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「LIFE!」#25(NHKテレビ1月5日放送分)

【オモえもん】

 さとしくん(ムロツヨシ)のママ(西田尚美)初登場。本家に寄せた髪型の再現度に噴くw

 夜中に大声を出すさとしくんを叱責するママだが、ここでオモえもん(星野源)に全く彼女は触れていないことに「オモえもんは子どもにしか見えない設定なのか?」という疑問がにわかにネット上で持ち上がった。これは本家を踏襲した設定だと思う。

 本家でもママはのび太を叱っている間は、傍らで見ているドラえもんに話しかけることは基本的にない。特にママがヒートアップしているとき、ドラえもん「ひげなんか生やして、えらそうにして」と理不尽にキレたことくらいだ。

 「LIFE!」スタッフがそこまで狙いを徹底していたかは分からないが、本家を愛する私のような人間にとってはニヤニヤする内容のコントではあった。ただしオモえもんのバッグの中身をさとしくんが確認するくだりは、少々雑だったと思う。

【LIFE ANSWER】

 内村光良が2回目の登場。このコーナーは女性陣に出演を振らないのか。

 これまでの人生に点数をつけるという設問だったが、最も得をしたのは内村がネタにした松本ちえこであろうw内村の言った「65点」というネタが歌詞で出てくるのは、おそらく「恋人試験」という曲。アイドルとしては現役時代パッとせず、私などは20年前のVシネで艶のある濡れ場を披露したセクシーなお姉さんとしてしか松本を認識していなかったのであるが、今回の内村の粋な計らいで彼女の再評価を願わずにはおれない。

【ムロ待ち】

 年が明けても、ムロツヨシを育ててきたと自負する黄金原さん(シソンヌじろう)は、出待ちファンの女性(臼田あさ美)が差し出すファンレターを即座に破り捨てるなど絶好調だ。このコントでは、若き日のムロが川崎市内の元住吉駅近辺の在住で遭ったことが明らかとなる。たぶん「売れたら都内に住んでやる!」という野望を持っていたんやろうなあ…と推察したw

【ムロ鍋JAPAN】

 北海道士別市のロケに臨んだムロは、羊肉を紹介。VTR放送後、スタジオ出演者に地元の羊肉を振る舞うのだが、この場で共食いになる出演者が約1名いるw

 その手の話題は結局一切試食タイムには上らなかったが、真相はいかに。私の勘では共食いの当事者となる出演者(つか吉田羊)が積極的にスタジオでネタを振ったものの、意外とその場でトークが広がらなかったため本放送でボツとなった…とみているのだが。

【バレるか バレないか】

 いわゆる豊洲新市場問題を取り入れた時事ネタ。違法性と「バレるとまずい」社会的信用を天秤にかけるワンアイデアで押し切ったが、豊洲ネタは現在進行形のもので、責任のなすり合いだとか派手に問題解決をぶち上げた知事の日和りっぷりだとか、いくらでも面白くなる展開を隠し持っているからね。

国民的ドラマ「ドクターX」に古坂大魔王(ピコ太郎マネジャー)出演!

 米倉涼子がフリーかつたたき上げの天才外科医を演じる、手塚治虫ブラック・ジャック」を彷彿とさせる国民的医療ドラマ「ドクターX」の第4シリーズ。22日に迎えた最終回にて、今年世界的な大ブレークを果たしたピコ太郎…のマネジャーである古坂大魔王がゲスト出演を果たした。

 繰り返すが、ピコ太郎ではなく古坂大魔王であるwこれはエンドロールでも「古坂大魔王」とクレジットしていたので間違いはない。たぶん。

 最終回のエピローグに古坂大魔王は登場する。役柄は米倉扮する大門未知子が居候する神原名医紹介所を訪問する宅配業者。未知子と神原(岸部一徳)に冷凍餃子を届けに来た古坂は、サイン用のペンが手元にない2人に「アイハブアペ~ン」とおどけてボールペンをかざす。

 バカバカしいなと思いつつ、つい和んで笑っていたところへ急展開がやってくる。古坂は「ウッ!」とピコ太郎のネタではなく、苦悶の表情を浮かべ、胸を押さえて倒れ込むのだった。顔色を変えた未知子は急性の心筋梗塞を疑い、神原に七つ道具を持ってくるように頼む。

