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「LIFE!」#34(final episode、NHKテレビ3月9日放送分)

【プラス車掌】

 全メンバーへの「ありがとう」をプラス車掌(田中直樹)が送る後半戦。吉田羊とムロツヨシが差し入れネタで被ってしまったのが弱冠残念だった。

 それにしても最後、プラス車掌が内村光良に「LIFE!」を1年やりおおせたことを感慨深げに、かつ声震わせてお礼を述べていたのは謎の感動あったわwこのコントがあって最終回の感じが引き出たと思う。

【オモえもん】

 最終回。いつもの空き地でオモえもん(星野源)がさとしくん(ムロ)、ゆめかちゃん(石橋杏奈)、ゴリ山田(シソンヌ長谷川)、ムネオ(シソンヌじろう)を呼びつけて突然の別れを告げるのだが…。

 本家の「最終回」というと、どうしても空き地でジャイアンのび太が決闘するあのエピソードを思い出す。意識した演出ならば、なかなか渋い。しかし、こちらは同じ空き地のシチュエーションでもオモえもんがゴリ山田らを撃退するというねwしかもキレ方が理不尽ww

 そして「どこへでも行けるドア」をくぐるオモえもんが、さとしくんに別れを告げる…。すべてを見届けたさとしくんは、肩の荷がすべて下りたようにガッツポーズをする絵で第4シリーズの根幹をなしたシリーズコントは一応の終了をみた。まあ今後のシリーズで、いかようにも続編が作れそうなラストではあったが。

 オモえもんはうそ太郎と並ぶ今シリーズの中心打者、および星野の勢いを示すキャラクターだっただけに、6月に予定するという特番でも早速復活してほしいところではあるが。

【ドキュメント2017】

 40年後をモチーフにし、御年92歳になっても「LIFE!」の座長を務める内村のフェイクドキュメンタリー。この虚構世界では、星野源が76歳にしてオスカー&グラミーの受賞を果たしていたw

 個人的には、星野はグラミーやオスカーより「日本人初の歌詞でのノーベル文学賞」を獲得してほしかったね。ボブ・ディランの受賞も記憶に新しいし、「ノーベル文学賞取れそうで取れない」村上春樹のパロディーも考慮に入れてね、って感じで。

 しかし内村の池落ち→大型扇風機に煽られ納屋へ倒れ込んで荷物がすべて落下→ズタボロとなった内村が初回のアナウンスをするも、セリフNGがあって撮り直しを要求されて立ち往生するラストまで、いやあ大いに笑わせてもらいましたわ。50歳をとうに過ぎても水にぬれ、風に吹かれてしまいには段ボール攻撃を受けるw内村の姿勢には頭が下がるばかりだ。

 今回のコントを見て、私は内村にぜひドリフターズへ加入してほしい、そう思った次第です。ドリフの一番下っ端である志村けんが、腹をくくって金ダライだの屋台崩しだのに挑んだように、日本有数のコントグループであるドリフへ後輩の内村が手を差し伸べる絵は、ぜひとも見ておきたいというのが私の率直な立場だ。

「LIFE!」#33(NHKテレビ3月2日放送分)

レビュー

【宇宙人総理】

 宇宙人総理・小暮(内村光良)の母親(樹木希林)が「総理大臣だからといって、何でもできると思ったら大間違いだよ」と伝説的なセリフを残した総選挙の回から1年半ぶりの復活。新作は記者会見場を舞台に、スコップ米大統領との日米首脳会談を終えた小暮総理が怪気炎を上げる。

 小暮総理が自身の意に沿わない報道をする記者(田中直樹)の排除を要求するなど、トランプネタかと思わせておいて、その実はわが国の安倍首相ネタだったというねwトランプの掲げる「アメリカファースト」に安倍首相が追随の姿勢を示したことは日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」でも批判されたが、この「宇宙人総理」では大手マスコミが大挙したであろう会見場内の記者たちも「ジャパンファーストじゃないんですか!」と小暮総理を指弾する。実際の記者クラブもこれくらい気骨見せて安倍首相を詰めろよ全く、と俺は見ていてニヤニヤしたw

 結局は小暮総理が伝家の宝刀である謎のビームを放ち記者陣を制圧。内閣報道官の小津える(西田尚美)もビームで追撃し、彼女も宇宙人なのかという新たな謎を残して名作シリーズの復活作は終了した。

