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「絶対!カズレーザー クイズ東大生だけ不正解」(テレビ朝日系7月11日、8月1日放送分)

 1つの企画を2週にわたって送るのが慣例となっている「絶対!カズレーザー」の直近の企画は「クイズ東大生だけ不正解」。ゴルフだの世界水泳だのの中継がこの間入りまくったため、前編と後編で3週も開いてしまったのだがともかく。

 クイズプレーヤーとしては「Qさま!」で説明不要の実績を積み上げてきたメイプル超合金カズレーザーが、かいつまんで言えばクイズに答える側から質問を作る側に挑戦する、というのが今回の企画である。単に作成するだけでなく、芸能人3人と東京大学生2人を対戦形式でたたかわせて、タイトル通り東大生オール不正解、芸能人全員正解という質問を10問以内に作る…のが趣旨だった。

 照明の明るい派手なセット、芸能人ゲストの多さや知名度の高さ(サバンナ高橋アンガールズ山根、筋肉アイドル才木玲佳)、解説者としてクイズ作家・日高大介氏の起用と深夜2時台とは思えぬ力の入った演出ぶりで、私は(この企画、プライムやゴールデン狙っているんだろうな)と感じた。「絶対!カズレーザー」では先月の改編期、本編でやった時短企画を期首特番で放送していたからな。2匹目のドジョウ狙いってやつだ。

 結論から言えば、前編では制限の10問以内に「東大生だけ不正解」は達成できなかったものの、後編では4問目「藤田ニコルがモデルを務めた雑誌名は?」でついに悲願を果たした。正解は「Popteen」であるが、リアルタイムで視聴した私も回答に挑戦して「Popteenじゃないの?」と考えたところズバリと当たった。そういう意味では、カズは非常にいい質問を作ったと思うw

 

 カズのプレイヤーのみならず作家としての力量を測るという点でも、私のようなクイズ番組好きな人間にとっては今回の「東大生だけ不正解」はなかなかの良企画だったとは思う。日高氏も「数年前の時事ネタが一番難しい」などと、「あべのハルカス」など数年前に話題になったスポットを回答にチョイスした設問をするカズの手腕を評価していた。

 カズいわく「芸能人は数年前でも話題のスポットをロケで行ったことがあるが、東大生は時間のたったニュースには弱い」らしい。事実、その読みで作った前述の藤田ニコルの問題で勝利したわけだ。

 

 しかしまあ、この企画の弱点を述べるとするならば、もうとっくに書いてしまった通りだが、もうカズが東大生に勝ってしまったことであるw セットもキャスティングも費用をかけまくったように思えたのに、もう所期の目的を達成しちゃったら企画続けられないじゃん!w カズは基本的に卒がないからだいたい「絶対!カズレーザー」の企画は無難にこなしてしまう嫌いがあるのだけど、今回もそのパターンに陥ってしまったというのが私の見立てだ。

 この企画の続編をやるなら、いくらかのマイナーチェンジは必要であろう。今回はカズがフリーで質問を考え、東大生の苦手な分野を推測する流れであったが、今度は東大生の得意な分野限定で質問を作成して、なおかつ「東大生だけ不正解」をかちとるとかね。そういったハードルを科して、キャラに似合わぬ苦悩をするカズレーザーも個人的に見てみたくあるし。

 余談だが、この「東大生だけ不正解」、芸能人チームのアンガールズ山根の不調ぶりがすげえ気になった。ドラえもん知識王の高橋、慶応大学卒業の才木と比べても、山根は「ヘキサゴン」などかつての名物番組でエースとして活躍し、クイズ芸人としてはカズの先輩格にあたるほど名のある存在だったからだ。

 この点においては、山根自身が番組中に「最近は育児に頭を使ってしまって…」と率直な現状を吐露していた。なるほど、クイズで仕事を得るには常に頭をアップデートしないといけない芸能人は大変だな…と同情した次第である。