 白眉だったのはこの直後のシーンだ。186センチの巨体を折り曲げ苦しそうにしている古坂は「僕、死ぬんですかね…」と体格に似合わぬ弱々しい声で未知子に問いかける。このくだりは、なかなかグッと来たぜ。

 この古坂がプロデュースするピコ太郎。まさに今年後半の日本ショービジネス界を席巻(せっけん)する大活躍を見せたが、カテゴリーはいわゆる一発屋に属する。

 一発屋にとって最も怖いのは年が明けること。この2016年も残り10日足らずしか残されていない状況で、心筋梗塞に倒れた古坂扮する業者の弱気な発言は、非常に彼(およびピコ太郎)の心境を代弁したものとして、心に迫るものがあった。

 米倉扮する未知子は「大丈夫、死なせない」という頼もしい一言を発して古坂を処置し、確実に彼を助けるだろうという希望を感じさせて「ドクターX」の第4シリーズは終了する。すべてが終わってみれば、ピコ太郎および古坂大魔王にとって非常においしいゲスト出演を果たしたと言ってよいだろう。

 なにしろ「ドクターX」に出演したのはピコ太郎ではなく、マネジャーの古坂大魔王なわけである。国民的医療ドラマたる「ドクターX」で好演したことによって、古坂の仕事が増え、ひいてはピコ太郎の延命につながるかもしれない。

 この年末年始番組でピコ太郎は引っ張りダコであろうが、古坂大魔王とも協力して生き馬の目を抜くお笑い界の波を乗り切ってほしいと、ボキャブラ世代の私などは切に願う次第である。

勝手に芸人を表彰!ENGEI SHAMROCK AWORD2016

 ごぶさたしております。

 早いもので2016年もあと10日少々を残すのみとなりました。今年の春から開始した拙ブログも初めての年越しを迎えます。

 そこでというか何というか、年の締めくくりとしてこういう企画をやってみました。

 題して「ENGEI SHAMROCK AWORD2016」。要は、今年のお笑い界を著しく盛り上げた芸人さんたちを私マサトヰシグロシャムロックが勝手に表彰しようという試みです。

 表彰するのは「MVP」「新人王」「特別賞」の3組。最も今年のお笑い界に貢献した芸人にMVP、若手ながら進境著しい活躍をした芸人に新人王、この2つの賞からは惜しくも選に漏れましたがその功績を表彰したいとそれぞれ私が考える芸人に特別賞をおくりたいと思い、選考しました。

 その結果は以下の通りになります。さあ、今年のお笑い界を盛り上げてくれたのは、コイツらだあ!(「フリースタイルダンジョン」のZEEBRA風に)

 

MVP ハリウッドザコシショウ

新人王 カズレーザー(メイプル超合金

特別賞 BOOMER

 

 ここからは各賞の受賞理由を述べたいと思います。

 栄えある初代MVPに輝いたのは、芸歴23年のハリウッドザコシショウ。R-1ぐらんぷりでは元ネタを破壊したものまね芸で観客席を異次元の喝采へ導くほど、圧倒的な優勝を飾った。これだけでも受賞理由に足ると思うが、彼の隠れた偉業は、主戦場である地下ライブを一躍有名なところまで押し上げたことにあるだろう。

 テレビの華やかな世界とは縁のない、まさにアングラな舞台であった地下ライブ。しかしこの場で静かに爪を研いでいたザコシショウがぶっちぎりのR-1制覇を果たしたことで、地下ライブの常連芸人に日が当たるきっかけがつくられたと思うというのは決して過言ではないと思う。

 実際、テレ朝深夜番組「お願いランキング」内のお笑いリーグ戦「お願いマンピンコン」で虹の黄昏やモグライダー、ランジャタイといった地下ライブ常連芸人が出場権を得て、生き生きと暴れ回っている。そうした現状は、ザコシショウの圧倒的なR-1優勝から徐々に培われてきたと思うのだが、果たしてどうか。

 新人王に輝いたのは、昨年のM-1グランプリにて鮮烈な印象を残したメイプル超合金のボケ担当であるカズレーザー。今年を振り返れば、カズのメディアジャックぶりは素晴らしかった。

 春のテレ朝番組「Qさま!」でいきなり初出場初優勝をかっさらう衝撃デビュー。金髪と赤い衣装とのギャップ著しい頭脳派キャラを打ち出した彼は、同じテレ朝の「お願いランキング」内で「カズレーザークリニック」「レーザー読書」と2本の冠コーナーを担当した。ゴールデン帯でも先の「Qさま!」に加え「ミラクル9」「ロンドンハーツ」と常連ポジションを獲得し、まさに若き「ミスターテレ朝」というべき躍進を果たした。

