◆Bブロック
3年連続3回目のファイナリスト。今度こそ優勝を!との思いを込めたネタは衣装の白ノースリーブワンピースからして進行役の加藤綾子と被ってしまったがw、実力者ならではの世界観が確立していた。
3年連続の決勝だけあって笑わせどころのしっかりした良ネタだとは思ったが、後半のヤンキーあるあるは視聴者にとっては唐突でパンチの弱い内容に感じた。それでも、ラストの「人には人の、尿酸値」というセリフを放った後、それこそ元ネタであろう蒼井優みたく唇をかみしめてみせたあたりに彼女の芸達者ぶりを感じた。
【石出奈々子】
初の決勝進出。前年の大会からジブリものまねで好評を博していた彼女が、ついに地上波でそのベールを脱いだ。
ネタはジブリヒロインっぽい主人公が大阪を訪ねるという、展開次第では大スベリしそうなリスキーな内容。しかしふたを開けてみれば、床に大の字となりながらひとしきり笑った後に毒を吐くパターンの天丼や、道頓堀というシチュエーションで満を持して放たれる「掛布」のパワーワードがちりばめられた。よくできたネタだと思う。
【ルシファー吉岡】
2年連続のファイナリスト。今回は前年のような敗者復活でなく、正面突破で決勝入りを果たした。ネタは前年と同じく教師ネタだが、前年の「キャンタマンクラッカー」というシモ系のパワーワードを封じていたので、あーもったいないなーという思いを抱きながらのネタ観賞となった。
とはいえ大化の改新の実相(まあ約1500年前の話なので創作も多かろうが)に心を痛め、話し合いで解決できないかと涙ながらに迫る生徒たちの描写は、ピン芸人のネタといえど胸に迫るものがあった。何かともめごとを起こしたがるトランプ米大統領(RGではなく本人)に、このネタを見てほしいもんだねと思った。全くカエルの面に小便だとしてもだw
【紺野ぶるま】
敗者復活戦2位に選出され、初のファイナリスト。お笑いファンの間では「チ○コなぞかけ」の人として認知されているが、当日偶然チャンネルを合わせてテレビを見ていた人々にとっては「背の高いキレイめのお姉ちゃん」というイメージしか抱かなかったのではないか。そういう意味で、彼女が復活した際は異様にテンションが上がってしまった。
果たして決勝のネタだが、結論から言えば期待外れに終わったと言えよう。彼女のように一般世間において無名な芸人がいきなり視聴者にインパクトを与えるには、最初のひと笑いでドカンと爆発させるのが最善であろう。
しかしふたを開けてみればギャグの1発目でBIG BANGがどうの3代目J Soul Brothersがどうのと、視聴者を置いてきぼりにしたネタでけつまずいた感が否めない。その後の「背中が肌荒れ」ネタが不条理感にまみれてキャッチーだっただけに、これに匹敵するネタが初っ端から出てくれば決勝ストレート入り組に絡める出来になったと思えてならない。
個人的な審査はゆりやん1、石出1、ルシファー1、紺野0。
100点満点で言えばゆりやん90点、石出91点、ルシファー89点、紺野87点。
女性芸人が多数たたかったBブロックは、初ファイナリストの石出がファイナルステージの初勝ち名乗りと相成った。