 第4シリーズは終わり、今後は不定期放送となることが既に伝えられた「LIFE!」であるが、ぜひとも宇宙人総理の新作は出してほしい。そう素直に願える良作コントであった。

 ちなみに吉田羊が、メガネの記者役でこのシリーズ初登場を果たしている。あと前回まで小暮の側近を務めていた香取(星野源)は今回不在。前回の総選挙でイカ大王(塚地武雅)に選挙区選挙で敗れた影響ではという声もあったが、衆院選なら選挙区選挙で負けても比例代表で復活当選できるパターンがあるからね。「LIFE!」スタッフさん、もしご存じなかったようでしたら新作制作の際に参考にしてくださいw

【プラス車掌】

 2週にわたってプラス車掌(田中)がメンバーに「おめでとう」と祝福。ここで臼田あさ美の結婚に触れられた。あと星野のブレークを祝う際に3年前の同コントの映像が流れるのだが、星野のルックスが別人すぎて噴いたわw尺の都合で言わなかったのか言ってもカットしたのかは分からないが、個人的には「恋」がセンバツ行進曲に選ばれたことをプラス車掌に祝ってほしかったぜ。

【偽料理長からのアドバイス

 レストランのせわしない厨房の様子を多彩なカット割りで描写してみせる民放ドラマのような導入のうまさが、その後の展開のバカバカしさをよけいに引き立てる。拘束された本物の料理長(内村)と似ても似つかないルックスの偽料理長(塚地)の邪悪な笑顔がインパクト強くて、下手したらその後のコントの展開が頭に入らないところであったw

【ムロ待ち】

 ここでも臼田の結婚いじりが見られるとはなw黄金原さん(シソンヌじろう)は俳優のネクストブレイクランキングで2位をマークしたムロを祝福するのだが、山崎賢人など並み居るイケメン若手を抑えての2位に黄金原さんも「ブサイ…なのに」と本音を吐露してしまい、さらに1位は「LIFE!」の同僚たる星野源だったという2段オチが待ち構えていたというねw

 改めて「LIFE!」は、そんな実力派を抱えていた大型コント番組だったのだなと知る羽目になる。まあ結局不定期放送に切り替わるので、マー君や岩隈がいたのに優勝できなかったかつての東北楽天イーグルスを思い起こしてしまうのだがw

【営業マンジャムを売る】

 「LIFE!」内では比較的若者の役をやることの多いムロ(満41歳)が、バーコードハゲのかつらを被って「さばジャム」の営業に苦闘するサラリーマンを熱演。さばジャムってあれか、石川雅之の名作漫画「もやしもん」で紹介される「シュールストレミング」と同類とみていいのかね。試食するのをギリギリまでためらうムロ、終始事務的な態度に徹するスーパー店長の田中と両者の演技もコントを引き立てていた。

R-1ぐらんぷり2017決勝戦の感想その4

レビュー

◆ファイナルステージ

サンシャイン池崎

 敗者復活から唯一の勝ち上がり。池崎はこれまでふかわりょう青木さやか、あばれる君と一世を風靡(ふうび)したピン芸人を多く抱える渡辺プロ所属であるが、優勝すれば同事務所から初のR-1戴冠(たいかん)となる。

 果たして今回のネタは、これまでもちょくちょく見かけることのあったデカい剣をモチーフにした1人コント。前回のトトロネタと同じく既視感はあるにはあったが、剣で額を割られてからの「マトリョーシカ!」など、初見じゃなくても素直に笑えるネタを惜しみなくぶち込んでいて好感が持てた。まさに集大成という感じのネタであった。

石出奈々子

 ジブリのヒロインっぽい女性が司会を務める通販番組のネタ。序盤は腕まくりとか笑いながらの寝転びなど前回の「再放送」を見させられている感があって「大丈夫か?」と不安になった。

 しかしその後は真珠のネックレスを売る際に「もののけ姫」のトーンで環境破壊への危惧を訴えるというひねりを加え、さらにそのネタの天丼をやると見せてさくっと切り上げるなど、構成の妙に将来性を感じた。ゆえに、これだけ多彩なネタ展開をできるなら、ジブリヒロインじゃなくて他のキャラでのネタを見たくなるといううらみが残った。