 2年連続のM-1ファイナリストこそ逸したが、本人の飄々としたボケぶりといい、巨体のツッコミ安藤なつとの軽妙なやりとりといい、どこまで伸びるのか末恐ろしい芸人である。そんなカズレーザーに新人王をおくりたい。

 残る特別賞は、ボキャブラ芸人たるBOOMERにおくることにする。

 もはや説明不要であるピコ太郎の世界的な大ブレイクであるが、彼のプロデューサーたる古坂大魔王は伝説の番組「ボキャブラ天国」の出身だ。その縁なのか、最近深夜番組でボキャブラ芸人を見かける機会が増えている。

 私がこの2カ月ほどで確認しただけでも「ぷっすま」「あるある議事堂」「くりぃむナンチャラ」(いずれもテレ朝)で、ボキャブラ芸人を目にする機会があった。で、その3番組にすべて出演する快挙(?)を果たしたのが唯一1組あり、それが「遅れてきたルーキー」BOOMERだったのである。

 この結果は単なる偶然かもしれないが、もともとは爆笑問題に引けを取らない実力の持ち主と言われていたBOOMER。ピコ太郎のブレイクで着実に自身のコンビのテレビ出演を増やすというしたたかさは、必ず来年以降の結果につながるであろう。彼らにもう一花咲かせてほしい、という期待を込めて特別賞をおくりたい。

 

 まあいろいろ御託を並べさせてもらったが、今年はR-1、キングオブコント、そしてM-1と各賞レースはじめ芸人の皆さんには心ゆくまで笑わせてもらった。来年はさらなる精進の結果を見せてもらって、ひねくれ者な私にぜひ「お笑い最高!」と叫ばせてくれるならこれ以上の僥倖はないと思う。

 なんやかやで、2017年もよろしくお願いします。

M-1グランプリ2016決勝戦感想その6(追記あり)

★最終決戦

【和牛】

 ネタは「花火デート」。おいおいまたデートネタかよ…と思ったが、水田が1本目と変わらず「マナミちゃ~ん」と朗らかに手を振っている導入を見て思いっ切り和んだwしかし彼女の名前に「マナミ」をよく推すなあ、橋本マナミと共演狙ってんのかなあとふと思った。

 ネタの構成自体は、終盤の水田の逆ギレ含めて1本目のドライブデートとほぼ同じではあるのだが、こちらもボケの強度がすごい。偶然目に入ったカエルに延々と話しかけるとか、そのカエルにはめた指輪を水田と川西の2人して焦りながら探すとか、往年のやすきよの「メガネメガネ」を瞬時に思い浮かべましたよ私は。和牛はこんなにポテンシャルを秘めたコンビだったのかと、目からうろこが落ちましたわ。この表現もたいがい古いけど。

 私の個人的な採点は94点。スーパーマラドーナより1点引いた採点ではあるが、この時点で私は銀シャリに失礼ながら「スーマラと和牛の争いやな…」と思っていた。

 

銀シャリ

 個人的な推測であるが、ファーストラウンド1位というアドバンテージを得た銀シャリではあったが、前の2組のウケっぷりをみてそうとう焦ったのではあるまいか。しかし「うんちく」と「うんちくん」を混同したツカミでぐいっと観客を引き寄せ、語源ネタに入るあたりはさすがの技量を思わせた。

 ネタを通して聞くと、橋本のツッコミが心なしか走りすぎな感あったと思う。それでもブロッコリーのくだりとか、ネタの中盤でも手堅く得点を稼ぐしゃべくり漫才の強みを見せてもらった印象だ。ラストの2人が声を合わせたあたりは、集大成を思わせた。

 私の個人的な採点は93点。

 

 個人的な審査ではスーパーマラドーナに1票を入れた私であったが、現実の審査結果は3票を集めた銀シャリが栄冠をかちとった。旧M-1の時代から若くして正統派とうたわれ、長らくM-1が開かれなかった時期も粛々と腕を磨いた末の戴冠であった。心の底からおめでとうと言いたい。

 

