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「さんまのお笑い向上委員会SP」上(フジ系5月7日放送分)

 ゲストは当番組に実に10カ月ぶりの出演となる爆笑問題太田光。この番組はゲストがなかなか呼び出されないのが恒例だが、案の定、オンエア開始1分少々で太田が乱入してくる。この展開は番組視聴者のほぼ100%が読めていたことだろう。

 太田はメークを施して乱入。鼻を赤く塗った辺りからおそらく「爆チュー問題」のメークだったろうが、基本的にそこは放送上いじられずに終わる。メークに関しては、それよりも重大な問題ごとが後々明かされることになる。

 乱入を快く思わない(というプロレス)ひな壇芸人のブーイングを受けて太田が繰り出した渾身のギャグは「お久しブリーフ」。ここでダンディ坂野を持ってくる太田、どんだけ後輩ギャグを弾集めしてきたのよと。その雑食ぶりには今さらながら呆れ交じりで脱帽する。

 ここで本題というべき10カ月間の出演期間の空白が改めて太田に突きつけられるが、恐妻家の彼は言葉を濁して真相は五里霧中といった状態で次のカオスへ。狩野英孝の謎の「オーディション」発言を発端に、向上長のさんまが土下座をする事態にまで発展する。

 この混沌としたスタジオの中で「おっ」と感じたくだりは、さんまの「一身上の都合で芸人になった」という発言だ。冷静に考えれば、さんまほどのスキルを持つ人間なら会社の営業マンという道でも伝説を成し遂げることができただろう。しかしあえてここで、さんまがぶっ込んだことで出川哲朗が「頭に指さしポーズ」を用いて爪痕を残してみせるなど、非常に収穫の多い現場になっただろうことは想像に難くない。

 ようやく番組は「クレーム発表」という本題に入る。太田が収録でムチャクチャやって結局ウケないことを雨上がり決死隊宮迫博之や狩野、出川、ずん飯尾和樹にダメ出しされるもうすぐ51歳の太田。クレームの当事者でない今田耕司も、いすを使ったギャグで存在感を示した。

 しかしこのくだりでは、何といってもハイライトは太田光であろう。いすに座り直して「そういうところがクソ野郎なんだよ!」と後輩の宮迫にすごんでみせる太田。見せ場とばかりに顔の前で「ここを見てみろコノヤロー!」と指を左右に振ってアピールしてみせる。そんな渾身の前フリは太田本人の凡ミスで水泡に帰すというねw

 このくだりはリアルタイムで観賞していたが、太田のミスのせいで全くオチが分からなかった。そのせいというか何というか、お笑いの基本たる「緊張と緩和」がうまいことハマった場面になったとは思うけどね。結果オーライというやつで。

 思いがけず太田の無茶ぶりで狩野の芸人資質が向上する嬉しい誤算(押すしね→お寿司)や、出川がこうした戦場においても唐突に唾を飲み込む天才リアクションを見せるなど委員会芸人がキッチリと存在感を示した番組前半だが、新たにクレーマー芸人を呼び込むことによってさらなる混沌を視聴者は経験することになる。

 今回のサブタイトル「蘇る太田」は、太田の好きな松田優作主演映画「蘇える金狼」にかけているのかなと思ったり思わなかったり。