アキラ100%

 「絶対に見せないde show」の2本目。まずこのネタチョイスに驚かされた。激戦のCブロックを勝ち上がったアキラ100%は、芸人人生を決めるこのファイナルステージで出世作である「丸腰刑事」を絶対やるであろうと思っていたからである。

 それでもふたを開けてみれば、Cブロックよりも多彩な見せ方できっちりと爪痕を残してみせた。股間のお盆をキープしながらのお手玉は、無事成功した際に私も「あーよかったー」と安堵(あんど)のため息をついたほどである。麻雀パイを積むネタはその絵面の地味さに反して非常に難易度が高そうで、客席から「怖ーい」との声も上がった。一瞬「余計なこと言うなよ」と思ったが、俺もお手玉のネタを見て「あーよかったー」と声に出したから人のことは言えないw

 それでも苦言を呈するなら、ラストのピタゴラスイッチネタだろうか。これは風船が股間に確実に来たタイミングでお盆を外したので、ネタとして成立していない気もしないでもない。ただカメラがアキラ100%を斜めからとらえるカメラワークだったので、彼も生放送ゆえ慎重を期したのかもしれない。ピタゴラスイッチネタのときは正面からのカメラワーク固定で、アキラ100%にやらせたかったなと思った次第である。

 

 個人的な採点は池崎1、石出0、アキラ2。

 100点満点で言えば池崎90、石出89、アキラ92。

 果たして実際の審査結果は、視聴者投票でも60%と圧倒的な支持を勝ち得たアキラ100%の初優勝と相成った。この厳然たる結果をもって、アキラ100%はテレビ演芸界に革命を起こしたと言ってもいい。裸踊りという、まさに古典的でありながらコンプライアンスにまみれた芸を実力でテレビ業界に認めさせたのだから。

 

 そして決勝戦全体を通して鮮烈な印象を残したのは、Cブロックのブルゾンちえみである。彼女はブロック出場者全員のネタが終わり、出場者そろい踏みの際に緊張が解けたのか「ネタ飛ばしちゃった…」と嗚咽を漏らしてしまう。その姿に百戦錬磨の司会キャリアを持つ雨上がり決死隊宮迫博之も「大丈夫や」「いろいろ伝説残したな」と声をかけるほかなかった。

 ブルゾンについて言えば、素人の俺が激励するのもおこがましいとは思うが「これまでがうまく行きすぎていたんだよ」というほかない。このR-1決勝放送の前日、ブルゾンは「しゃべくり007」(日本系)に出演し、大先輩であるくりぃむしちゅーネプチューンチュートリアルに自身のネタを伝授していたのだが、指示している彼女を見て「しんどそうだな、疲れてんじゃないの?」と思わせる節があった。

 R-1後に放送された「行列のできる法律相談所」(日本系)では世界的ミュージシャンのエド・シーランの突然の訪問を受けるドッキリにかかるのだが、対面前のコメント撮りでエドを「イケメンではないけど…」と話してしまい、それを通訳されたのを後で知って「何でそんなこと言ったんだろう…」と本気で落胆してしまっていた。

 今回のブルゾンのR-1初決勝は、自身の思惑を超えての大ブレークに悩まされ、生放送で号泣という一見最悪の結果を招いた。しかしブルゾンはいまだ芸歴2年である。今回の貴重な経験を奇貨とし、ぜひともR-1ぐらんぷり2018ではすべての恩讐を乗り越え、今度はうれし涙での優勝を果たしてほしい。そうしたドラマを来年に引っ張った点で、非常に実りある今年のR-1だったと私は思っている。

R-1ぐらんぷり決勝戦感想その3

レビュー

◆Cブロック

ブルゾンちえみ

 初のファイナリスト。しかし正月での「おもしろ荘」優勝を機に芸歴2年目のブルゾンの環境は一変した。

 「行列のできる法律相談所」「深イイ話」「しゃべくり007」(いずれも日本系)と立て続けにゴールデン、プライム帯の番組に顔を出し、一躍ブルゾンは時の人となった。これほど短期間でブレイクを果たし、その勢いのまま賞レースの決勝戦に臨んだ芸人を私は寡聞にして知らない。

 今大会のファイナリストの中でもダントツの知名度を誇ったであろうブルゾンは、決勝の本番で、これまで脇を固めてきたWithBなしでの「キャリアウーマン」ネタに挑戦した。準決勝のネタは別の内容だったらしく、このネタチョイスはテレビ局側の意向も働いていたのかもしれない。