【追記】

 ここでは決勝戦全体を振り返るが、告白すると敗者復活はメイプル超合金が勝ち上がるものと信じて疑わなかった僕(汗)。失礼ながら決勝進出者のいでたちが地味な人が多かったため、今年のテレビ界を席巻(せっけん)したメイプルの2人が視聴者投票の利点を十二分に生かして勝ち上がり、颯爽(さっそう)と(?)会場へ向かうシーンを決勝前からずっとイメージしていたのである。それだけメイプル、とりわけカズレーザーの今年の躍進は目を見張るものがあった。

 果たして視聴者投票の結果は、1人3票の新しい投票システムが功を奏したのか、周知の通り和牛が勝ち上がった。「結局見た目地味な人がそろっちゃったな」と意地悪な見方をリアルタイムでしてしまったが、その後の和牛の躍進ぶりは既に触れた通りだ。

 最終決戦に残ったメンツ(銀シャリ、和牛、スーパーマラドーナ)が示すように、ネタの強みで勝負できる正統派がひと際評価された大会になったと思う。しかし3組は期待に応え、ふたを開ければどこが勝ってもおかしくない大会史に残るハイレベルな最終決戦を演出してみせた。これだけレベルが高いと、翌年の大会のエントリー数に影響が出るんじゃないかといらん心配するくらいに。審査員が今回と似たようなメンツだと、決勝の門をくぐるタイプは数限りがありそうだし。

 とはいえカミナリのような無名コンビが上沼恵美子の審査込みとはいえ注目を浴び、キングオブコントで2回戦敗退の憂き目を見たさらば青春の光が漫才コンテストのM-1で4位につけるなど実りある大会となった。間違いなく来年もM-1は開催されるであろうが、私はあえて次の大会ではメイプル超合金に期待したい。芸人界でも指折りの明晰な頭脳を持つカズレーザーは、今から華々しいリベンジのシナリオを多忙な中でも頭に描いているに違いない。

 そんなわけで私はメイプル超合金をまずは注視しながら、まだ見ぬ若手芸人の躍進を心待ちにしている。

M-1グランプリ2016決勝戦感想その5

 最終決戦に残ったのは銀シャリスーパーマラドーナ、そして敗者復活の和牛。

★最終決戦

スーパーマラドーナ

 ファーストラウンド3位の彼らは最終決戦でトップバッターという不利な位置となったものの、ふたを開ければ逆境を逆手に取ったかのような素晴らしいステージを披露してみせた。

 時代劇という定番のテーマであったが、スーパーマラドーナとしては十八番のネタだったようで、ファーストラウンドでの丁寧な伏線張りとは一線を画した、のびのびとした田中のボケと武智のツッコミが縦横にかわされる。武智が勢いよく田中を張り手でツッコんだ際は悲鳴が会場から上がるが、これを武智は「プロの技術でやってますんで」といなしてもうひと笑い。このくだりはスーマラの定番らしいが、ここからさらに会場の笑いのエンジンがかかったように思った。

 会場のウケだけでいえばベスト3の中でダントツ。ネタ終わりに会場からどよめきが発生したのには、古いが2002年M-1の笑い飯最終決戦を思い出した。

 最終決戦では審査員の採点はないのだが、私独自の採点では95点。

 しかしこの最終決戦でスーマラ、特に武智の技量にうなった1人としては、このほどNON STYLEの井上が起こしたひき逃げ事故の同乗者が武智であったことは、非常に残念だったと思わざるを得ない。どことなくスーマラ1本目の「閉じ込められたエレベーターにもう一人いた」ネタとの類似性を感じるものがあったとしても、だ。

M-1グランプリ2016決勝戦感想その4

★ファーストラウンド

さらば青春の光(初出場)

 ホームグラウンドたるコントの祭典であるキングオブコント(KOC)2016では2回戦敗退の憂き目に遭った彼らが、漫才の日本一決定戦たるM-1決勝の殿(しんがり)に登場。彼らのコントはKOC決勝でさんざん見てきたはずだが、実は漫才は初めてだったりする。

 そんな彼らが決勝の場で満を持して披露したネタは「能」。うわさでさんざん聞いていたネタではあるが、個人的には乗れないままネタが終わってしまった。東口が雰囲気たっぷりに「能やな」とつぶやくので、ネタの後半ではその種明かしがされるものと見ているこちらは身構えたのだが、ふたを開ければ森田が大げさに驚くくだりが続く展開に終始したので、直前のスーパーマラドーナと比較しても評価を下げることにした。

