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M-1グランプリ2017決勝戦の感想その2

◆ファーストラウンド

3組目

とろサーモン

 ラストイヤー。このコンビはお笑いブーム真っただ中の2000年代前半、「爆笑オンエアバトル」に出場しセミファイナルの実績を既に得ており、「すかし漫才」などの挑発的な芸風で目立っていた。その実力は、旧M-1(2001~2010)時代に決勝へ駆け上がっても全くおかしくなかったが…。

 実を言うと彼らのネタはここ数年全く見ていなかった。オードリーの「ズレ漫才」の先駆けとも言ってよい「すかし漫才」のスタイルは捨て、ボヤキ漫才の芸風に移行していた。ボケ・久保田のすさんだキャラクターに合ってはいたが、結論から言うと私にはあまり響いて来なかった。

 久保田がツッコミの村田に毒づいた後、旅館の仲居を演じるのだが、ちょっとセリふの噛みが目立った。ネットでの評判で「1本目から彼らは落ち着いていた」と評価する声を読んだが、私は久保田が緊張していると感じた。

 それに旅館のくだりに入ってからの笑いどころが、あまり面白く思わなかった。猿が内風呂に入っているとか、追い払うための変な呪文も時間を使った割には…という印象。「日馬富士ですか?」とアドリブ気味にぶっこんだのは面白かったけどね。今のとろサーモンの芸風なら、そういう方向にネタを広げてほしいかな。

 審査員の合計得点は645点。

 個人的な採点は87点。

 「あれ?ちょっと高くね?」ととろサーモンの審査結果を見て思ったが、今大会は強豪がこの後もズラリと並んでいるので、まあファーストラウンド終わりは4位か5位あたりだろうと予想していた。

 

4組目

スーパーマラドーナ

 敗者復活。合コンネタだが、敗者復活戦でやったネタとは違うらしい(私は敗者復活戦のテレビ中継は見ていなかった)。

 3年連続の決勝、ボケの田中の変人キャラも浸透してきたこともあってか、笑いどころの手数を増やしてきた印象を持った。しかしどうしても、昨年インパクト大だったエレベーターネタと比べてしまう。

 冒頭の「(合コンの参加者に)オネエがおった」という伏線が張られるのだが、俺はいわゆるLGBT的なオネエではなく「田中のお姉ちゃん」が参加しているのだと勝手に予想していたのである。その方向はあれか、2010年のパンクブーブーと被るから回避したのかな。実際のネタバラシも、前回のエレベーターに比べると「やられた、裏切られた」感が少なかったね。武智のツッコミも「クスリやってんのか!」以外は存在感薄めだったのが気になった。

 審査員の合計得点は640点。

 個人的な採点は90点。

 

5組目

かまいたち

 キングオブコント2017のチャンピオン。他局にもかかわらずネタ前の紹介VTRでもガッツリ触れられており、新鮮な思いがした。

 ツッコミ濱家の怖い話に「イラッとする」と山内が難癖をつける。どことなくブラックマヨネーズを思い出す。山内が演じるトイレの花子さんの「気まずい感」も、濱家の「どこに私情をはさむ余地があんねん!」とやり返すツッコミも良かった。中盤まで非常に勢いを感じて、最終決戦行けるかな、2冠に近づくかなと個人的に思ったほどである。

 ただ後半、ややしぼんだかな。「ムキムキで額に卍を書いた男」を最後まで押していたが、そうするほど強いボケでもなかったと思ったが。

 審査員の合計得点は640点。スーパーマラドーナと同点のまま暫定2位に。

 個人的な採点は92点。後半が弱いと感じて1点減点した。

 

 続きます。