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キングオブコント2016決勝戦感想その4

☆1stラウンド

 

【だーりんず】

 今大会最年長ファイナリスト、宿願の決勝初出場。

 今となっては説明不要、物議を醸すことになった父と子の会話のコントであったが、私は非常に好感をもって受け止めた作品だ。

 Twitterでも書いたが、このネタには文学のにおいを感じる。父親の設定がいい。愛して結婚を約束した女性は既に別の男性の子どもを宿していた。出産と引き換えに彼女は命を落とすが、父親は運命を受け入れ1人で息子を結婚するまで育て上げる…そのままドラマにできそうな役柄設定ではないか。

 この父親が童貞という設定も、ネタの文学性を高めている。異性を知らない主人公が愛と性に思い悩むというのは、純文学の定番テーマだからね。初夜をともにすべき相手が死んでしまうという悲劇的な設定も、三浦綾子の「塩狩峠」を想起させる。まあ「塩狩峠」で死ぬのは童貞の主人公の方なんだが。

 ネタのレビューに入る前におもくそ前置きが長くなってしまったがw、息子役の小田が父親役の松本りんすに「童貞なの?」と切り出すくだりが少し雑だったと思う。その問いまでに「父さん、母さんが死んだあとに付き合った人は?」とかワンクッション置いた方が、観客も視聴者も「童貞」というパンチラインを受け止める心の準備ができたのではないだろうか。

 得点は合計431点。私の採点は89点。

 

タイムマシーン3号

 第2代オンバト+チャンピオン、昨年のM-1グランプリ4位が初のKOC決勝。

 不良が気の弱そうな学生にカツアゲというありふれたテーマで、ここまで貪欲に笑いを取ったのは素直にすごいと思った。とにかく放り込むボケの手数が多い。コントは漫才に比べ、いわゆる「間」を大切にしている分、物理的に笑いのポイントは減ってくる。そこをまるでパチンコのフィーバーの如く(?)小銭や小判をジャラジャラ舞台にぶちまけ笑いをさらうところに、彼らの漫才の確かな経験が生きている気がしてならない。

 ただ終盤の「世にも奇妙な物語」BGMをしれっと流すのはズルいと思ったwかもめんたるのう大も後日言及していたようだが、そういう臆面のなさも含めてタイマの特徴がよく現れたコントだった。

 得点はかもめんたるを1点上回る445点。私の採点は90点。

 

 まだまだ続きます。