 審査員の合計得点は448点。私の採点はこれまで最低の88点。森田のバリエーション豊かな驚きツッコミに評価が集まったようだが、私はそこへ気づかず「ねじり鉢巻き角刈り奮闘記」ってボケが弱いな…と思っていた。なんやかやで東口のボケがはまらないもしくは気にしないで、かなり評価が分かれるネタじゃないのかな。

 

和牛(敗者復活・2年連続2回目)

 視聴者投票によるハイレベルな敗者復活を勝ち上がったのは、前年決勝6位の和牛。個人的には今年のテレビ界を席巻(せっけん)したメイプル超合金の圧勝だと予想していたので、この結果にまず面食らった。

 とはいえ、私としてはこの時点で和牛にそんなに過大な期待はかけていたわけでなかった。前年の決勝ではカップルの男性(水田)が女性(川西)をネチネチ理詰めで追い詰めるネタで、これを今年も見させられるのはキツいな…と思ったので。

 ふたを開ければさにあらず、このコンビのポテンシャルを嫌というほど見せつけられた。ドライブデートの途中、カーブで大げさにリアクションする水田。トイレで手を洗わなかったらしい水田に手を近づけられて嫌がる川西など、まるでサンドウィッチマンがごときコント漫才の真髄を見せられた気がする。

 個人的には水田にゴミを捨てるよう頼む川西演じる女性の口調がやや汚かったのが気になったが、あまりにそれまでのコント演技が利いていたので我慢して見る気になった。果たして、そのゴミ捨てのくだりが終盤の展開に生きたのでこちらは得心した次第だ。

 加えて、逆ギレした水田が頭を冷やそうとしてジャングルジムに興じるおかしみの破壊力よ。全く関係ないが、このネタを見て水田はジグザグジギーの宮澤と似ているなと感じ入ったw

 審査員の合計得点は469点。私の採点は95点。

 

 続きます。

M-1グランプリ2016決勝戦感想その3

★ファーストラウンド

スリムクラブ(2大会ぶり2回目)

 旧M-1最後の決勝戦(2010年)でとてつもない爪痕を残した2人がリベンジを果たしに来た。優勝候補の本命と目された彼らだが、冒頭から違和感を覚える。真栄田の「アンダー18歳以下の天狗」という素っ頓狂なボケに内間がキッチリと否定しなかったからだ。あの前回の決勝戦登場時の「あの…間違ってたらすいません…あなた以前…私と…生活してましたね…?」「…してません」というやりとりがいまだに強烈だったからであるが。

 それでも「おばあちゃんが4WD」とか「家族のトーナメント表」とか、やたらズシンと響くボケをかましたのはさすがだと思った。この手のボケは漫画でぜひ表現してほしいと感じた。真栄田は中学時代イケてない芸人で、「線マン」という漫画を描いていた。それを現在プロで活躍する同級生の島袋光年に見せたところ、「商業誌でウケない」と一蹴されたと「アメトーーク!!」で言っていたっけな。

 終盤になると真栄田の誘い笑いが顕著となり、とっちらかっていった印象。素人の私でさえそう思ったのだから、ネタ後の上沼恵美子の一喝ぶりは非常に納得が行った。

 審査員の合計得点は441点。私の採点は90点。

 

ハライチ(4大会連続4回目)

 前回最下位の屈辱を晴らすべく、十八番のノリツッコミを封印してのRPGネタではあったが。「勇者勇者サワベ」のボケは素直に笑えたが、個人的にどうにもそこが笑いのピークで、裏切りなく粛々とネタが進んだ印象。

 前回は岩井が死ぬほど噛み倒したが、今回は「ドロダヌキ」でやや噛んだくらいか。

 審査員の合計得点は446点。私の採点は91点。

 

スーパーマラドーナ(2年連続2回目)

 ミステリー小説と見まがうほど(?)伏線を張りに張ってのネタはとにかく見事だった。エレベーターに閉じ込められた田中と見知らぬ女性。私はリアルタイムで見ていて「ははあ、もう1人閉じ込められている人物がいるな」とまでは読んでいた。

 しかしふたを開ければ「もう1人の人物」が田中というオチ。ここまで読めた人はほかにいたかもしれない。しかし冒頭に掲げていた「田中のキリッとした表情」が輪をかけて秀逸だった。ダメ押しというやつだ。

 最高の笑いどころまで、ためてためて最後にドーン! ピッコロの「魔貫光殺砲」を彷彿とさせる手法には唸らされた次第である。

 審査員の合計得点は459点。私の採点は94点。

 

 続きます。