屋高雪名義で運営しているレビューサイト「紙屋研究所」で、これまでサンドウィッチマンに言及したことがあるのかどうか、ググッてみました（ヤホーではない）。直接サンドのネタをレビューしたというのはありませんが、漫画や活字本のレビューをする際にサンド絡みのネタを挿入するという芸当を紙屋氏（かみや候補）はよくやっています。
その最初は、2008年2月に書かれた益田ミリ「結婚しなくていいですか。」のレビュー。ここで紙屋氏は、Ｍ－１優勝後間もなくのものであろうサンドのインタビューを引用しています。
（紙屋研究所「結婚しなくていいですか。」のレビューから）
レビューで示された記事は既にリンク切れしていたが「豪華な暮らしが目的じゃない」「月20万円くらいもらえれば満足」って、当時から今までサンドの２人は庶民的な感覚を持っていて、ブレてないなあと思える。同時に、紙屋氏はそうしたサンドの本質を見抜いていたのかと思わされ、その慧眼にはうならざるを得ない。
また2016年、宮崎学「死を食べる」のレビューでは、わざわざ枠で囲って強調してまでサンドの名作「ピザのデリバリー」を再現している。
（紙屋研究所「死を食べる」レビューから）
しかしまあ、改めて読んでも面白いやりとりである。サンドがＭ－１で頂点に上り詰めるまでを振り返った著書『復活力』で、伊達が「富沢の台本は読むだけで面白い」と書いていたことを思い出す。おそらく紙屋氏も、そうしたサンドの代えがたい特質に目を付けて「死を食べる」のレビューにかこつけて「ピザのデリバリー」を再現したのではないか…というのはさすがに考えすぎだろうか。
このほか「紙屋研究所」はレビューでちょくちょく富澤のキラーギャグ「ちょっと何言ってるか分からない」を織り込んでいます。膨大な数のレビューを書き上げ、言葉を練り上げ操ってきた紙屋氏にとってよほど魅力的なフレーズなんでしょうな。それこそ職場の人や娘さんとネタをまねするくらいにｗまあその詳細は、検索して確認してくださることをお願いする次第であります。
さてここで、話は福岡市長選をかみや氏と争う現職の高島宗一郎氏に移します。こないだの記事でも書きましたが、高島市長は華丸・大吉やカンニング竹山と言った福岡ゆかりの芸人と親しいことで知られています。
てわけで、これまで高島市長は自身のブログでどれだけ福岡芸人に触れたことがあるのか、検索をかけてみました。すると検索にかかった記事は１件。
（高島市長のブログから）
高島市長が取り上げたのは４年前のブログ記事、「アメトーーク!!」の福岡芸人会の回。これは私もリアルタイムで視聴しましたが、確か高島市長のことも紹介されていた記憶があります。当の高島市長は放送を受けて書いたブログ記事で、トークリーダーの博多華丸・大吉に簡単なお礼を言った後「福岡市のいいトコ」とやらを紹介していました。
いやいや、あっさりすぎね？ 地元福岡芸人の晴れの舞台なんだから、ケン坊田中やおたこぷーにも触れてやれ！ と私は思いましたよ。まあ2014年の放送ですけど。
てなわけで、私のつたないブログ記事ではありましたが、どちらの福岡市長候補がお笑い芸人に熱く、そして優しいまなざしを持っているかは明白だと思います。福岡市に居住するすべてのお笑いファンの皆様、どうか政策をご精査した上で、かみや貴行候補への支持を広げてほしい。そのことを私は切に訴えるものであります。よろしくお願いします。
（文中一部敬称略）
