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「絶対!カズレーザー」(テレビ朝日系)

 個人的に2017年春クールの深夜番組で最も注目していたのがメイプル超合金カズレーザーの初の冠番組「絶対!カズレーザー」だ。

 とにかくカズレーザーは、昨年春の「Qさま!」(朝日系)のクイズ大会において初出場初優勝という衝撃デビューを飾って以来、ロザン宇治原の好敵手として番組を牽引する存在となった。またテレ朝深夜の老舗帯番組「お願い!ランキング」では「カズレーザークリニック」「レーザー読書」と2本もの冠コーナーを得るなど、まさに若き「ミスターテレ朝」というべき実績を積んできた。

 そんなカズレーザーが年度も変わり、まさに満を持して冠番組を持つことになった。この1年間じっくり付き合ってきたテレ朝スタッフとの共同作業ということもあり、私は初回放送を心待ちにしていたものだ。

 しかしフタを開けて、本放送を見てみれば…かれこれ本放送は3回分を終了した。それらすべてリアルタイムで目を通した上で書くが、ぶっちゃけ面白いともカズレーザーのポテンシャルを引き出したとも言い難い出来の内容が続いているというのが、正直な感想だ。

 まず記念すべき初回は2週連続で、カズレーザーが町でうわさされる奇人変人とじっさいに会って対話し、奇人変人か凡人かを相方の安藤なつとともにロケして確かめるという内容であった。これがどうにも、個人的な感想の範囲で言えば跳ねなかった。

 カズレーザーが会う人会う人、どうにも見た目から奇人変人と言われることを意識したような奇抜なルックスの人ばかりだったためである。見た目も中身も奇人変人と言えば、就職試験に金髪と赤い服で臨んだカズレーザーその人が当てはまるわけだから、彼が聞き手になってはどんなインタビュー対象も見劣りしてしまうだろう。せめてルックスが普通で、言動が奇人変人の人であったならば、カズレーザーと対談する意義も出たし絵的なコントラストも利いたのではないかと思う。

 4月18日深夜放送の第3回は、がらりと趣向を変えてのスタジオ収録となった。加えて相方の安藤は不参加で、カズレーザーのアシスタントは昨年M-1グランプリファイナリストとなった相席スタートの山崎ケイが務めた。

 内容は10人の女性新人タレントを集め、カズレーザーに「美人かブスか」を判定してもらうというものであった。これも冒頭の企画説明を聞いて「ああ…」と残念に思った口だ。果たして、実際見終えた後も「どうにかならんもんかね~」とスリムクラブ内間のようなボヤキを口にしたくなった。2010年M-1最終決戦で、真栄田に「民主党ですか?」と言われるやつねw

 何しろ女性芸能人のルックスを美人かブスか、で判断を下す企画自体難があると思った。当然ながら女性蔑視と受け取られかねない企画の趣旨があるということと、芸能界で売れる要素をルックスだと断定した前提で番組を進めたことにも大いに疑問がある。

 イケメンだから売れるとは限らない、フツメンだから売れないとは限らない。ましてこの間、決して二枚目とは言えないルックスの星野源が歌えば紅白、ドラマに出れば助演男優賞獲得、本を出せばベストセラーという八面六臂の活躍を見せているのだから、今回の企画そのものが時宜を得たものではないように感じた。

 ふたを開けてみれば、カズレーザーが過去に「ハーフが好き」と公言していた通り、出場した女性唯一のハーフタレントである宮河マヤだけが「美人」認定されるという何の意外性も見当たらない結果となった。カズレーザーと女性タレントとのやりとりも、まあ「私、美人ですよね?」とタレント側に言わせるシステム自体に問題があったと思うが、カズレーザーが一方的に相手を「だからブスなんですよ」とやりこめてしまう展開になってしまい、後味の悪さは深夜番組とはいえ目に余るものがあった。「お願い!ランキング」内のコーナー「カズレーザークリニック」「レーザー読書」は非常にいいバランスで大学生や書店員と軽妙なやりとりをしていたので、どっちかのコーナーを冠番組にすれば良かったんじゃないの?という恨みが今のところ残っている。

 とはいえ無理やりいいところをピックアップするなら、相方安藤のいない状況下で、山崎とのMCも難なくこなしていたところだろうか。山崎は早稲田大学卒業の才媛であり、頭の回転の速さに定評のあるカズレーザーにとっては組みやすい相手だったかもしれない。そんなカズレーザーと未知数の芸人とのコンビの相性に思いを馳せながら、今後の番組の展開にヤキモキすることにしたい。