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「LIFE!」(NHKテレビ8月14日放送分)

 「未来戦士ハライゾン」以外のレビューを今回の記事で。

【とどろけファミレス塾】

 主人公(?)の新人ファミレス店員・中川大志に「解説役」としてサポートするシソンヌじろうのキャラの作り込みようよ。この人は昨年の方言指導コントでもなまりのきっつい演出家を怪演していたが、クセのある役は全部オレに回せ!と言わんばかりの安定感でコントを支える。じろうの回しでこのコントは持ったと言っていいだろう。

 肝心のコントの内容は、かつてのジャンプ漫画の名作のオマージュと言った感じだったが、正直な話、「民明(みんめい)書房」のパクリのくだりは視聴者にとってチンプンカンプンだったであろう。中川との対決(?)に敗れ、解説役のじろうに「し、死んでる!」と言われながらあっさり復活する内村光良のくだりも「例の漫画」の「死んだ登場人物がすぐ蘇生する」というネタなんだろうが、それでも遊びすぎだな。だって30年前の漫画だぜ、「魁!男塾」ってw

【オモえもん】

 当番組のドル箱スター・星野源が主役を張るシリーズが復活。1996年度ホリプロスカウトキャラバングランプリの深田恭子をゲストに迎えた。

 前回シリーズで、さとしくん(ムロツヨシ)に別れを告げて自分の星に帰ったオモえもん(星野)が、さとしくんの部屋の押し入れに帰ってくる。それはいいのだが、星に帰ったのと同じ日のうちに復活したという設定は非常に引っかかった。前回シリーズから5カ月たっているわけだし、「すぐに戻ってきた」という設定にこだわる必要があったのかどうかと。

 とはいえ、本家ではダメな兄をサポートする役割だったまじめなドラミを、深田演じるオモミが兄に輪をかけて重い芸風というのは設定に新風を吹き込む感じがあって良かった。彼女が出す道具が「イチゴ柄にデコレーションしたチェーンソー」などと、本家のテイストを微妙にフォローしていたのも、「LIFE!」スタッフならではの気遣いが感じられた。

【裸の王様】

 有名な童話をモチーフにしたコントで、不安材料と言えば当番組初出演となる新日本プロレス棚橋弘至の演じる王様役であった。しかし蓋を開けてみれば棚橋の低くてよく通る声と見た目通りの肉体美とがあいまって、バランスの取れた不条理コントが出来上がった。

 あと職人役で金髪のかつらをかぶったムロが、思いのほか二枚目のビジュアルに仕上がっていたなと。衣服を脱いだら予想通りのくたびれた四十路おじさんの肉体だったのがあれだがw

【アツい男たち】

 國村隼がゲスト出演。舞台は昭和30年代、横山秀夫佐々木譲池井戸潤の小説原作かと見まがいそうな骨太な設定と人間関係で、警察内部の闇を描いた重厚なコント…つっても警察署内にクーラーがつくつかないで揉めているだけなんですがw

 眉毛を濃く描いた二枚目星野源の熱血青年や、彼を制する内村演ずる老成した先輩刑事など見所は少なくないが、問題は現実世界では雨降りの時期が長く続いて視聴者的に「猛暑」感をいまいち受け取りづらかったことだろうか。どれだけビッグネームがコントをやろうとも、天気だけはどうにもならんwむしろ前回シリーズで大団円を迎えた「梅雨入り坊や」の新作を書いても良かったかもしれない。

【ラストスピーチ】

 深田恭子が再び登場。職場を辞める女性の送別会イベントを舞台にした華々しいコントだが、ここで深田は「LIFE!」長年のレギュラーであり、ホリプロスカウトキャラバングランプリの後輩である石橋杏奈(2006年度受賞)に花を持たせた格好となった。

 突然結婚を発表したメンバーのいた某グループの総選挙とやらをモチーフにした感のあるコントであったが、かわいい後輩のために引き立て役を務め上げた深田の度量の大きさを感じさせる内容であった。まあ実績で言えば、深田にとって石橋なんか26cmの足の小指で踏みつぶせるレベルだしねw

【ムロ軍団の休日】

 少しひねった形で「ムロツヨシを育てた女性」こと黄金原聡子さん(シソンヌじろう)がジョーズの如く海から登場w前回シリーズ序盤にちょこっと出ていたラバーガール大水や、番組初登場となる阿佐ヶ谷姉妹を黄金原さんはいつもの調子で「二軍」などと切り捨ててみせた。

 ムロ軍団を説教する際に黄金原さんは「ムロは…」と呼び捨てにしていたが、あれか、奥さんがだんなの話をするときに呼び捨てにする的なあれか。なんにせよ、不定期特番となっても名物シリーズには若干の展開があるってことで、9月18日の次回放送を楽しみにしろってことかなwそういう意味で、引きのよくできた特番だったと思う。