 果たして結果は、多くの方がご承知のようにネタ飛ばしをしてしまうという惨状を呼び起こした。ネタの中盤、ブルゾンは口に手をやった状態で「あっ…」と絶句してしまう。この後ブルゾンはホワイトボードに「本能」という字を書くのだが、その手つきが震えているように見えて私は「なんとか無事に終えてくれ」と思ってしまった。

 しかしその後本能の画数について「35画、じゃなくて15画」とつぶやくくだりはきっちりウケていて胸をなでおろした。まあこれもそれまでさんざんブルゾンとwithBが擦ってきた「35億」が、観客の頭に刷り込まれていたからだとも思うが。

【マツモトクラブ】

 3年連続3回目のファイナリストだが、敗者復活ではないストレートの決勝進出は今回が初。雪に悩まされた駅のホームで、大して親しくもない人と線路を挟んで対面してしまうという「かゆいところに手が届く」タイプの1人コントをきっちりこなしてみせた。

 ただふたを開けてみれば、そうした絶妙なシチュエーションを生かした笑いを作り出せたとは言い難いものがあったと思う。主人公が傘を開いた際、内側にたまっていた雪が舞うくだりはうまくて感心させられたが、その後の展開でそれを上回るギャグはついぞ見られなかった、残念だなというのが率直な感想である。

アキラ100%

 初のファイナリスト。いやー、2年前にダウンタウンガキの使いの「山ー1」グランプリで丸腰刑事のネタを見たときは、「いやー面白い、面白いけどR-1の決勝には絶対出られないよな」と思ったのが懐かしい。

 「絶対に見せないde show」という退路を断ったようなショーアップしたネタで、アキラ100%T.M.Revolutionを模倣し首振り扇風機を相手にきっちり股間のお盆を落とさずやり切ってみせた。全く好き嫌いの別れる芸風ではあると思うが、人事を尽くして天命を待つ。そのことわざを地で行くように、アキラ100%はベストを尽くした。

【おいでやす小田】

 2年連続2回目のファイナリスト。昨年はストレート、今年は敗者復活1位としての勢いを得て本選に臨んだのだが。

 今回のネタは恋人とのディナーを舞台に、つい出してしまう比喩の言葉を絶叫しながら打ち消す男性のネタ。展開的には昨年のコンビニ面接を彷彿とさせる内容で、その意味では今回の小田のライバルは昨年の自身のネタだったかもしれない。

 今回のネタ、小田が恋愛相手との理想のやりとりを例の早口でまくしたてるくだりがあるのだが、その部分はお笑いにおける「緊張と緩和」にはなりえてなかったうらみが残る。手を叩くくだりがネタにつながるなどの構成は非常によかっただけに、途中の独白が足を引っ張った感はどうにも否めなかったりする。

 

 個人的な審査はブルゾン0、マツクラ0、アキラ2、小田1。

 100点満点の審査で言えばブルゾン86、マツクラ90、アキラ93、小田91。

 激戦のCブロックを勝ち上がったのはアキラ100%

R-1ぐらんぷり2017決勝戦の感想その2(修正あり)

レビュー

◆Bブロック

ゆりやんレトリィバァ

 3年連続3回目のファイナリスト。今度こそ優勝を!との思いを込めたネタは衣装の白ノースリーブワンピースからして進行役の加藤綾子と被ってしまったがw、実力者ならではの世界観が確立していた。

 3年連続の決勝だけあって笑わせどころのしっかりした良ネタだとは思ったが、後半のヤンキーあるあるは視聴者にとっては唐突でパンチの弱い内容に感じた。それでも、ラストの「人には人の、尿酸値」というセリフを放った後、それこそ元ネタであろう蒼井優みたく唇をかみしめてみせたあたりに彼女の芸達者ぶりを感じた。

石出奈々子

 初の決勝進出。前年の大会からジブリものまねで好評を博していた彼女が、ついに地上波でそのベールを脱いだ。

 ネタはジブリヒロインっぽい主人公が大阪を訪ねるという、展開次第では大スベリしそうなリスキーな内容。しかしふたを開けてみれば、床に大の字となりながらひとしきり笑った後に毒を吐くパターンの天丼や、道頓堀というシチュエーションで満を持して放たれる「掛布」のパワーワードがちりばめられた。よくできたネタだと思う。

