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「THE W」決勝戦感想その4

◆ファーストラウンド

第5試合

どんぐりパワーズ(ワタナベエンターテイメント)×ゆりやんレトリィバァ(よしもとクリエイティブエージェンシー)

 ファーストラウンドのトリとなる第5試合、先攻はコンビの合計体重200キロ超をウリにしている、どんぐりパワーズ。肥満外来に来た患者と看護師、という一見目新しい設定に引き込まれるものこそあったが、ナース役のみなこが患者役のあいこを、その説得力のない体型で治療へと激励する展開に終始するという内容には食い足りなさが残った。

 ただナース役のみなこは、体重103キロのあいこより若干軽い100キロでありながら二の腕のダルンダルンぶりとか後ろ姿のフォルムとかに特徴があり、その特徴をうまくネタに織り込んでいたと思う。後ろ姿での説教など、カメラワークもよく計算されていた。一見変哲のないネタを、演者の特性(てか体型だが)を最大限に生かすことによってオリジナリティーを高めていたと思う。それでもネタの途中で差し挟まれる「ねえ?」は、ジングルとしても弱いと感じたが。

 個人的な採点は83点。

 後攻はR-1ぐらんぷり3年連続ファイナリストであり、優勝候補に目されているゆりやん。アメリカの女子学生「ユリヤン・ターナー」に扮し、ミスコンに出場して懸命に自己アピールするネタだ。

 ネタのスタイルそのものは、初めて彼女が決勝に上がった2015年R-1のファーストラウンドでやった受賞コメントのネタに酷似している。また、ネタの使い回しも見られた。アメリカ人女子学生が別れ際に翌日の待ち合わせ時間を確認するネタだが、これは2015年R-1の最終決戦で既に披露している。正直言って最終決戦に向けてネタを温存したな、という邪推もしたくなったが、それでも流暢な英語の合間にうざい関西弁を入れてくるスタイルは鉄板で笑いを取れると再認識した次第だ。

 個人的な採点は88点。

 果たして審査員の投票結果は、どんぐり56票×ゆりやん345票。ファーストラウンドで最大の票差をつける貫録を見せて、ゆりやんが最終決戦へ最後の勝ち名乗りを挙げた。

 

 改めて、最終決戦の進出者は次の通り。

 

ニッチェ

アジアン

牧野ステテコ

まとばゆう

ゆりやんレトリィバァ

 

 改めて、牧野ステテコの名前の異色さが目を引くwこの5組が立て続けにネタを披露し、初代の「THE W」王者が決まるのだ。試合消化の早い順のため、ニッチェやアジアンは不利、ゆりやん有利の流れが予想されるが果たして?

 

 続きます。