ルシファー吉岡

 2年連続のファイナリスト。今回は前年のような敗者復活でなく、正面突破で決勝入りを果たした。ネタは前年と同じく教師ネタだが、前年の「キャンタマンクラッカー」というシモ系のパワーワードを封じていたので、あーもったいないなーという思いを抱きながらのネタ観賞となった。

 とはいえ大化の改新の実相(まあ約1500年前の話なので創作も多かろうが)に心を痛め、話し合いで解決できないかと涙ながらに迫る生徒たちの描写は、ピン芸人のネタといえど胸に迫るものがあった。何かともめごとを起こしたがるトランプ米大統領(RGではなく本人)に、このネタを見てほしいもんだねと思った。全くカエルの面に小便だとしてもだw

紺野ぶるま

 敗者復活戦2位に選出され、初のファイナリスト。お笑いファンの間では「チ○コなぞかけ」の人として認知されているが、当日偶然チャンネルを合わせてテレビを見ていた人々にとっては「背の高いキレイめのお姉ちゃん」というイメージしか抱かなかったのではないか。そういう意味で、彼女が復活した際は異様にテンションが上がってしまった。

 果たして決勝のネタだが、結論から言えば期待外れに終わったと言えよう。彼女のように一般世間において無名な芸人がいきなり視聴者にインパクトを与えるには、最初のひと笑いでドカンと爆発させるのが最善であろう。

 しかしふたを開けてみればギャグの1発目でBIG BANGがどうの3代目J Soul Brothersがどうのと、視聴者を置いてきぼりにしたネタでけつまずいた感が否めない。その後の「背中が肌荒れ」ネタが不条理感にまみれてキャッチーだっただけに、これに匹敵するネタが初っ端から出てくれば決勝ストレート入り組に絡める出来になったと思えてならない。

 

 個人的な審査はゆりやん1、石出1、ルシファー1、紺野0。

 100点満点で言えばゆりやん90点、石出91点、ルシファー89点、紺野87点。

 女性芸人が多数たたかったBブロックは、初ファイナリストの石出がファイナルステージの初勝ち名乗りと相成った。

R-1ぐらんぷり2017決勝戦の感想その1

レビュー

◆Aブロック

レイザーラモンRG

 3年ぶり2回目のファイナリスト。当然の如く出してきたトランプ米大統領ネタだったが、心なしか暴言のトーンが全体的にダウンした気がする。何か制作側の意向が働いているのだろうか。本人は大統領に就いても、どこそこでテロが起きただのデマ発言を発するなど相変わらずヒドい上に大して日本マスコミも批判しないのにねえ。

 静岡県民をテロリスト扱いし、そこから新幹線の停車駅につなげるあたりはベテランならではの腕を感じた。HGとのコンビネタでは栃木埼玉をネタにしていたので、関東を下って静岡を的にかけたのも新鮮に思ったが、後にこのくだりがとんでもない偶然を生み出す。

 ただし終わってみれば客の重さもあって、これまで見た彼のトランプネタ(HGとのコント含め)で最も低調な出来とウケに終わったと思う。

横澤夏子

 2年連続2回目の決勝。おばあちゃんの家にママチャリを駆って子どもを預けに行く母親。導入はすごく面白い内容では…と期待したが、結果的には1カ所くらいしか笑えなかった。前方の警察を見つけて慌ててチャリから降りるところね。

 横澤が母親役をやるコントは初めて見たが、他のネタほど人間観察が行き届いていない感じがした。祖母の家に子ども3人を預ける際のセリフとか、ちょっとありきたりだったかな。あと普段より早口すぎて聞き取れなかった。特に前半。

三浦マイルド

 2013年の優勝者。高校野球と合コン、保育園と任侠映画…と一見関係なさそうな二者だが共通して聞かれるあるあるフレーズをフリップで紹介した。

 繰り出されるギャグ一つ一つの強度に限れば、ファイナリストの中でダントツだった。保育園×任侠映画の「ワレ、どこの組のモンじゃー!」は(いやそれないやろ)と思いつつバカバカしさに笑ってしまった。

 しかしながらつい頭をもたげてしまったのは、このネタフリップにする必要そんなないよなと。これだけネタがきっちりしているなら、普通の漫談スタイルでも十分勝負できると思ったのよね。

サンシャイン池崎

 2年連続の敗者復活戦3位による決勝進出。予選の段階からネットでは「池崎の『ボン・ボヤージュ』がすごい」と評判になっていたのでどういうものかと未見のまま期待していたら、なるほどそういうことねとw個人的には面白かったので、そのまま全力の美容室ネタをやってもらってもかまわなかったが。

 んで、実際の本編は見たことのある「となりのトトロを1分間ダイジェストで紹介する」ネタ。つかみが野心的で成功していただけに、ちょっとがっかりした。池崎のネタは大分大学工学部卒という理系インテリだけあって勢いのわりに練られているが、それでも2回見ると厳しいもんがあるよ。

 

 審査員と同じく1人3点の持ち点として、私が採点するならこのAブロックは以下の通り。RG0点、横澤0点、三浦2点、池崎1点。

 またM-1やキングオブコントのように100点満点で採点するならRG88点、横澤86点、三浦92点、池崎91点。

 実際にファイナルステージ進出したのは、敗者復活から勝ち上がりとなったサンシャイン池崎

 

 続きます。

「空想大河ドラマ 小田信夫」#4(NHKテレビ2月25日放送分)

レビュー

 「空想大河ドラマ」と銘打った新感覚のバラエティーも今回で終わってしまう。そんな寂しさが先だってしまったせいか、リアルタイムで見ていたときは妙に緊張してしまってw、ギャグの数々を心から楽しめなかったというね。

 領主である小田信夫(堀内健)への反旗をついに翻した明智充(名倉潤)。柴田勝夫(原田泰造)や正室のお毛(小西真奈美)に脱出を促されても「間に合わなかったらどうすんだよ」と、信夫はまるで合コンの終電を気にする学生のテンションで取り合おうとせず、かねてからの悲願である「人間五十年」(敦盛)を舞う。

 これは最終回前半のハイライトであろう。型通りに舞うのが気に食わないのか、信夫は「ゆめまぼ ゆめまぼ ゆめまぼ」とアレンジを加え、柴田やお毛の不興を買う。しまいには付け人の林乱丸(今のところ演者不明、情報求む)の報告を受けて柴田もお毛もそそくさと逃げてしまい、信夫は和室をぐるぐる回りながら「どうしちゃったの~」と問いかけるはめに。初回の「廊下ぐるぐる」がこの最終回にこういう伏線で生きたのかと思うと、何かと感慨深いものがある。

 謀反した側の明智が先頭に立って「本能寺の辺」の寺に乗り込み、謀反の真相を自ら打ち明ける。このくだりは実際の明智光秀織田信長に対する「本能寺の変」に思いを馳せずにはいられない。そもそも史実において、光秀が信長に対して本能寺の変を起こした理由は明らかになっていない。一説には家来の面前で、光秀が信長に「このキンカ頭(はげ頭)が!」となじられたからともいう。

 その辺を鑑みれば、このたびの充の謀反も本人によると「わあー!となっちゃった」という理由だからのようであるが、案外信長に牙をむいた光秀もそうした理由だったのでは…と考えるのはさすがに夢がないか。ラストは謀反した側の充も加わっての信夫の「人間五十年」鑑賞、数々の火矢により寺が火の海となり、わたわたする信夫の引き絵で空想大河ドラマは終了となる。

 いやー欲を言うと、あと5分は欲しかったなあ。民放だとよくあるじゃん、15分とか30分の拡大版。同じ15分枠の朝ドラだって、最終回は本編終えてエピローグ的にまとめるテイストになるのを考えれば、やはり物語のカタをつけるために放送枠の拡大は必要だったと思うのよね。

 ともあれネプチューンおよび前田司郎がタッグを組んでの空想大河ドラマは、トータルに見て非常に奇跡的な、幸せな終わり方ができた類の名作に位置する出来だと思う。個人的には、ギャラクシー賞の月間賞あたり間違いなく受賞するのではないか。ぜひとも夏休み期間には、好評を受けての続編発表をお願いしたい次第である。

 小田信夫は架空の武将なのだから、どの時代でも年を取らず、あの感じでゆるゆると領地を収めているだろう。豊臣秀吉の天下でも、徳川家康の天下でも同じように。